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私立中高進学通信

2024年11月号

今こそ心の教育

文京学院大学女子中学校

食育と伝統教育で心を養い
国際社会に生きる人材を育成

給食の時間には、中学の各学年が1週間ごとに交代でカフェテリアを利用します。
取材時は中3がカフェテリアを使用しており、中1と中2は教室で同じメニューを食べていました。

食育の一環として
中学校で給食を実施
中学副校長/島田美紀先生中学副校長/島田美紀先生

 今から100年前の1924年の創立以来、「誠実・勤勉・仁愛」を校訓に掲げ、「自立と共生」を教育理念として教育活動を行ってきた文京学院大学女子。創立者の島田依史子先生は、3つの校訓の中でも特に “仁愛”を大切にしていたのではないかと、中学副校長の島田美紀先生は語ります。

「どんなに優秀な人物でも、相手を大切にする心を忘れてしまっては人として失格です。『自分にとって良い』ではなく、『相手にとっても良い』社会を作っていくという姿勢こそが共生につながっていくと思います。誰もがそうした心をもっていれば、戦争は起こらないはずです」

 島田先生は紛争の絶えない世界情勢に心を痛めつつ、生徒たちがいかに幸せな時間を過ごしているかを、中学で実施している給食の時間に実感するそうです。

献立表と「給食だより」。「給食だより」は生徒たちの食事に対する関心を促すため、今年度より給食委員の生徒がコラムを書いています。給食委員は書くことで食に対する知識が深まり、生徒たちも友達が書いた記事だからと興味をもって読んでいるそうです。献立表と「給食だより」。「給食だより」は生徒たちの食事に対する関心を促すため、今年度より給食委員の生徒がコラムを書いています。給食委員は書くことで食に対する知識が深まり、生徒たちも友達が書いた記事だからと興味をもって読んでいるそうです。

「本校では食育の観点から、中学3年間は給食を提供しています。コロナ禍での給食は黙食でしたが、やはりみんなで会話をしながら食べる食事は格別です。
 世界に目を移せば今も戦争で苦しみ、食事もままならない人たちが大勢います。みんなで一緒に食事ができるありがたみを実感するばかりです」

 生徒たちは給食からさまざまなことを学んでいます。

「思春期を迎えた生徒たちにとって、身体に必要な栄養素をきちんと摂取することは大切です。体型を気にして極端なダイエットに走ることがないよう、いかに食生活が健康管理に影響するのかを給食を通して学んでほしいと思っています。さらに、月に1度実施される特別給食では、日本の郷土料理や世界の名物料理、季節にちなんだメニューが提供されます。食を通してさまざまな文化や、季節の移ろいを感じてほしいと考えています」

 また、給食の献立には生徒発案のメニューが採用されることもあります。

「中2の家庭科で献立作成を学んだ後、お弁当作りの宿題に取り組みます。写真を撮って授業で発表するのですが、人気メニューは次年度の給食に取り入れるようにしています。生徒たちに“食”への興味をもってもらえるよう、さまざまな試みを行っています」

創立以来継承する
伝統教育が心を育てる

 同校では伝統教育の一環として、「礼法」の授業も行っています。

「少し前に、スポーツの国際試合で、日本人の観客がゴミを拾って称賛されたニュースが話題になりました。日本人にしてみれば、自分が使わせてもらった場所をきれいにして帰るのは当然という意識がありますが、海外の方からするとそんな日本人の姿が礼儀正しく映るのかもしれません。これは、日本人に代々受け継がれてきた“相手を思いやる心”の表れだと思います。
 礼法の授業では、華道で『いけばな龍生派』の先生から花の生け方を習い、茶道で『宗徧流』の先生にお点前を教わり、それと同時に日本人が受け継いできた思いやりの心も学びます」

 創立時に女性の自立をめざして始めた「運針」も、同校の伝統教育における大きな柱です。

「毎週金曜日の朝15分間に、中1から高2までは手縫いの基本である『運針』を、高3は日本の伝統手芸である『刺し子』に取り組みます。針を手にする時間は集中力を高め、心を整える時間にもなります。精神面も磨く『運針』は、本校が大切に受け継いできた伝統教育の一つです」

 同校が重点をおくグローバル教育においても、こうした伝統教育は欠かせません。

「未来を創る人材を育成するため、平和に貢献するグローバル人材の育成を目的とする国際的な教育プログラム・IB(国際バカロレア)の認定を受けたアオバジャパン・インターナショナルスクールとの教育提携を2021年にスタートさせました。この取り組みのなかで、日本の伝統文化の心得が、自国に対する誇りにつながることを改めて感じています。伝統教育もしっかり継承して、豊かな人間性を備えた、真のグローバル人材を輩出していきたいと考えています」

 また、IT全盛の現代においても、ていねいできれいな字が書けることは一生の財産となるという考えのもと、ペン習字も実施しています。

「教本をお手本に、1日1枚以上書写することを習慣づけています。日々ペン習字に取り組むことで、字がきれいになることはもちろん、字を書く作業で心を落ち着かせることもできます。生徒からは『継続する力が養える』『コツコツと書くことでセルフマネジメント力が身につく』といった声もあがっています。学校生活からいろいろなことを学び取る生徒たちには感心しきりです」

カフェテリアの厨房で調理された給食を、当番が配膳していきます。人気メニューは、唐揚げとジャージャー麵とのこと。カフェテリアの厨房で調理された給食を、当番が配膳していきます。人気メニューは、唐揚げとジャージャー麵とのこと。
コロナ禍での黙食を経て、2年前から通常スタイルでの給食を再開。担任の先生も一緒に楽しく給食をいただきます。コロナ禍での黙食を経て、2年前から通常スタイルでの給食を再開。担任の先生も一緒に楽しく給食をいただきます。

お点前のレッスンは礼法室で行われます。
お点前を実践する前に、茶室への入り方やお辞儀の仕方、和室の歩き方などマナーを学びます。

中1で経験する初めての華道実習。
この日は比較的生けやすいリアトリスとガーベラを使って、初歩の初歩を学びました。

進学通信 2024年11月号
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