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私立中高進学通信

2022年8月号

私たち、僕たちが大好きな先生

淑徳中学校

生徒に寄り添う存在をめざして

社会科の授業では、生徒自らが考え、調べ、発表できるようになることを目指しています。

S・T先生
中学高校ではバドミントン部に所属し、厳しい練習に明け暮れる日々を過ごす。
福祉系の大学に進み、ハンデキャップを持つ方のお世話をしながらともに過ごすボランティア活動に参加するほか、
子どもたちと登山やキャンプ、スキー、演劇などをする活動に勤しむ。社会科教員として淑徳中学高等学校に奉職し、
中学社会科、高校公民科の教鞭をとる。現在は中1のクラスの担任のほか、アドミッションオフィス広報募集を担当する。
社会科の授業では、生徒自らが考え、調べ、発表できるようになることを目指しています。

生徒一人ひとりに目を配り、話しかけやすい雰囲気をつくることを心がけているというS・T先生。穏やかな雰囲気ですが、けじめをつけるところでは毅然とした態度で生徒に向き合うそうです。お母さんのようなあたたかい存在のS先生は、生徒たちを優しく包み込んでいます。

生徒が国際交流ができる
機会を積極的に設ける

――教員を志したきっかけは何ですか?

 高校で、福祉系の大学に進みたいという希望を持ったものの、福祉の経験はまったくありませんでした。そこで、ボランティア活動の一環としてハンデキャップを持つ子どもたちの野外活動の付き添いをしました。それがとても楽しい経験として思い出に残り、大学でも積極的にボランティア活動に参加しました。この活動を通して、少人数の生徒に対して同じ目線で、一緒に成長できるハンデキャップのある子どもの教育に携わる仕事に就きたいと思うようになったのが今に至るきっかけです。その後、キャンプなどの活動を通じて多くの子どもに接することができる教員を目指すようになりました。縁あって本校で勤務することになりましたが、人前で何かを発表したり、盛り上げたりする経験をしたことは、結果的に今に役立っています。

――社会科の授業を通して、生徒にどのようなことを学んでほしいですか?

 これまで中学の社会科、高校の公民科を担当してきましたが、今年は中学の地理を担当しています。社会科は暗記科目のように思われがちですが、興味を持ったことについて、自分で調べ、自分で考えて自らの行動につなげられるようになってほしいと思っています。

 今年度の中1の最初の授業では、ウクライナについて、「どこにあるのかな?」「どこの国と争いになっているのかな?」などと問いかけましたが、興味のある生徒はちゃんと答えられました。さらに「ウクライナは日本とは関係ないのかな?」と問いかけ、どんな貿易上の関係があるのか、紛争によって、日本の物価が上がるかもしれないといったことにも触れました。生徒は遠い国のことでも自分たちの生活に関係することだとわかると興味を持つものです。地理の学習を通して、国際社会の中で日本だけではやっていけないこと、多様な人と交流することが大切だということを理解してほしいですね。

――生徒が国際交流できる機会を設けていらっしゃるそうですね。

 以前、本校の教員で、国連UNHCR協会に勤めていらっしゃる方がいる関係で、中2の生徒を中心に、難民やその支援について学ぶ活動をしています。学外の方に来校していただき、講演会を開いたところ、難民の現状を身近に感じたようで、終了予定時間を過ぎても活発に質問が出ていました。生徒たちが学んだことは文化祭での展示などで発表します。また、難民支援のための募金活動の一環として、呼びかけのチラシを作成し、自分たちで作った食べ物を販売して募金に充てます。生徒たちは、展示についての質問に答えたり、大声で募金を呼びかけたりと活躍していました。この活動を通じて、それまで「他人事」だったことを「自分事」として考えるようになりました。

 これとは別に、アフリカのベナン共和国などの発展途上国の人々と交流する試みも検討中です。本校と現地をオンラインで結んで、お互いに質問し合ったり、文化を紹介したりできればと思っています。暮らしや文化の違いから来る感じ方や価値観の違いを感じてくれるといいですね。

 日本を知るうえで外の世界と交流することは大切です。積極的にそのような機会をつくっていきたいですね。

失敗も糧として社会に
適応できる人材になってほしい

――生徒と接するときに心がけていらっしゃることはありますか?

 生徒に寄り添う存在でいたいと思っています。小さなことでもできるだけほめるようにしています。日直を手伝って黒板をきれいにしてくれている子や、小テストでがんばって合格点に達した子がいればほめます。生徒には認めてほしいという気持ちがあるので、ほめることが自信につながり、次もがんばろうと思います。また、日頃から話しかけやすい雰囲気をつくるようにしています。教員と生徒は、友だちの関係とは違うけれど、言っても大丈夫なんだという関係を目指しています。そうすれば、困ったことや悩みがあっても、早めに相談してきてくれるでしょう。

――生徒からどのように見られていると思いますか?

 お母さん的な存在でしょうか。口うるさいところなど…(笑)。厳しくするところは厳しく、けじめをつけるべきことがあれば生徒を呼んでお互いにわかり合えるように話をします。

 本校では生徒とのコミュニケーションツールのひとつとして、「未来手帳」というものがあり、生徒が毎日いろいろなできごとを書いて週1回提出させています。それを見ると、趣味や習い事などがわかり、生徒と話をする際に話題が広がります。保護者のコメントを書く欄もあるので、家庭での環境もわかるなど、貴重な情報源になっています。

――生徒には中高の時期をどのように過ごしてほしいですか?

 身体的にも精神的にも急速に成長するこの時期に、多くのことに挑戦してほしいです。中学に入ると環境が変わり、周りの友人も変わるので、新しいスタートが切れます。その機会にぜひやったことのないことに挑んでほしいと思います。

 成功体験もいいですが、失敗することも貴重な経験値となります。ものごとに一生懸命取り組む人は社会で求められる人材であり、多様な社会に適応していけます。学校では、行事の運営などを通じて良い意味でたくさん失敗する機会があります。それらの経験を重ねて乗り越えることで社会で活躍できる人になってほしいですね。

文化祭で、難民支援のための活動をする生徒。難民問題を自分にも関係する問題だと意識するようになります。

生徒が日々のできごとを書く「未来手帳」。教員は提出された「未来手帳」に目を通し、コメントを書いて返却します。そのやりとりで、生徒のさまざまな面を知ることができます。生徒が日々のできごとを書く「未来手帳」。教員は提出された「未来手帳」に目を通し、コメントを書いて返却します。そのやりとりで、生徒のさまざまな面を知ることができます。
林間教室で生徒たちとともに楽しみ、学びます。大学時代に経験した多くのアウトドア活動が生かされています。林間教室で生徒たちとともに楽しみ、学びます。大学時代に経験した多くのアウトドア活動が生かされています。
進学通信 2022年8月号
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