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私立中高進学通信

2025年9月号

卒業生が語る私の成長Story

東京女学館中学校

国際学級で見つけた、自分の原点
東京女学館から医師の道へ

笹田 よぐりさん

国際医療福祉大学三田病院
医局 研修医
笹田 よぐりさん

「つらい時もあった」と振り返る水泳部時代のプールの前で。
部活動の縦関係の中で培われた礼儀や気遣いは、医学生・医師としての人間関係にも活きているそうです。

 2018年3月に東京女学館を卒業し、国際医療福祉大学(成田キャンパス)医学部で学んだ後、現在は国際医療福祉大学三田病院で研修医として勤務されている笹田さん。中高時代の学びや思い出、そして現在の進路につながる原点について伺いました。

国際学級で得た
自分の居場所

 成田空港にほど近い場所に本院を構える国際医療福祉大学医学部。笹田さんが進学した同学部は、授業は英語で行われ、海外での臨床実習も必須という、まさにグローバルな学びの場です。毎年約20名の留学生と共に学び、外国人患者も多く訪れるという環境の中で、言語や文化の壁を越えて医療に携わる日々が始まっています。

「その原点となったのが、東京女学館の『国際学級』でした。小4までシンガポールで過ごしていた経験から、英語力を維持できる環境を求めて母が選んでくれたクラスです。多様な文化背景をもつ仲間たちと学び合う6年間は、自分の夢を自然な形で実現するための土台になりました」

 笹田さんが“安心できる居場所”と感じる国際学級での日々は、まさに人生を踏み出す出発点。「F組(国際学級)は“ファミリーのF”と呼ばれるほど一体感があり、同じ悩みを自然に共有できる空気がありました」と語るように、その温かな絆は、理系クラスへ進んだ後も変わらず笹田さんを支え続けました。

「私の学年で国際学級から理系に進んだのは4人だけ。少し心細さはありましたが、国際学級の先生方が変わらず気にかけてくれ、温かな声かけやていねいな面談などで、心を支え続けてくださいました」

「自分ならきっとできる」
信じて進んだ医師への道
東京女学館の教育目標である「品性を高め 真剣に学べ」という言葉は、今でも笹田さんの人生の指針になっています。東京女学館の教育目標である「品性を高め 真剣に学べ」という言葉は、今でも笹田さんの人生の指針になっています。

 医師をめざしたきっかけは、小4の頃。大好きないとこが小児がんと診断され、思うように遊べなくなった出来事が心に残ったといいます。

「その時はまだ漠然とした思いでしたが、それが“医学を勉強したい”と志す最初のきっかけでした」

 とはいえ、迷いのなかった6年間ではありません。特に文理選択の際は、将来への思いが揺らぎました。そこで、自らにひとつの“賭け”を課すことにしたそうです。

「1年間の派遣留学に応募して、もし選ばれたら弁護士をめざす。選ばれなければ医学部へ。結果、選ばれなかったことで医学の道を選びました」

 当時の国際学級は文系志望者が多く、理系へ進むのは少数派。加えて理系科目に自信があったわけでもなかったと笹田さんは振り返ります。

「でも、不安を感じる暇がないほど、思い切って決断してしまったんです。今思えばいい意味で鈍感だったのかもしれません。現実の厳しさを本当に知ったのは、浪人して以降でしたから」

 浪人時代は、やるしかないと自分を奮い立たせる日々でした。目標は遠く、周囲から「薬学部に切り替えたら」と助言されることもありましたが、彼女を支えたのは中高時代の経験でした。

 もともと運動が得意ではなく、文化部志望だったものの、父の後押しで水泳部に入部。厳しい練習に何度も心が折れそうになりながらも、「あの時に続けられた経験が、自分の精神面の強さを育ててくれた」と語ります。

「受験勉強に必要なのは、頭の良さではなく、苦しい時にどれだけ踏ん張れるかだと思うんです。予備校の自習室でみんなが帰った19時以降、そこからが私の勝負時間でした。毎日22時まで粘り続けた積み重ねが、合格につながったのだと思います」

 笹田さんの努力を信じたお母さまの存在も、大きな励みになりました。

「どんな時も“あなたはできる”と言い続けてくれた母の言葉が、ずっと支えになっていました。大学時代に高校生へ勉強を教える機会があった際は、“できる”と信じることがいかに大切か、自分が大学受験を乗り越えた経験を交えて伝えました」

 中学受験を考える家庭に向けて、笹田さんはこう語ります。

「最難関の学校に入り、良い大学に行くことこそ大切だと思われるかもしれませんが、私は東京女学館に入って本当に良かったと心から思っています。多様な価値観を受け入れ、生徒一人ひとりに合った進路を真剣に考えてくれる環境があったからです。女子校という点も、自分の進路にバイアスなく向き合える大きな要素でした。
 私はもともと人前に出るタイプではありませんでした。でも、生徒会の運営などを通じて、自然とリーダーシップを発揮できるようになりました。全てが女子だけで成り立っているからこそ、一人ひとりがいろいろな分野に責任をもって取り組んでいけたのだと思います」

 さらに、裁縫や書道、マナー講習といった日本の伝統文化も大切にする教育は、医学という道に進んだ今でも、笹田さんの強みになっているそうです。

「置かれた場所で咲く」
ことの大切さ

「偏差値では測れない価値がある」──そう語る笹田さんにとって東京女学館は、プレッシャーや過度な競争とは無縁の、安心して過ごせる場所でした。

「医学部は難しいのではと将来に不安を感じることもありましたが、最終的には自分が今いる環境をどう活かすかが大切になると思います」

 自分を信じて叶えた、医師になるという夢。これからも、ただ治療をするだけでなく、患者の人生に寄り添う医師になることをめざしています。

「病気がその人の人生にどんな影響を与えているのかまで考えたうえで、治療方針を一緒に考えられるような医師になりたいです」

恩師からの応援メッセージ
医師として多くの方々の人生を
支えてほしい
国際学級の担任として、笹田さんを見守ってきた佐藤先生。国際学級の担任として、笹田さんを見守ってきた佐藤先生。

 笹田さんは正義感が強く、「正しいことは正しい」と信じて行動できる芯の強さがある生徒でした。そうした信念をもち続けられることこそ、医療に携わる人にとって大切な資質だと思います。医師になったと聞いた時は驚きもありましたが、今では医療という道に真にふさわしい人物だと感じています。私自身、患者として診てもらいたいと思えるような存在ですし、きっと多くの方々の人生を支え、幸せにしてくれると信じています。(英語科教諭/佐藤英児先生)

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