私立中高進学通信
2023年8月号
中1の始め方
日本工業大学駒場中学校
宿泊行事から始まる中学生活
クラスづくりのための3日間
4月に実施された「フレッシュマンキャンプ」1日目。東京から新潟までバスで移動中、
サービスエリアで昼食をとります。天気が良かったので記念撮影も行いました。
入学後間もない4月半ばに行われる「フレッシュマンキャンプ」。新しい仲間との集団生活を通して、生活面では基本的な生活習慣の定着、学習面では「ファイトノート」の書き方を身につけ、万全の体制で中1のスタートを切る準備を整えます。
新しい仲間とともに過ごす
3日間のフレッシュマンキャンプ
教育理念に「旺盛な探究心と共に優しく勁い(つよい)心を育み、未来社会に生きる力を身に付ける」を掲げる同校。4月に入学した中1生は、新潟県妙高市にある「赤倉山荘」で2泊3日の「フレッシュマンキャンプ」に参加します。
「今年度の新入生は216名が入学し、7クラス編成となっています。そのため、フレッシュマンキャンプは日程をずらして、3グループに分かれて実施しました。この行事は、新しい仲間との集団生活に早く慣れてもらい、日駒生の一員として好スタートを切ってもらうことが一番の目的です」(中1担任/松本葵先生)
赤倉山荘に到着してからは自然の中を散策し、球技大会を実施するなどレクリエーションの時間もある一方で、漢字練習やニュース記事の要約、数学・英語の課題をこなすといった学習の時間も設けられています。
「キャンプ中は班行動を基本とし、はじめの頃はうまくいかないことがありながらも、互いに切磋琢磨して意識を高め合い、3日間の中で一人ひとりの成長を感じることができます」
生徒を応援するツール
「ファイトノート」
フレッシュマンキャンプでは同校独自の家庭学習ノート「ファイトノート」の書き方、使い方を学ぶことも重視しています。
「ファイトノート冒頭には『一日を振り返って』という欄があり、保護者や担任が目を通すことで生徒の心の動きを知る大切なツールになっています。また、右ページには百人一首や漢字練習のスペースがあり、反復学習を促します。このファイトノートには、家庭学習を習慣づける意味合いと、教員と保護者が生徒の心の変化を知るという2つの目的があります」
ノートは毎朝のホームルームで提出するので、例えば学習面での悩みや友人関係でうまくいかなかったことなど、何か心配な記述がある生徒にはすぐに声かけをすることで、学習面と生活面の両方において、家庭と学校が一体となって生徒を応援することが可能となっています。
また、定期試験の2週間前からは「ファイトノート ラウンド2」という試験勉強用のノートに変更。勉強のスケジュールに特化した内容で、学習計画の立て方や、どこまで勉強が進んだかを把握できるようになっています。
宿泊行事を通して
一段とたくましくなる
日頃の生活面で重視しているのは、時間を守ること。
「チャイムが鳴る前に授業準備をしておき、チャイムが鳴った時には着席している“チャイム着席”を目標にしています」
一見、当たり前のように思えることではありますが、フレッシュマンキャンプを経て時間を守れるようになった生徒が増えたと松本先生は話します。
「班行動なので、遅れてしまうとほかの生徒に迷惑がかかってしまいます。自分だけが授業に遅れるのと違い、メンバーがそろわないと行動できない状況を経験して、時間を守ることや周囲に声かけすることの大切さを学びます」
4月に宿泊行事を経験することは、クラスづくり、ファイトノートの習慣づけ、マナーやルールを守ることの意義を知る良い機会になっています。
「7月には同じ赤倉山荘で、サマーキャンプも実施する予定です。大自然の中でカレーをつくるなど、アウトドアを楽しみながら互いに助け合って協力できるような内容を考えています。また、土壌生物や水生生物、土や水そのものを研究する理科実験も計画中です。2度目の集団生活で、さらに成長してくれるのが楽しみです」
周囲がよく見えている優しい生徒が多い学校です
「優しく勁い(つよい)心を育む」教育が本校のモットー。実際に、とても優しい生徒が多いと実感しています。中1生はまだ少し無邪気な部分もあり、ストレートな言葉を友達に投げかけることもあります。そうした時に教員が間に入らずとも、ほかの生徒が「そういう言い方は良くないよ」といったアドバイスをする場面をよく見かけるので、周囲のことがよく見えているのを感じます。
毎月のように何かしらイベントがあり、楽しみながら学校生活を送れるようにと考えています。5月には日本工業大学見学会を実施し、早い時期に大学を見る機会も設けています。キャンパス内には鉄道車両やSLなど多くの工作機械が置かれた工業技術博物館があり、鉄道好きの生徒も多いので毎年話が盛り上がります。(中1担任/松本葵先生)
(この記事は『私立中高進学通信2023年8月号』に掲載しました。)
日本工業大学駒場中学校
〒153-8508 東京都目黒区駒場1-35-32
TEL:03-3467-2130
進学通信掲載情報
PICK UP!!
紹介する学校
- 品性と礼節、歴史と伝統を重んじた制服が誕生浦和実業学園中学校
- シーンに合った着回しを楽しんで淑徳中学校
- 自分で着こなしを考え、個性と感性で選べる制服青稜中学校
- 「いかに学校生活を快適に過ごすか」がテーマ 着やすさにこだわった制服日本大学豊山女子中学校
- 中学生には『品位』と『成長』を高校生には『伝統』と『挑戦』を武蔵野中学校
- 3校ワンキャンパスでさらに躍進する京華の教育京華女子中学校
- 23区内最大級のグラウンドを全面人工芝化城北中学校
- 「ネバ―・ダイ」を校訓に掲げる男子伝統校 卒業生(社会人・大学生)から母校への思いを聞く京華中学校
- 「医学クラス」に通う在校生兄弟へ 埼玉栄の魅力をインタビュー埼玉栄中学校
- “5年前にも本誌に登場した”6名(当時・中2)が大学進学した“今”だからこそ実感する母校を語る芝浦工業大学柏中学校
- 「本科」「グローバル留学」「スーパーサイエンス」の各コースについて、新中1生にインタビュー昭和女子大学附属昭和中学校
- 「独自の英語教育」と「充実の施設・設備」在校生・先生がその魅力について語る獨協埼玉中学校
- 生徒一人ひとりを大切にする女子伝統校“三姉妹(卒業生・在校生)”から母校への想いを聞く中村中学校
- 独自の広報活動「FLYERS」について 教員志望の卒業生(大学生)・在校生へインタビュー日出学園中学校
- 理系にも強い“プロテスタント女子伝統校”卒業生(大学生)がその魅力を語る普連土学園中学校
- 伝統の“教養教育”が土台 卒業生の大学生2人から6年間の思い出を聞く星野学園中学校
- 独自のプログラムによる“体験型英語学習”卒業生(大学生)・在校生姉妹が母校への想いを語る目白研心中学校
- 「Think&Challenge!」がモットー 今春卒業したばかりの大学生2人へインタビュー横浜翠陵中学校
- 常に自己を観察して実力を見つめ直す 難関大合格の道標は「自学自習」の姿勢狭山ヶ丘高等学校付属中学校
- OBの保護者と在校生が語る 日本大学第一の魅力日本大学第一中学校
- 文武両道に国際・キャリア教育を組み込んだ『IGS(6ヵ年特進)コース』を新設八千代松陰中学校
- 「オンライン英会話」で伸ばす リアルなコミュニケーション力跡見学園中学校
- 英語教育の改革が大きな成果を 国際社会のリーダー育成をめざす佼成学園中学校
- “瞬時に使える英語力”を伸ばす「アドバンストコース」桐朋女子中学校
- 『ふじ活』で『聞く授業』から『参加する授業』へ藤村女子中学校
- 一人ひとりの個性を尊重し 豊かな感性と創造力を伸ばす女子美術大学付属中学校
- 宿泊行事で親睦を深め 達成感を味わう田園調布学園中等部
- 宿泊行事から始まる中学生活 クラスづくりのための3日間日本工業大学駒場中学校
- 男子校らしいのびのびした環境で自立心を育てる日本大学豊山中学校
- 「自己肯定感」につながる環境で安心して力を発揮宝仙学園順天堂大学系属理数インター中学校
- 安心感のある環境が充実した学校生活の土台に八雲学園中学校
- 1期生として『世界市民力』を培うサレジアン国際学園世田谷中学校
- 共学3年目、のびのびと“好きなもの”に打ち込める芝浦工業大学附属中学校
- 多様な生徒がそれぞれの目標に向かって前進富士見丘中学校
- 英語力を伸ばせる環境で楽しいです!文化学園大学杉並中学校
- フェアトレードと支援の輪を広げたい麗澤中学校
- 「なぜ?」を大切に 社会科の面白さを説く江戸川女子中学校
- 英語が通じる楽しさを実感できる学びをデザイン安田学園中学校
- 聴く力・書く力を重視した「表現力入試」を新設横浜富士見丘学園中学校
- 東大合格者を出す快挙 探究的な学びを核に生徒の能力を高める取り組みを進める光英VERITAS中学校
- 教育支援サービス『西武台ラーニングサポートセンター(SLC)』の導入で「学びの自立、自律化」を西武台新座中学校