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私立中高進学通信

2024年11月号

変わる私学!

国学院大学久我山中学校

理科好きとなる第一歩に最適
『理科巡検プログラム』

カリキュラム&プログラム
2024年8月に実施された、富士山での理科巡検の様子。火山や洞窟などを見学します。

2024年8月に実施された、富士山での理科巡検の様子。火山や洞窟などを見学します。

「きちんと青春」を合言葉に、真の学力を育む学習指導を実践している同校。
課外型授業『理科巡検』を中心に、理科への関心を高める取り組みを強化しています。

自然に触れることで
理科の本質に近づく

 武道や舞踊などの伝統教育と合わせて体験型の学習にも力を入れ、多様な学びを展開している国学院大学久我山。なかでも『理科巡検』は、フィールドワークや研究施設見学に年に1~2回直接出向く、課外授業型の学びです。担当する西村拓也先生は、次のように話します。

「理科は自然そのものを対象とする学問です。私たちは、生徒たちに現実の自然に触れてもらい、よりいっそうの興味や関心を向ける機会を提供したいと考えています。『理系に進んでほしい』『理科を専攻してほしい』という押し付けではなく、私たち理科教員が抱く好奇心や楽しさを生徒たちと共有することで、理科の世界への扉を開くきっかけにしてもらえたらと思っています」(西村先生)

 地学を専門とする西村先生が初年度(2012年)に生徒たちを連れて訪れたのは、神奈川県の城ヶ島。地層の様子を測定しながら、関東一円がどのようにしてできたのかを学びました。以降、箱根や銚子などを巡り、2024年の8月にはこれまでも数回訪れている富士山を再訪しました。

「当初は高校生がメインでしたが、現在は中1生から高2生までを対象としているため、全員が理解できて、かつ満足できる説明を意識しています」(西村先生)

 富士山周辺に散見される火山や、噴火でできた洞窟などを見学し、植生については生物を専門とする小林大介先生が解説を担当しました。

「富士山の五合目を越えると、森林限界が現れます。この地点から先は高山植物が生息し、私の専門である菌類と藻類の共生体、つまり地衣類も見られます。地衣類について熱心に話していると、その魅力に引き込まれ、意欲的に覚えてくれる生徒たちもいるほどです。教科書でしか知らなかった生物を実際に自分の目で観察すると、その記憶は深く刻まれるようで、私たち教員にとっても大きなやりがいを感じます。教科書にまとめられた知識を効率よく暗記することももちろん大切ですが、実際に自然と向き合い、その面白さを肌で感じることが、効率だけでは得られない学びだと気づいてもらえたらうれしいです」(小林先生)

他教科を巻き込んだ
融合カリキュラムに

 理科巡検の魅力は、校内の教員だけでなく、JAXAや理化学研究所など外部の専門機関の協力も得て、多角的な視点から学びを深められる点にあります。

「科学的リテラシーは、文系・理系を問わず今後必要とされるスキルです。特に文系の生徒から寄せられる感想は、私たちに新鮮な視点をもたらしてくれます。現在は単発のイベントですすが、今後は生徒たちが発表などを行って、成果を形に残せる機会に発展させていきたいと考えています」(西村先生)

「職員室で理科巡検の話をすると、他教科の先生方も興味を示してくれています。特に社会科と連携して、その土地の地層や植生を、歴史や地理と結びつけた融合カリキュラムに育てていきたいと考えています」(小林先生)

 同校では理科巡検に加えて、企業や研究所の専門家を招いて校内で実験や講義を直接体験できる『実験教室』といったイベントも開催しており、これらを統合した『くがラボ』を始動。理科教育のさらなる充実を図っています。

UPDATE
理科巡検
フィールドワークやラボ見学を展開
フィールドワーク

 2012年より実施しているフィールドワークでは、城ヶ島、銚子半島、富士山、箱根などを訪れ、地層やその近くの植生を観察します。教科書での学びを超えた体験が得られることはもちろん、天候の変化によって想定外の絶景などに恵まれることも自然に触れる醍醐味です。箱根では温泉地学研究所の先生に地質の解説をしていただきました。

箱根訪問の様子。


JAXA見学

 茨城県つくば市にあるJAXAでは、一般の展示館を訪れた後、宇宙飛行士の養成エリアや衛星「きぼう」の運用管制室のバックヤードも見学するなど、貴重な体験を得ることができました。


理化学研究所見学

 西村先生の専門である地学、小林先生の専門である生物は、共にフィールドワークに重きをおいているため、ラボ系の研究所を回る企画も昨年スタートしました。理化学研究所では、所員の方の講義を聴講しました。

理化学研究所訪問の様子。

変わるポイント
変化が激しい時代に
より良い未来を築く人材を育成

 世界・日本が予想をはるかに超えるスピードで変化しているなか、同校では将来を生き抜く力を養成するために、今回取材した『理科巡検』をはじめ、さまざまな進化を続けています。今後の理科教育について、先生方に伺いました。

理科・広報部主任 西村 拓也先生理科・広報部主任
西村 拓也先生

「本校は理科会館の設備が非常に充実しています。これまでは年間100回ほどの実験を授業で行ってきましたが、今後はより実験内容を深堀りする方向に転換していく予定です」


理科 小林 大介先生理科
小林 大介先生

「与えられた実験をただ行うのではなく、なぜこの実験を行うのかなどを考えたうえで、実験で学んだ内容を自分で整理し、レポートやプレゼンまで発展させる学習改革に臨んでいます」

(この記事は『私立中高進学通信2024年11月号』に掲載しました。)

国学院大学久我山中学校  

〒168-0082 東京都杉並区久我山1-9-1
TEL:03-3334-1151

進学通信掲載情報

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