私立中高進学通信
2025年9月号
中1の始め方
玉川学園中学部
仲間とつながり
学び続ける力を育む

TAP活動の一環として11月に学内施設で実施される、高所でのロープアクティビティ。
命綱を握るのはチームメートで、仲間との信頼関係がぐっと縮まる取り組みです。
TAP(Tamagawa Adventure Program)や班活動で生徒同士のつながりを深め、本物の体験を通して自己表現力と未来や夢を描く力を伸ばします。
TAPや班活動で育まれる
生徒同士の関係性

「全人教育」の理念のもと、生徒一人ひとりの個性を大切にしながら、本物に触れる経験や多様な出会いを通じて、人生の目標を見つけるきっかけをつくり、その実現に向けた第一歩を後押ししている玉川学園。幼稚部から大学・大学院、研究所までを有する総合学園として、「自ら考え、実践し、個性を発揮できる人間力」の育成を大切にしています。
同校の中1生には、小学部から進学する内部進学生と、外部から入学する生徒が在籍しています。環境が大きく変わるなかで、生徒たちに共通するのが「友達ができるかどうか」の不安です。
そうした不安を解消する取り組みの一つが、入学直後から年間を通じて実施される『TAP(Tamagawa Adventure Program)(※)』。玉川大学教育学部の教授や専門ファシリテーターによるサポートのもと、グループでの協働作業や課題解決を通じて、チームとしての関係性を築いていきます。
「入学して間もない時期は、 “仲間とのつながり”が感じられることを大切にしており、学生スタッフが各グループに加わりていねいに関わりながら、生徒同士の関係性を深めていきます」(中1学年主任・社会科/土本英夫先生)
ともすれば “安全な範囲”に閉じこもりがちな中1生。TAPでは、少しずつその殻を破り、他者との関係を築いていくことが求められます。プログラムが進むにつれて仲間意識やクラスの一体感は自然と高まり、「学校がますます楽しい」と感じられるようになるそうです。
「日常の『班活動』も関係づくりの要となります。6〜7人のグループを編成し、清掃活動やグループ学習といった協働の機会を設け、年間4〜5回の班替えを通して、新しいメンバーとの関係性を育んでいきます」(土本先生)
※TAP(Tamagawa Adventure Program)は、4月(2回)・6月・9月・10月・11月・1月に実施
学年目標は「ワクワクドキドキ」
毎日ひとつ、心が動く体験を
現在の中1生が掲げる学年目標は「ワクワクドキドキ」。この言葉には、日々の生活や学びのなかで、「触れて・感じて・表現する」心が動く瞬間を大切にしてほしいという思いが込められています。そのため授業でも知識の習得だけでなく、生徒目線での発見や驚きの体験を重視しているのです。
「例えば社会科では、『我ら地球不動産』と題し、生徒たちが気候帯ごとに仮想の “土地”をもち、その魅力を売り込むプレゼンを行いました。班で取り組むことにより、協働する力も育まれていきます」(土本先生)
こうした体験型の学びの中核となっているのが、創立当初から続く『自由研究』です。週1回、65分の授業で関心のあるテーマを探究し、学年やクラスの枠を越えて交流を深めながら、学園展「ペガサス祭」で成果を発表。国際交流や企業とのコラボレーションによるプレゼン活動など、社会とつながる経験も豊富に用意されています。
「中学生は、可能性を大きく広げていく時期。知識だけでなく、人としての在り方や考え方を育む人づくりを大切にしています。『今日も楽しかった』と感じられるように、私たち教員は常にワクワクする仕掛けを考えて、授業や行事に取り入れることを心がけています」(土本先生)

AI時代を生き抜く
「学び続ける力」と「人間力」を育てる
中1生にとって刺激となるのが、身近な先輩たちの存在です。行事や委員会では高校生と中学生が一緒に活動する機会も多く、「あんなふうになりたい」という憧れが、「自分もやってみたい」という意欲につながっていき、中2以降は先輩としてリーダーシップを発揮する機会も増え、行動の幅がますます広がっていきます。
「AIが発達し、社会や仕事の在り方が大きく変わっていくなかで、最も大切なのは『学び続ける意欲』です。『次はこんなことをやってみよう』と前向きに行動できる人が、未来を切り拓いていけると考えています」(中学部長/中西郭弘先生)
だからこそ同校では日々本物に触れ、多くの対話を重ねることで、社会の一員として考え、行動できる “人としての深みや丸み”を育てているのです。
「こうした経験を通して、自分の得意なことや関心事に気づく生徒もいます。それがやがて社会での生き方につながっていくことも少なくありません。中学生活の序盤は、そうした学びの土台を築く時期だと考えています」(中西先生)



(この記事は『私立中高進学通信2025年9月号』に掲載しました。)
玉川学園中学部
〒194-8610 東京都町田市玉川学園6-1-1
TEL:042-739-8931
進学通信掲載情報

PICK UP!!
紹介する学校
- 桜美林大学『ディスカバ!』で興味・関心の幅を広げ多角的な視点を獲得上野学園中学校
- 2026年度から北里大学の附属校に!中高大連携もさらに進化北里大学附属順天中学校(現 順天中学校)
- 医学部・薬学部との連携で本物の現場を体験「憧れ」を「目標」へと昇華日本大学第一中学校
- 新校舎を建設する企業の協力で生徒が社会とつながる実践女子学園中学校
- 地域に根づいた探究活動からグローバルに行動できる人へ十文字中学校
- 自ら情報を収集・判断して行動できる人材を育てる探究授業明治大学付属明治中学校
- 社会で活躍する卒業生に学ぶ「働く」ということ麗澤中学校
- 豊かな環境との出会いが夢の実現を後押ししてくれました共立女子第二中学校
- 国際社会についてリアルに語れる社会科の教員になりたい玉川聖学院中等部
- “食”と向き合う力をくれた場所東京家政大附属で芽生えた探究心東京家政大学附属女子中学校
- 国際学級で見つけた、自分の原点東京女学館から医師の道へ東京女学館中学校
- 高校で積み重ねた一歩一歩が今の大学院での研究の土台に日本大学第二中学校
- プールは、人間形成の場水泳は多くの力を与えてくれました日本大学豊山中学校
- 遠泳がつなぐ先輩と後輩の絆 伝統の行事で、心身を鍛える日出学園中学校
- 中高時代に育んだ「挑戦する気持ち」が全ての原点武蔵野大学中学校
- リーダーシップの力を高めて人々のために役立てていきたい!和洋国府台女子中学校
- 新たな価値を生み出す新教育ビジョン「将来構想プロジェクト」による新しい“伝統”跡見学園中学校
- 目で見て、感じて、SDGsを自分事に学年を越えて一つの目標に取り組む東京家政学院中学校
- 剣道部・書道部も大活躍!“さわやか・はつらつ・ひたむき”な部活動を紹介!!八千代松陰中学校
- 「人権の尊重」をベースにした新たな「包括的性教育」を実践星野学園中学校
- 手厚いフォロー体制で学習習慣を定着そこから基礎学力と学ぶ意欲を育成狭山ヶ丘高等学校付属中学校
- 「目標があるから頑張れる」日々の努力を“見える化”し高まる学習意欲千葉明徳中学校
- 選べる学びのスタイルと手厚いサポートで自分らしく学力を伸ばす二松学舎大学附属柏中学校
- 基礎学力の土台となる自学自習や自己管理能力を育成学びの意欲を引き出す横浜女学院中学校
- 生徒の興味・関心を引き出す授業と何度も行う小テストで飛躍のための土台作り横浜翠陵中学校
- 日本と海外の卒業資格が得られるデュアルディプロマプログラムを実施城西大学附属城西中学校
- 生徒の英文を活かしたWriting指導で意欲を引き出す聖望学園中学校
- 「みんな違って、みんないい」表現と協働で自立を育む女子美術大学付属中学校
- 仲間とつながり学び続ける力を育む玉川学園中学部
- 焦らずじっくり、確実に自立の芽を育てる文教大学付属中学校
- 生徒が主役、大人はチーム安心感が成長の土台に宝仙学園順天堂大学系属理数インター中学校
- クールナビゲーターとして伝えたい東洋大学京北の魅力!東洋大学京北中学校
- 一人ひとりの力を引き出し世界へ羽ばたく勇気を育む富士見丘中学校
- 生徒一人ひとりが輝く舞台を作りたい!森村学園中等部
- 自主性を重んじる方針が保護者側にも伝播する獨協埼玉中学校
- 日本とオーストラリアで教育一筋35年松本へ「移住したい」と思える学校をめざします松本秀峰中等教育学校
- 英語入試を一本化し4技能を測る入試に再編日本大学豊山女子中学校
- 手厚いカリキュラムと講習プログラムで国公立大・難関私立大突破を強力サポート青稜中学校
- 総合型選抜で年内合格率9割超「好き」を原動力に未来を切り拓く瀧野川女子学園中学校


