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私立中高進学通信

2025年9月号

卒業生が語る私の成長Story

玉川聖学院中等部

国際社会についてリアルに語れる
社会科の教員になりたい

R・Aさん

国際基督教大学 教養学部
アーツ・サイエンス学科2年
R・Aさん

「ボードに記した英文は『旧約聖書』の一節で、『神様は私の羊飼いであり、私は恐れることはありません』という意味があります。
私はこの御言葉に従い、無理だと思ったことでも神様に導かれていると信じて前に進むことを大切にしています」(R・Aさん)

 プロテスタントのミッションスクールである玉川聖学院のスクールモットーは「信仰・希望・愛」。そんな同校で平和の尊さを知ったR・Aさんは現在、社会科の教員をめざして大学でチャレンジを重ねています。

自分一人で頑張らない
役割分担の大切さを知る

 母は日本人で、父はハンガリー人です。私たち家族は、私が1歳の時から小2までドイツで暮らしていました。通っていた幼稚園はインターナショナル系で、英語で幼児教育が行われます。そのため、私は幼稚園では英語を、日本人学校では日本語を、家から外に出るとドイツ語で話していました。母とは日本語で、父とはハンガリー語で会話をしていたので、今でもハンガリー語を話せます。

 7歳の時に帰国した私は、日本の公立小学校に通いました。当時はクラシックバレエを習っていて、踊るのが大好きだったことを覚えています。

 玉川聖学院には『多文化共生入試』と呼ばれる帰国生入試で受験しました。海外での暮らしを今後の学校生活でどのように活かしたいかなどをアピールする入試です。入学後は演劇部に入部しました。小2の時、学芸会のオーディションで希望していた役に選ばれ、演じることの素晴らしさが心に強く残っていたからです。

 また、中2の時にホームルーム委員に立候補し、高3まで5年間務めています。演劇部でも部長を務め、中3の時に宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』のジョバンニ役を演じました。

 高等部に進学すると、ストリートダンス同好会に入部し、部長として部員たちをまとめていました。私は両親と同じくクリスチャンなので、『新約聖書』にあるイエス様の言葉「あなたがたの間で偉くなりたいと思うものは、みなに仕えるものになりなさい」という御言葉を心に留め、ホームルーム委員や部長の仕事に取り組んでいました。こうした経験から学んだのは、自分一人で頑張ろうとするのではなく、ほかの人に仕事を頼み、役割を分担させていくことの大切さです。玉川聖学院での学校生活はたくさんの仲間と出会えた日々でもありました。

ウクライナ侵攻の背景を聞きに
先生のもとへ

 高2の時、世界的に大きな出来事が起こりました。ロシアのウクライナ侵攻が始まったのです。そのニュースを知った時、社会科の先生のもとに駆けつけました。その頃の私は、平和や人権に深い関心を寄せていたからです。きっかけは玉川聖学院で行われていた平和学習でした。中3で特別平和記念講演会に参加したほか、修学旅行では長崎を訪れて、原爆体験者の方からお話も伺いました。

 また、ウクライナは父の母国であるハンガリーと国境を接しているので、この紛争の背景を社会科の先生から詳しく聞きたかったのです。

 そんな私が進学先に国際基督教大学を選んだ理由は、大きく二つあります。一つは、この大学が文学から哲学、自然科学まで幅広い分野を横断的に学べるリベラルアーツ教育を実践していること。もう一つは、外国語教育に力を入れていることです。

 大学1年の頃は、さまざまな国の人と心を通わせたいと、英語を集中的に学んでいました。今後はハンガリー語の力を伸ばしながら、韓国語やドイツ語も習得したいと思っています。言語を学ぶことで、その国の文化や価値観を深く理解できると思うからです。

 現在、最も関心があるのは、紛争の危機を削減し、持続可能な平和と開発のための基盤を築く「平和構築」です。国際基督教大学では、環境研究、歴史学、教育学、国際法や憲法、宗教学、社会学などさまざまな視点から「平和構築」について学ぶことができます。

さまざまなタイプの生徒と
深く向き合える教員に
R・Aさんは現在、月に2〜3回ほど母校の玉川聖学院を訪れ、補習を受けている生徒の勉強をサポートしています。R・Aさんは現在、月に2〜3回ほど母校の玉川聖学院を訪れ、補習を受けている生徒の勉強をサポートしています。

 将来の目標は、国際社会についてリアルに語れる社会科の教員になることです。できるなら、母校である玉川聖学院の教壇に立ちたいと思っています。そして、社会科の「暗記科目」というイメージを払拭し、生徒が国際社会を構成している当事者として、地理や歴史が学べるような授業をしたいと考えています。

 そのために、国内外を問わずさまざまな世界を自分の目で見てみたいと思っています。東南アジアやアフリカなど、まだ私が訪れたことのない国々はたくさんあります。そうして神様が創られたこの世界の素晴らしさと、そこに生きる人々のつながりを知ると同時に、「教育から作る平和」という視点で地域の学校に足を運び、それぞれの教育システムを調査したいとも考えています。そこで、今年の夏は海外ボランティアに参加する予定です。

 また、日本国内においても教育格差があり、その背景には貧困問題が隠れています。こうした問題を解決するための団体やシステムがないかも調べてみたいと思っており、日本各地の教育現場を訪れてみたいと考えています。目標は47都道府県の制覇です。

 勉強以外の活動として、クリスチャンの学生たちが集まる「KGK(キリスト者学生会)」や「The Clumsy Chorus」というゴスペルミュージックのサークルに参加しています。「The Clumsy Chorus」ではステージマネージャーも担当しています。

 こうして積み重ねた数多くの経験、大切に育んできた価値観、蓄えてきた知識は私の財産。この財産を活かして、さまざまなタイプの生徒と深く向き合える教員になることが目標です。

恩師からの応援メッセージ
同級生からの信頼も厚く
周囲から慕われていました
4年間、お世話になった山本先生と。4年間、お世話になった山本先生と。

 私は4年間、Rさんを教えてきました。中学生の頃からRさんは好奇心旺盛で、疑問に感じることがあれば教員へ積極的に質問していました。成績も優秀でしたが、それを鼻にかけるようなことは一切ありません。勉強を勉強と思わず、生活の一部として、ごくごく自然に知識を吸収していました。また、リーダーシップを発揮しなくても同級生からの信頼が厚く、周囲が彼女を慕い、彼女の意見に耳を傾けていました。そんなRさんなら、将来は生徒の可能性をどこまでも広げられる教員になれるはずです。(数学科/山本航平先生)

(この記事は『私立中高進学通信2025年9月号』に掲載しました。)

玉川聖学院中等部  

〒158-0083 東京都世田谷区奥沢7-11-22
TEL:03-3702-4141

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