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私立中高進学通信

2025年9月号

注目! News and Topics

東京家政学院中学校

目で見て、感じて、SDGsを自分事に
学年を越えて一つの目標に取り組む

「ポスタビ」での取材を通じて自分が感じたことを、全校生徒の前で発表するEさん。

「ポスタビ」での取材を通じて自分が感じたことを、全校生徒の前で発表するEさん。

身近な体験を通して
SDGsを自分事として考える

 創立者である家政学の権威・大江スミ先生が女性教育の理想とした“物事を深く知り、考え、判断する「知識(Knowledge)」”、“その知識を実社会で活用する「技術(Art)」”、“他者を思いやる「徳性(Virtue)」”の「KVA精神」を建学の精神として受け継ぐ東京家政学院では、中1から高2を対象にSDGs(持続可能な開発目標)をテーマとした課題解決型学習を毎年実践。中2は東京都をフィールドとする校外学習「SDGsツアー」を、中1と中2は協働して、同校の立地する千代田区で探究活動を行う「ポスタビ」を、それぞれキャリア教育プログラムとして取り入れています。

M・Rさん(中2)M・Rさん(中2)
「将来の夢は自分で育てた食材でカフェを開くこと」というMさん。その夢に向かって部活動では料理部に所属、調理の腕も磨いています。

 本年度の「SDGsツアー」は、東京・奥多摩地域で5月17日より2泊3日で行われました。参加したM・Rさん(中2)はこう振り返ります。

「1日目はラフティングをしながら川のゴミ問題について考えるリバークリーン体験を、2日目の午前は間伐材を使った箸作り体験、午後は魚釣りかお茶摘み体験を選択、そして最終日は地元の野菜を収穫し、サンドウィッチを作りました。一番楽しみにしていたのはラフティングです。その際、川に浮いているゴミは缶やペットボトルだけかと思っていたら、おもちゃなどさまざまな種類があって、何気なく捨てたものやうっかり落としてしまったものがやがては川に流れつき、ゴミになっていることを知りました」

 プログラムはどれも初めての体験でした。指導してくださった地域の方々の話から、「たくさんの気づきを得ることができた」というMさん。この経験を通して「SDGsを難しく捉えずに、まずは自分たちの手が届く範囲のことから始めたいと思いました」と、目を輝かせて語ってくれました。

カンナで木を削って箸作りを体験。「何気なく使っていた割り箸のありがたみが再確認でき、大切に使おうと思えるようになりました」(Mさん)(SDGsツアーにて)。カンナで木を削って箸作りを体験。「何気なく使っていた割り箸のありがたみが再確認でき、大切に使おうと思えるようになりました」(Mさん)(SDGsツアーにて)。
魚釣りは初挑戦。「魚の食いついた瞬間が手の感触でわかりました!」(SDGsツアーにて)。魚釣りは初挑戦。「魚の食いついた瞬間が手の感触でわかりました!」(SDGsツアーにて)。
3日目は地元の農家で野菜を収穫。天候が野菜にどのような影響を与えるかをじかに見聞きしました(SDGsツアーにて)。3日目は地元の農家で野菜を収穫。天候が野菜にどのような影響を与えるかをじかに見聞きしました(SDGsツアーにて)。
仲間と共に取り組み
チームワークも習得
E・Yさん(中3)E・Yさん(中3)
ポスタビでは「学年を越えて仲良く交流し、一緒に一つの目標を成し遂げること」をテーマにしたEさん。「みんなをまとめるのが好き」で、生徒会でも活躍。

 中1・中2の協働プロジェクト「ポスタビ」は、学校周辺で働く大人たちを取材し、その“想い”をポスターにして伝えるプログラムです。2024年度の学習発表会で優秀賞を獲得した「Pastel Team」のリーダーE・Yさん(中3)は、制作過程を振り返ります。

「最初に先生からチームメンバーと取材先が発表され、チーム内でリーダー、インタビュアー、カメラマン、記録者などの役割を決めました。そこから、取材する方の仕事について自分たちで調べ、質問事項を決めていくのですが、私たちが取材するファイナンシャルプランナーという仕事を調べてみたところ、とても興味深く、チーム内からたくさんの質問案が出てきて、まとめるのがとても大変でした」

 質問を考えるうえでは、調べればわかることや、『はい』で答えられる質問は避けるよう心がけました。

「例えば、『その職業を通してどう社会に貢献したいか』など、相手の気持ちを引き出す質問を、頑張って考えました」とEさん。深く問いを重ねたことで、「今まで知らなかったファイナンシャルプランナーという仕事は、たくさんの人と向き合って、クライアントに感謝される素晴らしい職業だと思いました」と笑顔を見せます。

 取材後は、キャッチコピーやボディコピー、採用する写真、デザイン構成等を考えてポスターを制作。この過程を通じてEさんが最も達成感を得たのは、「学年を超えて協力し、一つの目標を成し遂げたこと」だと言います。

「自分が中1の時に先輩にしてもらったように、今度は私たちが中1生を引っ張って、良い雰囲気を作ることを一番に心がけました。普段交流がない人たちとの協働には大変な面もありましたが、ポスターが完成した時の喜びはその分とても大きかったです」

 生徒たちの頑張りを間近で見ていた中2の担任の髙橋祥乃先生は、この取り組みの目的を説明します。

「単なる体験ではなく、体験するにあたって意義を考えて挑む。そして自分の長所を活かし、初めてのことにも勇気を出してトライする。終わった後も、吸収した内容を人に伝えることで、SDGsを自分事として習得する。体験を重視した学びを通して生徒が成長できる、それが本校の学びの特徴です。
 本校にはさまざまなメンバーと協働するプログラムが用意されているので、在学中は自然にいろいろな役目が回ってきて、リーダーシップとフォロワーシップの両方を発揮する体験ができます。そんな経験を重ねるなかで、生徒たちは実社会で役立つ力を身につけ、成長していきます。一人ひとりの成長する環境やチャンスを多数揃えているのが本校の強みだと思っています」

 予測不可能な時代に生きる生徒たちは、伝統の「KVA精神」で逞しく成長しています。

E・Yさんのチームが制作した「ポスタビ」は、学内発表会で優秀賞を受賞。ファイナンシャルプランナーの“想い”が伝わってきます。

E・Yさんのチームが制作した「ポスタビ」は、学内発表会で優秀賞を受賞。
ファイナンシャルプランナーの“想い”が伝わってきます。

課題解決型学習で大きく成長していく生徒たち
髙橋祥乃 先生(中2担任/理科担当)髙橋祥乃 先生(中2担任/理科担当)

「『SDGsツアー』でのMさんは、自分のことだけでなく、まわりを見て動いているのがとても印象的でした。リーダーとして時には強い口調で言う必要もあったと思いますが、そんな経験をしていると、次にチームで動く時、率先してリーダーに協力していきます。お互いの個性を認め合い、共感力と社会力を身につけられるのも、体験を通した学びの利点だと思います。

『ポスタビ』では事前の準備が非常に重要で、チーム一丸となって取り組むことが、まず大きな学びの一つです。さらにポスター制作後に校内で発表する際、人に伝わるスピーチになるよう、なるべく紙を見ないで発表するよう指導しています。Eさんは紙を一切見ることなく、手振りも交えつつ自分の言葉で表現していました。生徒たちにとって、Eさんの姿は勉強と刺激になったと思います。私も感銘を受けました」

進学通信 2025年9月号
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