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私立中高進学通信

2025年9月号

卒業生が語る私の成長Story

和洋国府台女子中学校

リーダーシップの力を高めて
人々のために役立てていきたい!

H・Hさん

立教大学 経営学部経営学科1年
H・Hさん

立教大学の「ビジネス・リーダーシップ・プログラム」は、
学生や教員、連携企業が主体的に関わる産学連携の取り組み。
Hさんは掲げた座右の銘を胸に、この授業で企業とのコラボレーション企画に携わっています。

 車椅子ユーザーが暮らしやすい社会にするためにはどうすればよいか。Hさんは、この社会課題解決に取り組むグループのリーダーを務め、探究活動の全国大会に出場。最終予選まで進んだ経験を大学生活に活かしています。

中3で卓球部を引退
高校で探究活動に打ち込む

「私は小4の時に卓球を始めました。当時の私は、公立中学校に進学して卓球を続けようと決めていました。でもそんな時、卓球のコーチから『のびのびと卓球をするなら、和洋国府台女子がいいよ』と、卓球の強豪校であるこの学校を勧めていただいたんです」

 こうして同校に入学したHさんは卓球部に入部。団体戦で全国大会出場という結果を残すも、中3で部を引退しました。引退を決めた理由は、目標とする大学に合格することのほうが、卓球を続けることよりも重要だと確信したからだそうです。

 高校でHさんは特進コースに進み、勉強に全力で取り組みました。なかでも力を注いだのが『WIQ』です。『WIQ』とは、校名の『Wayo』と「探究」を意味する『inquiry』を組み合わせた造語で、和洋女子大学や企業と連携して行う同校独自の探究型学習です。

 高1で探究の基本的なスキルを学んだ後、高2では、世の中にある課題をどのように解決していくかをグループワークで追究します。その目的は、課題発見力やリサーチスキル、他者を巻き込む力といった、不確実な社会を生き抜く力を養うこと。Hさんは、このプログラムのグループリーダーを高1から高2まで務めます。メンバーはHさんを含めて4名でした。

車椅子ユーザーに対する
健常者の理解を深めるために

「高2の時に私が見つけた課題は、『車椅子ユーザーの方々が暮らしやすい社会にするにはどうすればよいか』です。そのきっかけは、夏休みに私が住んでいる区で開かれたボランティアスクールに参加したことでした。その場で実際に車椅子に乗ってみたり、車椅子ユーザーの方からお話を伺ったりして、車椅子で生活することの大変さを痛感したのです。その話をグループのメンバーに伝えたところ、『やろうよ!』と賛同してくれました」

 Hさんたちが課題の解決策として考えたのは、健常者の理解を深めることでした。その第一歩として、「私はあなたを手助けできます」という意思を示すチューリップマークをつくることにしたそうです。チューリップにした理由は、『思いやり』という花言葉に由来します。健常者がこのマークをつけることで、車椅子ユーザーは安心してサポートを求めることができます。そしてHさんたちはそのマークの普及をめざして、市川市役所へ相談に行ったり、市川市に本社をおく企業に協賛のお願いをしたりしたそうです。

 こうした探究の成果を、Hさんたち4人は「クエストカップ全国大会(※)」に出場して発表しました。その結果、ファーストステージで優秀賞を受賞し、最終選考であるセカンドステージまで進むことができたのです。

『WIQ』で2年間リーダーを務めた経験がHさんの進路を決定づけます。

「立教大学の経営学部に『ビジネス・リーダーシップ・プログラム』という授業があることを知り、高3の時にオープンキャンパスで実際にこの授業を受けてみたんです。そして、リーダーシップについて体系的に学んでみたいと思った私は、この大学のこの学部を第一志望に決めました」

 Hさんは総合型選抜で立教大学経営学部経営学科を受験。志望理由書と面接で『WIQ』での活動実績をアピールし、見事合格を手にしました。

※クエストカップ全国大会…中高生が探究学習の成果を社会に発信する学び合いの場。日本最大級の探究学習の祭典となっている。

メンバーを増やしていき
いつかは大きな組織にしたい
Hさんは『WIQ』での探究に際してSNSを活用。110人の車椅子ユーザーから意見を集めました。Hさんは『WIQ』での探究に際してSNSを活用。110人の車椅子ユーザーから意見を集めました。

 Hさんは現在、『ビジネス・リーダーシップ・プログラム』での学びを深めながら、車椅子ユーザーに対する健常者の理解を深める活動を続けています。

「最初は一人で始めようとしていたんです。ところが、立教大学内のボランティアセンターへ相談に行ったところ、スタッフの方から『グループで活動したほうが、理解が深まりますよ』とアドバイスをいただきました。そこで、親しくなった友人たちに声をかけて、共感してくれるメンバーを集めました」

 Hさんは5人のグループで今も駅前に立ち、車椅子ユーザーに向けた「思いやり」を示すマークの普及活動に取り組んでいます。

「このグループをさらに大きな組織にしたいと思っています。そして、将来的には今学んでいるリーダーシップの力を活かせる仕事に就き、多くの人々の役に立ちたいと考えています」

 そんなHさんの座右の銘は「まわりより昨日の自分と比べる」です。

「まわりとは『周囲にいる人たち』のことです。私は大学に入学してからカフェでアルバイトを始めたのですが、周囲の人たちと比べて自分にできないことが多いと実感し、心が折れそうになっていました。
 そこで父に悩みを打ち明けたところ、『まわりにいる人たちとではなく、昨日の自分と今日の自分を比べたほうがいい。そうすれば、成長を実感できるから』と助言をくれました。今は、この言葉を胸に自分の成長を確かめながら、アルバイトや大学での勉強、車椅子ユーザーの方々のための活動に力を注いでいます」

恩師からの応援メッセージ
飽くなき探究心をもって
真っすぐに突き進んでいく女性
授業や探究活動を通して、Hさんを支えてきた中澤先生。授業や探究活動を通して、Hさんを支えてきた中澤先生。

 私は以前、探究科主任として、Hさんたちの探究活動をファシリテートしていました。また、Hさんが高3の時は、現代文の授業を担当していました。Hさんは飽くなき探究心をもって、自分がやりたいと思ったら、そこへ向かって真っすぐに突き進んでいく女性です。立教大学には一般入試で合格できる学力もありましたが、その熱意を大学の先生方に伝えたほうがよいと判断し、総合型選抜での受験を勧めました。Hさんがもつ自ら考える力、自ら行動する力で、将来は社会に大きく貢献してほしいと思っています。(広報部長・国語科/中澤美紀先生)

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