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私立中高進学通信

2025年9月号

キャリア教育の現場から

実践女子学園中学校

新校舎を建設する企業の協力で
生徒が社会とつながる

新校舎の完成予定は2028年のため、実際に使用するのは現在の中3生以下ですが、ワークショップには高校生が多数参加しました。「学校で過ごした時間が長い分、愛着も強く、新校舎への関心も高いようです」(城先生)

新校舎の完成予定は2028年のため、
実際に使用するのは現在の中3生以下ですが、ワークショップには高校生が多数参加しました。
「学校で過ごした時間が長い分、愛着も強く、新校舎への関心も高いようです」(城先生)

 2028年に新校舎完成を控える実践女子学園は、東急建設(株)とのワークショップを通して、生徒の意見を取り入れるプロジェクトを行っています。「生徒が学校を変える」取り組みをレポートします。

どんな学校にしたいか
意見を出して話し合う
副校長/城 礼子先生副校長/城 礼子先生

 同校は、「女性が社会を変える、世界を変える」という建学の精神のもと、グローバル・探究・感性表現という3つの教育の柱を軸に女子教育を実践しています。中1から高2まで行っているオリジナル探究授業『未来デザイン』をはじめ、多彩なキャリア教育を通して、生徒一人ひとりの「なりたい自分」「夢」の実現をサポートしています。

 2028年に完成予定の新校舎建設に関して、この6月に東急建設(株)と生徒のコラボレーションによるワークショップが行われました。この取り組みには全学年から希望する生徒が集まり、新校舎への要望について東急建設(株)担当者と話し合いが行われました。

「新校舎を建てるにあたり、ただ学校をつくるだけではなく、実践女子学園における教育の形を表したいという目標がありました。教員からメンバーを募ってワーキンググループを結成し、アイデア出しを進めていく中で、やはり日々学んでいる生徒から意見を聞きたいという声がありました。また、建設に伴うさまざまな調整を行うCM会社(※)の方からも、早い段階からワークショップのお話が出ていました」(副校長/城 礼子先生)

 同校は新校舎に込める思いとして、育てたい生徒像・身につけたい力を『自律』『協働』『発信』のトライアングルで表しています。生徒はそれを踏まえてワークショップを進めますが、事前準備として学校生活を送るうえで気になっていること、その改善例やイメージ画像の収集などを行い、当日のワークショップに臨みました。

「生徒たちは新校舎のコンセプトをきちんと理解しており、『こうすればもっと勉強したくなる』『こうだったらもっと学校で学びたい』という主体的な学びを体現する発言を、たくさん聞けたことが良かったと思います。学校にしかない設備や友達との触れ合いなど、学校でなければできないことがあって、それがより充実することで、学校生活の喜びへとつながる。『みんなが行きたくなる場所』をつくりたいという発言が印象的でした」

 7月には、東急(株)とともにめぐる『渋谷再開発見学ツアー』を実施し、工事現場の視察や再開発の施設見学のほか、開発計画についての説明も行われました。

「本校の最寄り駅である渋谷駅周辺は、再開発工事が続いているので、生徒たちも渋谷駅を利用しながら、どのように変わるのだろうと気になっていると思います。建築・建設に興味がある生徒はもちろん、進路や学習に直結しなくても、実際に目にしたことがいろいろな気づきとなって、次の学びにつながることを期待しています」

 同校では、卒業生によるキャリア講演会(中2・中3)、企業による出前授業(中3)など、成長段階に応じたキャリアプログラムを設けているほか、有志が参加するさまざまなプログラムも実施されています。

「アントレプレナーシップ(起業家精神)育成ワークショップや、企業連携の取り組みなど、希望者が参加できるものがたくさんあります。渋谷近くにいろいろな企業があって、協力してくださるのもありがたいことです。併設大学との高大連携も進み、大学の社会連携室を通じて社会とのつながりをもてるのも、本校の強みだと思います。
 生徒たちもキャリアプログラムに参加するたびに自信をつけていき、次はこれに参加しようと意欲的に取り組んでいます。今回のワークショップは、生徒それぞれがテーマを掘り下げる準備をして臨みました。東急建設(株)やCM会社の意見を受け止めたうえで自分の意見を伝えるなど、活発な意見交換ができました。探究授業『未来デザイン』の活動経験も生かされていると感じましたね。本校の生徒は思いやりがあって、共感力に優れています。そして自分の意見をもっていて、大勢の前で意見を伝えることができます。『自律』『協働』『発信』のトライアングルで示すところの、左右の『協働』と『発信』はできていても、トライアングルの頂点に相当する『自律』=『自分で問題解決をする』という部分はまだ足りないかもしれません。今回のワークショップを経て、さらに主体的な学びを深めてほしいと思います」

※CM(コンストラクションマネジメント)…発注者の立場に立って要望を取り入れつつコストを最適化する、建設プロジェクト全般にかかわるマネジメント。

「渋谷再開発ツアー」では、実際の建設現場にも足を運びました。生徒たちは未来の渋谷の姿に思いをはせていました。「渋谷再開発ツアー」では、実際の建設現場にも足を運びました。生徒たちは未来の渋谷の姿に思いをはせていました。
東急建設(株)、CM会社の担当者と意見交換。英語のスピーキングやヒアリングの自習のため、声や音を出せる個室がほしいという意見も出ました。東急建設(株)、CM会社の担当者と意見交換。英語のスピーキングやヒアリングの自習のため、声や音を出せる個室がほしいという意見も出ました。
靴を履き替えない「1足制」の同校ですが、校内に靴が脱げる和室を望む声も。華道部や茶道部が使用できる、日本文化実習で習ったマナーを思い出せるなど、その用途についても多くの声が上がりました。靴を履き替えない「1足制」の同校ですが、校内に靴が脱げる和室を望む声も。華道部や茶道部が使用できる、日本文化実習で習ったマナーを思い出せるなど、その用途についても多くの声が上がりました。
ワークショップに参加した生徒にインタビュー!
M・O さん(高3)

 私は建築に興味があったのと、6年間過ごして学校をよく知っている私たちが、「こうなったらいいな」と望む意見を伝えられる機会と思い、ワークショップに参加しました。私は窓から景色を見たり、外の空気を吸ったりして、気分転換できる場所がほしいと思っていました。後輩や建築のプロの方と意見交換ができて有意義でしたし、とても楽しかったです。プロの方の意見は現実的でありながら、希望を形にするための方法を提示してくださって、勉強になりました。新しい校舎ができるのは卒業後ですが、後輩がより楽しい学校生活を送れるといいなと思います。

 興味があるのは、エクステリアプランナーという仕事です。美術大学を目指しているので、勉強と絵の両方に力を入れています。絵について悩んでいる時も、先生が具体的なアドバイスをくださるので、とてもありがたいです。


A・Y さん(高3)

 学校生活を送る中で思っていたことを伝えられて、参加して良かったです。いろいろな意見が出て、気づかされることが多くありました。後輩が満足できるような校舎になったらうれしいです。

 私は進路について建築系と法学系で迷っています。どちらへ進むにしても、いろいろな人の意見を聞くこと、視野を広く持つことが大切だと思っています。実践女子学園は、ワークショップなど企業の方とお会いする機会や、進路ガイダンスで大学の先生方が学校に来てくださる機会があるのが魅力です。いろいろなことに興味があって迷うこともありますが、相談できる先生方がいて心強いです。先生方は私の意見を尊重し応援してくださります。そのうえで意見を伝えてくださるので、俯瞰して考えられるようになったと思います。

左からM・Oさん、A・Yさん。

左からM・Oさん、A・Yさん。

(この記事は『私立中高進学通信2025年9月号』に掲載しました。)

実践女子学園中学校  

〒150-0011 東京都渋谷区東1-1-11
TEL:03-3409-1771

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