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私立中高進学通信

2022年8月号

実践報告 私学の授業

宝仙学園中学校 共学部 理数インター

中学からの「答えのない学び」が
高校の『探究』の授業で花開く

世界の若者たちの夢を学び、自分の将来を模索する
この日の『探究』の授業では、3クラスの高1生が講堂に集まり、夢や願いに関する読書会を行いました。

この日の『探究』の授業では、3クラスの高1生が講堂に集まり、夢や願いに関する読書会を行いました。

中学での主体的な学びを
探究の授業でさらに深める

 2022年度から、全国の高校で新科目『総合的な探究の時間』(以下、探究)が導入されました。「知的で開放的な広場」をコンセプトに掲げる同校では、2016年度より中学校に『理数インター』という独自教科を設置しています。答えのない学びに向き合うことで、物事を論理的に考える理数的思考力、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力を育てています。

 この教科では、企業の協力を得て、グループで社会課題に取り組んだり、新しい商品・サービスの企画を考えたりする授業も行っています。生徒は、楽しみながら主体的に学びを深めているようです。

 高校の『探究』の授業も、中学3年間で取り組んだ教科『理数インター』の延長線上にあると、教科『理数インター』主任の米澤貴史先生は話します。

「『探究』の授業では、生徒が積極的に思考し、協働して意見を出し合うことが非常に重要です。本校では教科『理数インター』を取り入れていたため、中学の頃から受け身ではなく主体的に学ぶ姿勢が身についています。そのため、導入もスムーズでした。
 基礎を定着させる中1・中2の学びが、思考をより深める中3・高1の学びへとつながるように、中3のカリキュラムも見直しました」

世界の若者たちの夢を知り
自分の夢を見つめ直す授業

 この日の高1の『探究』の授業では、各国の若者が夢を語る書籍『WE HAVE A DREAM 201カ国202人の夢×SDGs』の読書会が行われました。この本を題材にした理由を、『探究』主任の馳川祐子先生は次のように話します。

「私は昨年、高3の担任をしていました。大学進学は人生のゴールではありませんが、受験が近づくと、どうしても生徒はそのことで頭がいっぱいになってしまいます。
 夢や願いを共有すると推進力がグンと上がります。日々忙しい生徒たちも、『自分の夢は何だろう』と考える時間があると、将来を見つめ直すことにつながります。高1の段階から『何のために大学へ行くのか』『どうしてこの学問を修めたいのか』と、自分の夢に向き合う時間をもつことで、モチベーションが上がるきっかけになるのではないでしょうか」

 授業では、ファシリテーターが『WE HAVE A DREAM』に掲載された北朝鮮出身の女性やモロッコ出身の女性が自身の夢をつづった文章を朗読し、生徒たちはその夢のなかにどんな“願い”が込められていたかを読み取って、ワークシートに記入し、グループごとに彼女たちの夢や願いについて語り合いました。

 その後、生徒たち自身の夢や願いをワークシートに書き出してみる時間も設けられました。その間、先生方は生徒たちの間を回り、対話が進むよう言葉を投げかけます。

「教員は生徒に教え込もうとする傾向がありますが、教科『理数インター』や『探究』では、あえて教えないようにしています。今回の授業でも、教員は話し合いが滞っているグループにのみ声をかけ話題を整理する程度にしました。そうすることで生徒も受け身にならず、自分で考えて動くようになります」(米澤先生)

 教科『理数インター』や『探究』を通して同校がめざすものは、自分も社会も幸せにできる人物の育成です。

「生徒たちには多くの人に会い、社会の問題に触れてほしい。そうした活動のなかで自分を深め、夢を語り、自分はもちろん目の前の人や社会を幸せにする方法を考えてもらえたらうれしいです」(馳川先生)

生徒インタビュー
宝仙学園での学びがもたらす成長
生徒主体だからこそ
自分で考える力が身につく
Sさん(高1)Sさん(高1)

 前回の授業では、本の著者である市川太一さんとの質疑応答がありました。生徒から『部活などで自分が中心に立つことが多く、ストレスを感じる』という悩みを受けた際に市川さんが返した『“Understand”という単語は、“下に立つ”という意味。自分が下に立ち、相手の意を汲むことが大事』という答えが胸に刺さりました。私は学園祭の執行部員なので、みんなの意見をまとめる時にはそれぞれの言葉に耳を傾け、否定することなくまとめたいと思います。

 探究の授業に限らず、宝仙学園では何をするにも生徒主体です。『生徒はプレーヤー。教員はコーチ』という方針のおかげ。自分で物事を考え、行動に移せるところが本校の魅力です。

他人の意見を
受け入れられるように
Oさん(高1)Oさん(高1)

 僕は中1の頃、自分のアイデアに対して意見されることが苦手でした。でも教科『理数インター』の授業を通して他人の意見を受け止められるようになりました。そのきっかけが、中2で経験した『コーポレートアクセス』です。僕はコロナウイルス感染対策を踏まえ、宅配に特化したモバイルオーダーのアイデアを出しましたが、同級生から『宅配だけでなく、来店客もモバイルで事前注文できるようにしたら?』という意見をもらいました。僕にはない発想だったので、目から鱗が落ちました。

Point
多様性、夢など多岐にわたるテーマを通して、生徒の成長を促す
『探究』主任/馳川祐子先生『探究』主任/馳川祐子先生

 今回の読書会に先駆け、前2回の『探究』の授業では『WE HAVE A DREAM 201カ国202人の夢×SDGs』著者によるメッセージ動画の視聴、著者を招いた質疑応答を行いました。4月には、フランスの多文化学級を舞台にしたドキュメンタリー映画『バベルの学校』を鑑賞し、多様性について話し合う授業も実施するなど、幅広いテーマで自分と社会の問題を掘り下げています。

「授業を見ていると、『今のひと言、私のための言葉だ!』と目をキラキラさせる子がいます。自分の変化を受容し、どこがどう変わったのか言語化できるようになった生徒を見ると、成長を実感します」(馳川先生)

教科『理数インター』主任/米澤貴史先生教科『理数インター』主任/米澤貴史先生

「仮に授業では言葉が響かなかったとしても、成長するにつれてジワジワ効いてくることも。これからも、ほかの授業では見えにくい生徒一人ひとりの考えに目を向け、主体的な学びを促す取り組みを続けていきたいと思います」(米澤先生)

生徒同士の対話の時間を設けることで、互いに刺激し合いながら各々の考えを深めます。

生徒同士の対話の時間を設けることで、互いに刺激し合いながら各々の考えを深めます。

進学通信 2022年8月号
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