私立中高進学通信
2025年9月号
卒業生が語る私の成長Story
日本大学第二中学校
高校で積み重ねた一歩一歩が
今の大学院での研究の土台に

法政大学 大学院 デザイン工学研究科
都市環境デザイン工学専攻
三枝 将人さん
高校で周囲からもらった言葉の一つひとつ、また授業で得た学びの一つひとつが、
今も大学院で研究に打ち込むモチベーションになっているといいます。
高校受験で日本大学第二に入学し、一時は他人と自分を比べて焦りを感じる時期もあったという三枝さん。高校3年間を振り返って、かつての悩み多き日々や部活動、行事などの思い出について語ってもらいました。
日本大学の付属校かつ
他大学もめざせる進学校

日本大学に内部進学できる付属校でありながら、他大学の受験にも対応する進学校の側面をもつ日本大学第二。実際に例年、5割を超える卒業生が日大以外の大学に進学しており、その点に魅力を感じて同校を志望したという三枝さん。
「学校説明会に参加した時、在校生が楽しそうに通学路を歩いている様子を見て、好印象を受けました。都心にありながら敷地が広く、グラウンドやプール、武道館など、施設が充実していたのも志望理由の一つです」
高校受験で入学してからの3年間、どのように過ごしたのか振り返ってもらいました。
「やはり『二高音頭』は外せません。6月の体育大会で高3生のみが踊ることを許された特別な時間で、半世紀以上にわたる伝統となっています。生徒各自で花笠を手作りし、部活動ごとに統一感のある浴衣を着て、校庭にやぐらも組むなど、高3に進級した直後の4月から念入りに準備します。終わった後の高揚感と一抹の寂しさは、言葉では言い表せないものです」
部活動は陸上競技部に所属。1500mや1万mなど中長距離の選手として練習に打ち込みました。そこで2人の顧問の先生にかけられた励ましの言葉を、今でも思い出すそうです。
「中長距離の選手にはどうしてもスランプがつきもので、そんな時によくハッパをかけてもらいました。特に覚えているのは『へこたれそうになった時こそ、もう一歩』という言葉。大会で上位に入るような活躍ができたわけではないですが、それでも最後まで続けることができたのは、2人の先生のおかげです」
恩師がくれた「孤高」を
めざすという教え
思春期特有の悩みを抱える日々もあったといいます。学校に行く気力を失い、遅刻気味になる時期も。
「高2の頃ですね。他人と自分を比べてしまい、SNSなどでキラキラしている他校の高校生を見て、『早く自分も何者かにならなくては』と焦っていたんです。将来についても、何に興味があるのか、自分に何ができるのかわからなくなる。そんなネガティブな状態が重なりました」
このままではいけないと、自ら担任の井一雅義先生に悩みを打ち明けた三枝さん。強く心に残るのは「『孤独』ではなく、『孤高』という生き方をめざすのも悪くない」という言葉です。
「加えて『友人全員の顔色をうかがって合わせにいく必要はない』『限られた人数でいいから大切に思える人を大事にすればいい』とも諭していただき、気持ちに整理がつきました」
同校の特色として、「気軽に話を聞いてもらえる先生が見つけやすい」ことを挙げる三枝さん。
「1学年10クラスを越えるので、先生が多いんです。また、授業でも教科・科目ごとに異なる先生と顔を合わせるので、その人数は週に10~15人となります。そのなかから話しやすそうな先生を見定めればいいわけで、実際私も高1の頃、古文の先生に人生相談に乗ってもらっていました」
日本の国土をデジタル化し
インフラ管理や防災に寄与
日大第二では、高1から他大学に進学したOB・OGの講演会があったり、授業で他大学の過去問に取り組んだりと、他大学受験の環境も整っています。三枝さんはそうした環境を活用し、一般選抜を経て法政大学デザイン工学部に進学しました。
「現在は大学院に進学し、デザイン工学研究科・都市環境デザイン工学専攻に所属して研究を進めています。研究内容は簡単に言えば、まちづくりや道路、橋などのインフラの建設・維持に関する『土木分野のデジタル化』です。具体的には、専門的な『デジタルツイン』という技術を用いて、日本の国土をデジタル上で再現し、インフラの維持管理や災害シミュレーションを行っています」
大学入学以降の生活では、三枝さんは企業が主催する外部のコンテストなどにも積極的に挑戦し、数々の賞を受賞。そうした活躍を受けて、法政大学の2026年度ガイドブックへの掲載も決まったそうです。
「わが国では、人口減少に加えてインフラの老朽化や災害の激甚化といった課題を抱えています。そのような課題に対して、デジタルツインを活用し、インフラの維持管理や災害対策を効率的にできないかを検討しています。
高校の3年間では、先生方からいただいた言葉の端々から、地道に努力することの大切さや、急いで結果を求めない粘り強さなどを学びました。それは今、研究するうえでとても役立っています。タイパなんて考えもしませんね」
恩師からの応援メッセージ
大学で研究に打ち込み、
積極的にチャレンジする姿勢に成長を感じます

出会った当初から真面目な生徒でしたが、自分の思っていることをうまく表現できていないという印象はありました。私から声をかけてもよかったのですが、あえてある程度の距離感を保って、彼のほうからアプローチしてくるのを待っていましたね。「孤高」という言葉を投げかけたことは覚えています。学力面については、いろいろな教科をそつなくこなしていたので、全く心配していませんでした。高校時代は与えられた課題を黙々とこなすことが得意なイメージでしたが、大学では積極的に外部コンテストなどに参加しているそうで、正直そこは意外に思うと同時に、確かな成長を感じます。(高2担任/井一雅義先生)
(この記事は『私立中高進学通信2025年9月号』に掲載しました。)
日本大学第二中学校
〒167-0032 東京都杉並区天沼1-45-33
TEL:03-3391-5739
進学通信掲載情報

PICK UP!!
紹介する学校
- 桜美林大学『ディスカバ!』で興味・関心の幅を広げ多角的な視点を獲得上野学園中学校
- 2026年度から北里大学の附属校に!中高大連携もさらに進化北里大学附属順天中学校(現 順天中学校)
- 医学部・薬学部との連携で本物の現場を体験「憧れ」を「目標」へと昇華日本大学第一中学校
- 新校舎を建設する企業の協力で生徒が社会とつながる実践女子学園中学校
- 地域に根づいた探究活動からグローバルに行動できる人へ十文字中学校
- 自ら情報を収集・判断して行動できる人材を育てる探究授業明治大学付属明治中学校
- 社会で活躍する卒業生に学ぶ「働く」ということ麗澤中学校
- 豊かな環境との出会いが夢の実現を後押ししてくれました共立女子第二中学校
- 国際社会についてリアルに語れる社会科の教員になりたい玉川聖学院中等部
- “食”と向き合う力をくれた場所東京家政大附属で芽生えた探究心東京家政大学附属女子中学校
- 国際学級で見つけた、自分の原点東京女学館から医師の道へ東京女学館中学校
- 高校で積み重ねた一歩一歩が今の大学院での研究の土台に日本大学第二中学校
- プールは、人間形成の場水泳は多くの力を与えてくれました日本大学豊山中学校
- 遠泳がつなぐ先輩と後輩の絆 伝統の行事で、心身を鍛える日出学園中学校
- 中高時代に育んだ「挑戦する気持ち」が全ての原点武蔵野大学中学校
- リーダーシップの力を高めて人々のために役立てていきたい!和洋国府台女子中学校
- 新たな価値を生み出す新教育ビジョン「将来構想プロジェクト」による新しい“伝統”跡見学園中学校
- 目で見て、感じて、SDGsを自分事に学年を越えて一つの目標に取り組む東京家政学院中学校
- 剣道部・書道部も大活躍!“さわやか・はつらつ・ひたむき”な部活動を紹介!!八千代松陰中学校
- 「人権の尊重」をベースにした新たな「包括的性教育」を実践星野学園中学校
- 手厚いフォロー体制で学習習慣を定着そこから基礎学力と学ぶ意欲を育成狭山ヶ丘高等学校付属中学校
- 「目標があるから頑張れる」日々の努力を“見える化”し高まる学習意欲千葉明徳中学校
- 選べる学びのスタイルと手厚いサポートで自分らしく学力を伸ばす二松学舎大学附属柏中学校
- 基礎学力の土台となる自学自習や自己管理能力を育成学びの意欲を引き出す横浜女学院中学校
- 生徒の興味・関心を引き出す授業と何度も行う小テストで飛躍のための土台作り横浜翠陵中学校
- 日本と海外の卒業資格が得られるデュアルディプロマプログラムを実施城西大学附属城西中学校
- 生徒の英文を活かしたWriting指導で意欲を引き出す聖望学園中学校
- 「みんな違って、みんないい」表現と協働で自立を育む女子美術大学付属中学校
- 仲間とつながり学び続ける力を育む玉川学園中学部
- 焦らずじっくり、確実に自立の芽を育てる文教大学付属中学校
- 生徒が主役、大人はチーム安心感が成長の土台に宝仙学園順天堂大学系属理数インター中学校
- クールナビゲーターとして伝えたい東洋大学京北の魅力!東洋大学京北中学校
- 一人ひとりの力を引き出し世界へ羽ばたく勇気を育む富士見丘中学校
- 生徒一人ひとりが輝く舞台を作りたい!森村学園中等部
- 自主性を重んじる方針が保護者側にも伝播する獨協埼玉中学校
- 日本とオーストラリアで教育一筋35年松本へ「移住したい」と思える学校をめざします松本秀峰中等教育学校
- 英語入試を一本化し4技能を測る入試に再編日本大学豊山女子中学校
- 手厚いカリキュラムと講習プログラムで国公立大・難関私立大突破を強力サポート青稜中学校
- 総合型選抜で年内合格率9割超「好き」を原動力に未来を切り拓く瀧野川女子学園中学校



