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私立中高進学通信

2024年12月号

私たち、僕たちが大好きな先生

日本工業大学駒場中学校

学び続けることで
引き出しを増やしたい

橘 美沙(たちばな みさ)先生

理科 橘 美沙(たちばな みさ)先生
私立の中高一貫校を経て、大学の理学部物理学科へ進学する。
高校では生物部に所属し、チョウをテーマとする研究を行う。
大学では専門分野の学びを続けるとともに、子どもとの交流をもつサークルに所属する。
大学卒業後は教職に就き、前任校を経て日本工業大学駒場に奉職。
6年目となる今年度は中2クラスを担任し、中学の物理・生物・地学および高校普通科特進コースの物理を指導している。

「生徒の興味・関心に寄り添えるよう、自分自身が学び続け、引き出しを増やしていきたい」と語る橘美沙先生。理科の授業はもちろん、中2のクラス担任としても、生徒のことを第一に考えた指導を行っています。授業指導や生徒指導で大事にしていることを伺いました。

実験などを通して
体験を多く積ませています

――理科教員を志したきっかけは何ですか。

 小さい頃から生き物が好きで、高校生になっても昆虫採集が好きでした。高校では生物部に所属して、チョウをテーマに研究をしていました。生物部の合宿ではメンバーそれぞれが研究テーマの生き物を採集するのですが、私はひたすらチョウの採集に勤しんでいました。大学は理学部物理学科に進み、卒業後も理科的な分野に関する学びを続けたいと思っていました。大学で子どもたちと交流をもつボランティアのサークルに所属するなかで、子どもたちとの交流が楽しいと感じ、教員を志すようになりました。

――生物がお好きだったのに、大学で物理学を専攻されたのはなぜですか。

 高校生の時は、物理に苦手意識をもっていました。理科の道に進もうと思っているのに物理が理解できていないのはいかがなものかと思い、苦手を克服しようと物理学科を選びました。そのおかげで物理も楽しい、物理も好きだと思えるようになりました。

――私立中高一貫校の教員を選んだのはなぜですか。

 自分自身が私立中高一貫校出身ということもあり、教員と生徒の距離が近い環境に親近感があったからです。教員になった今も中高時代の先生方とは仲がよく、母校の文化祭などに顔を出すと、当時教えてくださった先生方とお会いして、話し込んでいます。

――現在は何を教えていますか。

 本校の理科は、中1から物理・化学・生物・地学に分かれ、それぞれ専門の教員が授業を行っています。私は中学の理科のうち、物理をメインに担当し、生物と地学も教えています。そのほかに高校の普通科特進コースの物理も担当しています。

――理科の授業ではどのようなことを心がけていますか。

 実験などを通して体験を多く積ませること、また、ストーリー性をもった事象の説明を心がけています。理科は教科書を読むだけではわかりにくいことが多く、実験をしたり、標本を見たりなど、体験を通して実感をもつことで理解が深まります。身の回りのものにも科学的な法則や事象を利用したものがたくさんあるので、そういう話から理科を身近なものに感じ、その面白さをわかってもらえればと思っています。また、研究者に聞いた話やフィールドワークで体験したことを話して、理科にストーリー性を感じてもらうようにしています。

――生徒には理科の学びを通して、将来どのようになってほしいですか。

 私が中高生の時、ある先生が「新エネルギーの研究をしたかったが、自分にはできなかったので君たちに物理を教えている」とおっしゃっていたことが印象に残っています。自分の知識や経験を、未来を担う生徒に託し、研究者や新しいことを導き出す人が生まれてほしいと思っています。先日も私がこの学校に赴任した初年度に受け持った生徒が「大学院に進学して素粒子の研究をすることになりました」と連絡をくれました。そういう人がこれからも出てくれることを期待しています。

――理科嫌いや理科に興味をもてない生徒には、どう対処していますか。

 自分自身が引き出しを多くもつことで、生徒の興味・関心に寄り添えるようにしています。例えば文系教科が好きな生徒には、宮沢賢治が自然をどのように表現しているか、一緒に考えることで、少しでも理科に関心をもってもらえるかもしれません。また、2つの事象について同じところはどこか、違うところはどこかと、自分で気づいて考えるようになると興味が高まると思っています。

――高校生の指導はどのようにしていますか。

 高校の特進コースでは、各々の志望先に合った過去問を用意するなど、大学受験を見据えた物理の指導をしています。ただし、問題を解くこと自体を目的にはせず、物理的な物の見方が身につくように、考え方や仕組みを教えるようにしています。また、自分が高校生だった頃の経験から、苦手な箇所でつまずかないように指導しています。

生徒に寄り添いながら
自立も促す

――担任としては、どのようなことを心がけていますか。

 一番大事なことは、学校が生徒にとって安心して生活できる場であることです。そうした環境で生徒たちが健全にのびのびと育ってくれることが何よりの喜びです。現在は中2の担任をしていますが、生徒には、自主自立をテーマにして「みんなでクラスや授業をつくっていくんだよ」と話しています。また、なるべく多くの時間を生徒と共にするよう心がけています。理科の授業だけでは接する時間が少ないので、休み時間や放課後にできるだけ教室に顔を出して生徒と交流するようにしています。生徒から相談してくることもありますし、こちらから声をかけることもあります。

 本校では「ファイトノート」というノートに毎日生徒が記入し、担任がコメントを返し、保護者も目を通すようにしています。生徒がそこに悩みなどを書いてくることもありますし、直接的な表現ではなくても何かしら読み取れることもあるので、状況や様子の把握に役立てています。

――生徒とはどのような距離感で接していますか。

 中2なので自立を促す必要があるため、近くに寄り添いながらも、私はアドバイスをするだけにとどめ、自分で考えて行動していけるような接し方を心がけています。一人ひとり性格や環境が違うので、それぞれに合った対応も必要です。各自に乗り越えられるハードルを設定する必要性を感じています。

――保護者との情報共有はどのようにしていますか。

 ファイトノートでのやりとりに加え、良いことでも心配なことでも、何かあると電話連絡をするようにしています。やはりご家庭と学校が同じ方向を向いていることが大切ですから。

――今後の展望を教えてください。

 もともと理科を学び続けたいという思いがあったので、自分自身が学び続けることでより専門性を高め、引き出しを増やしていきたいと思います。引き出しが多ければ、一人ひとりに適した対応ができます。大学の先を見据えた目標を達成できるような指導ができるよう、頑張っていきたいです。

スクリーンに資料を映して解説する橘先生。専門は物理ですが、生物や地学の授業も担当します。スクリーンに資料を映して解説する橘先生。専門は物理ですが、生物や地学の授業も担当します。
授業中にグループで話し合う時間を設け、いろいろな意見に触れられるようにしています。授業中にグループで話し合う時間を設け、いろいろな意見に触れられるようにしています。
机間指導では、生徒一人ひとりの反応を確かめながら教室内を回ります。机間指導では、生徒一人ひとりの反応を確かめながら教室内を回ります。
進学通信 2024年12月号
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