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私立中高進学通信

2023年12月号

実践報告 私学の授業

文京学院大学女子中学校

20年後の“プリキュア”を考える!
個性的な探究プログラム

中高を通じ大学でも活かせる探究スキルを徹底育成
プレゼン資料をスクリーンに投影して確認している様子の写真です

プレゼン資料をスクリーンに投影して確認。
企画の意図やアニメの内容を伝えるために、積極的に意見を出し合っていました。

SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校として開発されたカリキュラムを基盤に、中高で探究スキルを身につける探究活動プログラムを実践しています。

中学では探究に必要な
3つの力の育成を徹底
副校長の佐藤泰正先生の写真です副校長/佐藤泰正先生

 文京学院大学女子では、オリジナル教材を使って、日常生活から得られる新たな"気づき"を課題化する探究学習を実践。生徒が自ずと広範囲の社会課題へとアプローチしていける個性的なプログラムが魅力です。

「中高の探究学習を通じて最も重視しているのは、『問いを立てる力』『課題を見つける力』です。生徒それぞれが自らの視点や着目点を把握し、互いの違いにも気づきを得たうえで、プレゼンテーションを通じて表現する力を育んでもらいたい。そのため、中学3年間と高校前半はグループワークを中心に据え、最終的には自ら課題を見つけて、個々に探究を深める力へと成長させていきます」(副校長/佐藤泰正先生)

 そうした力を育成するため、探究学習の基盤となる『言語運用能力』『数理分析・情報活用能力』『問題設定・解決実践能力』という3つの力の育成が必須だと佐藤先生。中学では学年ごとに3つの力を育てる工夫をしています。

「中1では言語運用能力をテーマに、『ウミガメのスープ』と呼ばれる水平思考クイズなども教材として活用しながら、相手の話を聞き、話を引き出す能力を身につけていきます。中2では数理分析・情報活用能力の習得を目的に、『朝日小学生新聞』などのデータから、適切なグラフ作成を考察する課題に取り組みます。
 中3では問題設定・解決実践能力の育成をテーマに、SDGs17目標の中から、各自が興味ある課題を見つけ、解決方法を模索しています。こうして中学3年間で段階的に養った探究スキルは、高校での探究学習にもしっかりつながっていきます」

身近な題材から社会課題へ
アプローチして探究力を磨く

 中学で培ったスキルを活かし、高校ではさまざまな現象を多角的・複合的に捉えた課題に取り組むことで、課題解決の手法を学びます。

 高1では、女子生徒になじみ深い人気アニメを題材に、『20年後のプリキュア』の企画をグループワークで考えます。このテーマは過去実施した『科学探究プログラム』講座で、同校中高の国語科教諭と併設大学の樋口桂教授が発案。その課題をブラッシュアップしたものです。

「『プリキュア』は長年続く作品ゆえ、コンプライアンスへの配慮やジェンダー問題など、時代の変化や世相をキャラクターや内容に反映してきたアニメです。この取り組みでは生徒たちが20年後の社会を予測し、アニメのストーリーやキャラクターなどを考えていきます。
 高1の後半になると、家電製品の過去数十年間の販売台数データを調べ、売れ方の変化から社会や世相の変化を読み取るような課題にも取り組んでいます。意識しているのは、身近な題材から社会課題を見つけ、解決する力の育成です」

 高2以降はより専門的、学術的な探究学習に取り組みます。全生徒が高3までに、英語で研究発表ができるようになるのが、探究活動のゴールとなります。

「校内活動だけでなく、SSHやSGHのネットワークを駆使し、全国および海外の連携校とも合同発表会などを開催。学外コンテンストにも多数の生徒が挑戦しています。また文京学院大学をはじめ多くの大学と連携し、探究学習をより深く、幅広く学べる環境が本校には用意されています」

授業レポート
得意分野を活かし、物語や登場キャラクターを企画
未来の世相や社会課題を予想してアニメ企画を考察

 高1生の探究学習では、アニメ『プリキュア』シリーズの20年後を企画するグループワークを行っています。まず最初に『前提とする20年後の社会予測』を考察し、そのうえで作品タイトルやテーマ、キャラクター設定、ターゲット層、大枠のストーリーとその理由、宣伝やグッズ展開などを考えていきます。

 生徒たちは、活発なディスカッションを展開。教員にアイデアを相談したり、未来の子どもたちに伝えたいメッセージを出し合ったりと、多角的にアニメの構成を考えていきます。

 構成がまとまると、絵の得意な生徒はキャラクターデザインをし、物語をつくるのが得意な生徒はストーリーを考えるなど、協働してプレゼンテーション資料を作成し、発表会に向けての準備を着々と進めます。生徒たちはアニメ制作のプロになりきって、夢あふれる企画づくりを心から楽しんでいました。

教員がチームティーチングで探究の授業をサポートをしている様子の写真です授業シーン1
さまざまな教科の教員がチームティーチングで探究の授業をサポート。ちょっとしたアドバイスをきっかけにアイデアがまとまることも。
グループワークの様子の写真です授業シーン2
想定する未来予想も物語性もグループごとに工夫があります。LGBTQをテーマにしたグループは、LGBTQの各文字から始まるキャラクター名を付けようと、アイデアを絞っていました。
プレゼンテーション資料を調整している様子の写真です授業シーン3
企画がある程度まとまったグループは、ICTツールを自由に使える『CallRoom』に移動し、プレゼンテーション資料を調整。
生徒に聞きました
20年後のバーチャルリアリティの世界で
活躍する『プリキュア』を企画
A・Yさん(高1)A・Yさん(高1)

 私たちのグループは、『バーチャルライフ プリキュア』というアニメを考えました。戦闘ゲームを舞台にゲームを制作した女の子とトッププレイヤーの女の子がプリキュアとなって、ゲーム内でアバターが盗まれる事件に立ち向かいます。

 セキュリティを守ることの大切さや、バーチャルリアリティの世界ではどんな被害が起こるのかを気づいてもらえるアニメにしたいと思いました。

 探究の授業はいつもテーマが面白くてやりがいがあります。

ココも注目!
文京学院大学の教授が探究プログラムに協力

『20年後のプリキュア』課題の発案者である文京学院大学保健医療技術学部の樋口桂教授にもお話を伺いました。

「時間が合う限り、中高の探究学習を見学しています。『20年後のプリキュア』は、未来の仮説から現代社会と照らし合わせた問いを見出すにはより良い題材です。
 これまでも、高齢化社会を想定したシルバーエイジのプリキュア、ジェンダーレスなプリキュアなど、生徒からは斬新なアイデアが出ており、大学での学びにも、刺激を与えてくれます」

生徒たちの取り組みを見守る樋口教授の写真です

生徒たちの取り組みを見守る樋口教授。

進学通信 2023年12月号
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