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私立中高進学通信

2025年9月号

基礎学力の育て方~こんなに成長しました!~

千葉明徳中学校

「目標があるから頑張れる」
日々の努力を“見える化”し
高まる学習意欲

右から中2学年主任の奥村先生とSさん(中2)、Oさん(中2)、Nさん(中2)。

 基礎学力の定着や指導の工夫について、中2学年主任の奥村和男先生にお話を伺いました。あわせて、自ら目標を立て、学習に取り組む生徒たちの声も紹介します。

主体的な学びを促す
『朝学習』と検定対策
中2学年主任・理科/奥村和男先生中2学年主任・理科/奥村和男先生

「一人ひとりが生まれもった能力や人間性を社会のなかで発揮する」ことを意味する『明徳を明らかにする』という教育理念のもと、思考力・判断力を育む探究的な学びを展開する千葉明徳。ディスカッション重視の探究型授業、課題研究を通じた表現力の向上などを推進。農業実習『土と生命の学習』や天体ドームでの観察など、体験を通した学びも豊富で、『行動する哲人』の育成をめざしています。

 こうした探究的・体験的な学びを支える土台として、日々の授業や基礎学習の充実にも力を入れています。なかでも、朝学習と検定試験を活用した取り組みは、生徒の学習習慣を育てる重要な仕組みとなっています。

「朝学習では、英単語ほか5教科の小テストを毎日実施しています。短い目標の達成を積み重ねることで、生徒が自然と “できる”という感覚を身につけていけるのです」(中2学年主任/奥村和男先生)

 英検・数検・漢検といった各種検定試験も、学習意欲を高める仕掛けとして有効に活用されています。英検については、中1で5級、中2で4級、中3で3級取得を標準とし、全員がその到達をめざしています。

「 “合格して当然”という共通認識をもつことで、生徒の意識が自然と高まり、上位級に挑戦したいという意欲が生まれてきます。周囲の頑張りが刺激となり、学年全体が学習に前向きな雰囲気になります」(奥村先生)

 検定に向けた取り組みは、日々の学習とも連動しています。例えば朝学習の内容と検定の出題範囲をリンクさせたり、ゴールデンウィークの課題をそのまま検定対策にしたりするなど、学びの成果が検定合格という具体的な形で実感できるよう工夫が凝らされています。

「今学んでいることが将来どこにつながるのかを意識できると、生徒のやる気は大きく高まります。大切なのは、生徒が “自分の目標として”検定に向き合えるような雰囲気をつくること。その環境づくりこそが、私たち教員の役割だと考えています」(奥村先生)

努力を「見える化」し
さらなる意欲につなげる

 こうした学習への取り組みをさらに後押しする仕組みが、検定結果や学力の成果に応じた「表彰」と「クラス分け」です。

「明確な目標を全員で共有しつつ、より高みをめざそうとする意識を育てることも大切です。そのために、努力の成果をきちんと評価し、称える姿勢を大事にしています」(奥村先生)

 中学では1学年3クラス体制で、そのうち1クラスは『選抜クラス』に設定されています。成績や検定の結果に応じて中2から選抜クラスへの移行も可能。日々の学習への取り組みが具体的な成果として “見える化”されているのです。実際に、生徒たちはそれぞれの目標に向かって前向きに取り組んでいます。中2生の3名に勉強への取り組みについて聞きました。

Nさん(中2・選抜クラス)Nさん(中2・選抜クラス)

 中2・選抜クラスのNさんは朝学習への取り組みがモチベーションにつながったと話します。

「朝学習で毎回満点を取ることをめざして、2日前から準備するようにしています。中2からテニス部の活動が本格化してきましたが、通学電車の中で学習時間を確保し、勉強と部活動の両立ができるようになってきました。
 もともと勉強に苦手意識がありましたが、選抜クラスに入れたことで自信がつき、今は定期テストで学年トップ10に入ることが目標です。ずっと選抜クラスにいたいという思いがモチベーションになっています」(中2/Nさん)

 Oさんは、中1での経験を話してくれました。

Oさん(中2・標準クラス)Oさん(中2・標準クラス)

「中1の3学期の期末テストでは社会科の点数が伸びず、好きな教科だっただけにショックでした。そこで春休みに達成しやすい目標を段階的に立てて学び直したところ、得点がアップして学年2位に。陸上部の活動も忙しいですが、通学時間や大会の待ち時間を有効活用して勉強時間をつくり、次は1位をめざしています。先生方はどんなことでも真剣に話を聞いてくださるので、相談しやすく心強いです」(中2/Oさん)

 Sさんは前向きなクラスの雰囲気が、やる気の継続につながっていると話します。

Sさん(中2・標準クラス)Sさん(中2・標準クラス)

「朝学習対策はそのまま定期テスト対策にもなるので、サッカー部の練習でどんなに疲れていても、毎回の朝学習に必ず合格できるよう、欠かさず勉強しています。今は定期テストで学年20位以内に入ることが目標です。
 皆が部活動と勉強の両立に頑張っているので、自然と勉強に向き合えるようになりました。友達と励まし合えるのも、この学校の良さだと感じています」(中2/Sさん)

 こうした生徒たちの頑張りを教科担当の教員や担任の教員が細やかに見守り、適切にアドバイスや声がけをすることで、「さらなるやる気を引き出して導いている」と奥村先生。

「めざすべきレベルを少しずつ引き上げていくことで、 “気づけば、優秀な集団の中にいた”という状態をつくりたいと考えています。皆が自分の好きなことや興味のあることを発見しながら学びに向き合えるよう促し、将来を切り拓いていく力を育んでいきたいです」(奥村先生)

中2・標準クラスの国語の授業では、説明→個人で考える→意見交換→まとめと、立体的な授業を展開。
生徒たちは楽しみながら学びに集中していました。
「国語の栗原先生は生徒のやる気を引き出す名手です」(奥村先生)

育成のポイント①
やる気を引き出す
熱意ある教科授業

 勉強が苦手な生徒であっても、前向きに取り組む雰囲気が特徴の同校。これは「勉強への意欲を引き出し、“頑張ってみよう”と思わせてくれる熱意ある先生の授業と、的確な学習サポートがあるから」だと奥村先生。授業でモチベーションを高めることで、生徒一人ひとりが苦手克服や検定への挑戦に前向きとなり、学年全体の底上げにつながっています。

「全ての教員が熱意をもってていねいな授業を行うことで、選抜クラスだけでなく、標準クラスの生徒たちもメキメキ成績を上げています」(奥村先生)

育成のポイント②
つまずきを早期に解決する
『完全復習プログラム』

 授業で学び家庭で復習し、その成果を朝学習の小テストで確かめ、小テストで合格点に達しなかった場合は、放課後補習の受講が必修となります。この一連のサイクルを理解の定着を図る『完全復習プログラム』と称し、生徒にも定着させ、徹底的に実践しています。つまずきはその場でフォローしつつ、成果が出た生徒を評価することで、自然とさらに学力を向上させたいという意識を育てています。

育成のポイント③
「叱る」よりも「引き出す」
個人面談でフォローアップ

 検定結果や定期テストが返却された日などには、必要に応じて個別面談も実施。そこで大切にしているのは、“叱る”のではなく“引き出す”という姿勢です。

「『なにがいけなかったのか』『どうしたらよかったのか』を、まずは聞くこと。そして本人が状況を整理し、自分の言葉で次の行動を考える。そこをサポートするのが面談の意味だと思っています」(奥村先生)

 そうした関わりの積み重ねが、やがて「自分でやっていける力」へとつながっていくのです。

育成のポイント④
『日誌』を活用して
計画的に学ぶ力を身につける

 生徒が自ら目標を定めて学ぶ。その学習の見通しを支えるのが「日誌」の活用です。

「中1・中2生は『帰りの会』で日誌を書くことで、今日の振り返りと明日の準備をします。明日の予定に加え、日・週・月単位での目標と振り返りを記録することで、自分の学びを俯瞰しながら目的意識を持って取り組めるようにしています。短期・中期・長期というように、学びのスパンに合わせた目標設定を通して、計画的に学ぶ力を身につけていきます」

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