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私立中高進学通信

2022年8月号

みんなのSDGs

富士見中学校

社会貢献の第一歩が
まっすぐ未来に続く

同校の教育目標は『社会に貢献できる自立した女性の育成』。その実現に向けた取り組みが『SDGs探究』です。高校1年生が自分に何ができるかを考え、行動に移します。
『SDGs探究』の様子。使い捨てカイロを集めて、その素材である酸化鉄で海をきれいにできないか研究するチームや、林業を体験して保全活動について考えるチームもあります。

『SDGs探究』の様子。
使い捨てカイロを集めて、その素材である酸化鉄で海をきれいにできないか研究するチームや、
林業を体験して保全活動について考えるチームもあります。

同じ志を抱いた生徒が
チームを組んでアクション
このチームは、不用品を集めて、必要としている人に渡すアクションを起こしました。このチームは、不用品を集めて、必要としている人に渡すアクションを起こしました。

「高1の『SDGs探究』では、1学期に講師の方をお招きしてSDGsについて講演していただきます。生徒は世界がどのような問題を抱えているのかを知ったうえで、1から17の目標の中から興味や関心のあるものを選びます。そして『今の自分にどのような社会貢献ができるのか』を考え、共通する志を抱いた生徒同士がチームを組んでアクションを起こします。SDGsの達成に向けて力を注いでいる方々にインタビューをしたり、その活動に参加したりするのです」(高2担当/岩井貴央先生)

 中学から段階的に探究学習に取り組む同校の生徒たちは、高1の『SDGs探究』で大きく成長します。そこで、昨年、この『SDGs探究』に取り組んだ高2生お2人に話を聞きました。

3学期に3人の手で
ワークショップを開催

 IさんとNさんは、SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」に共感したもう一人のクラスメートとチームを組み、3人で2学期から教育をテーマに探究活動をスタートさせました。

 Iさんは探究活動として高1の夏休みに、無国籍の人たちを支援するNGOのワークショップにリモートで参加し、事情により無国籍になった人たちが教育や公的サービスを受けられないことを知り、衝撃を受けたそうです。さらにフィリピンのセブ島で、貧困や栄養失調などの問題を抱える子どもたちに無償で食事や教育を提供するNGOの研修にも参加しました。

 一方、教員になる夢をもつNさんは、読売新聞社のジュニア記者として取材活動をしつつ、無料塾でボランティア講師を務めます。こうして3人は、「助けを必要としている子どもたちに自分たちの手で教育を届けたい」「教育を受けたくても受けられない子どもたちがいる現実を多くの人に知ってもらいたい」と強く思ったそうです。そこで3人は探究活動のゴールを、教育をテーマにしたオンラインワークショップの開催に設定。北海道の自主夜間中学校の先生を講師に迎え、実現させました。

こんなことを感じました!

4.質の高い教育をみんなに
ワークショップに参加 多くの気づきを得る
高2 Iさん高2/Iさん

 私は無国籍の方々を支援するNGOのワークショップをきっかけに、何かを知ることで自分が変われることに気づき、教育の重要性をこれまで以上に実感しました。そこで、私たち3人で主催するワークショップの実施に向けた準備も兼ね、オンラインで行われるワークショップを探し、積極的に参加していきました。企画や進行は私の担当だったので、参考にする目的もありました。なかでも印象に残っているのは、早稲田大学の学生の方々が主催するワークショプです。教育にリーダーシップ論や経営学や社会学もリンクさせた内容で、知識を融合させることの素晴らしさに気づきました。

4.質の高い教育をみんなに
無料塾の講師として小・中学生を教える
高2 Nさん高2/Nさん

 私は高1の2学期から、家庭の事情で一般的な塾に通えない小中学生を対象にした無料塾で、ボランティア講師を務めました。講師は高校生から大学生までいます。授業は週1回で、時間は2時間ほど。『SDGs探究』が終わった今も、私は小4から中2の生徒さんをマンツーマンのオンライン授業で教えています。始めた頃は、素朴な疑問を投げかけられると、即答できない自分にもどかしさを感じて苦戦しました。しかし、富士見の先生方に相談したり、授業を参考にしたりすることで教えることに慣れ、今は生徒さんの「理解できた!」という瞬間の表情を見るたびにやりがいを感じています。

3人の思いが結実したオンラインワークショップ

 Nさんは『SDGs探究』の終着点であるワークショップの開催に向け、講演者を探しました。その結果、「札幌遠友塾」の先生たちが登壇してくれることに。「札幌遠友塾」は北海道の自主夜間中学校で、さまざまな事情から義務教育を修了できなかった人たちが学んでいます。

 3学期に開催されたワークショップでは、この塾の先生2名がオンライン上で同塾の歴史を語ったり、生徒の手紙や作文を紹介したりしました。Nさんたちの思いは結実し、教育を受けられない人たちに教育を届けることの大切さを、参加した生徒や同校の教員たちに伝えることができたのです。

「今回の活動を通して、学校の先生か新聞記者になりたいという私の目標が揺るぎないものになりました。さまざまな問題への理解をさらに深めながら、将来の自分の理想像をしっかりと組み立てていきたいと思います」(Nさん)

「私は教育だけでなく経営学他の学問にも関心をもつことができました。そこで、学部や学科を越えたリベラルアーツ教育を導入している大学に進学したいと思っています」(Iさん)

Nさんは「ヨミウリ・ジュニアプレス」の記者として活躍。数多くの人たちにインタビューし、記事にしています。Nさんは「ヨミウリ・ジュニアプレス」の記者として活躍。数多くの人たちにインタビューし、記事にしています。
NさんやIさんらが『SDGs探究』の成果を1枚にまとめたシート。NさんやIさんらが『SDGs探究』の成果を1枚にまとめたシート。
「活動を終えた後は、3人で達成感を分かち合えました」(Iさん・右)「活動を終えた後は、3人で達成感を分かち合えました」(Iさん・右)
社会が抱える問題を自分事として捉える
高2担任 岩井貴央先生高2担任/岩井貴央先生

 本校では中高6年間をかけて発達段階に応じた探究学習に生徒が取り組んでいます。中1で問いを立て、中2で調べ、中3で伝える方法を学ぶのです。そして、高1でこの『SDGs探究』にチャレンジし、その成果をまとめて生徒間で共有します。生徒たちは探究活動を通じて、社会の諸問題が決して他人事ではないことを実感しています。こうした学びや気づきが高2と高3で進路を決めていくうえでのベースとなるのです。

(この記事は『私立中高進学通信2022年8月号』に掲載しました。)

富士見中学校  

〒176-0023 東京都練馬区中村北4-8-26
TEL:03-3999-2136

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