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私立中高進学通信

2022年11月号

未来を切り拓くグローバル教育

武蔵野大学中学校

しなやかな思考力を培う
オリジナルの『言語活動』

多様性を活かした価値創造を実現する教育
中3の『言語活動』。オープンスクールで行うクラス発表の内容について、アイデアを出し合い、企画書を作成しました。

中3の『言語活動』。オープンスクールで行うクラス発表の内容について、アイデアを出し合い、企画書を作成しました。

社会で必要とされるスキルを
学び伸ばす

 2024年度に創立100周年を迎える武蔵野大学中学校。伝統を大切にしつつ、令和の時代にふさわしい学校教育のあり方を推進しています。中学校は『Global&Science』コースの1コース制をとっています。

 このコース名は単に英語と理数科目を強化するという意味ではありません。もちろん英語の運用能力の向上も図りますが、同校で言う「Global」とは、多様な価値観を認め合い、協働して問題解決にあたる力を指しているのです。

 また、「Science」は、実験や観察を通して自らが立てた予測の真偽を確かめる「仮説検証」の能力を指しています。理科や数学の学習だけでなく、客観的なデータや根拠を基に自分の考えを深め、確かめていくプロセスを意味します。

 こうした力を身につけるため、同校が行う教育活動の一つに、中学全学年で週に1回行われる『言語活動』があります。同校オリジナルのこの活動の狙いは、教科の枠を越えて学びの基盤となる「アカデミックスキル」を養うことです。

「本校では、アカデミックスキルを、『一般的な学校教育では体系立てて教えられてこなかったけれども、社会に出た時には必須となるスキル』だと位置付けています。
 思考やアイデアを可視化する『マインドマップ』や、情報を整理する『ノートテイキング』、アイデアを複数人で生み出すための『ブレインストーミング』などを、中学のうちから学習活動に取り入れていきます。ビジネスの世界では使われている手法ですが、きちんと説明して取り入れると、生徒たちはすぐに使いこなすようになります」(入試広報副部長・英語科/宇井瑞穂先生)

 中1・中2のうちは講義形式でこうした手法を学ぶことが多いのですが、中3になると、社会とのつながりや、他者を意識した活動を行いながら、各手法を使いこなす活動へと移っていきます。

オープンスクールの企画立案を
中3生が担当

 取材した日、中3生は夏休み明けから10月22日に開かれる秋のオープンスクールの企画立案に取り組んでいました。アイデアを出し合い、企画書にまとめて、オープンスクール委員会の生徒や入試広報部の教員と打ち合わせながら、本番まで活動していくことになります。

 この取り組みの狙いは、これまで身につけた「アカデミックスキル」を、実生活への「応用」段階に引き上げることです。一人ひとりがアイデアを出し、相手の価値観を認めながら合意形成を図るプロセスは、グローバル社会のスタンダードとなっています。多様性を活かした価値創造ができる力こそ、同校が追求するグローバルな能力なのです。

Action Report File001
言語活動で学びの基盤
「アカデミックスキル」を伸ばす
的確な手法でより良いアイデアを練る体験
取り組みの大枠を説明する本田先生。取り組みの大枠を説明する本田先生。

Step 1

 教科の枠を越えた『言語活動』は週に1回。国語科の教員または英語科の教員が指導します。

 今回の『言語活動』は、秋のオープンスクールで来場した受験生や保護者に、1クラス10分間で学校の魅力を伝えるものです。国語科の本田遥香先生は「学校生活のイメージがわくような魅力を伝えて、今までにないオープンスクールを創造しましょう」と、目的を示します。

思いつくまま、手を止めずにスピーディーに書き出していきます。思いつくまま、手を止めずにスピーディーに書き出していきます。

Step 2

「何を伝えるか」「どう伝えるか」は生徒がゼロベースから考えていきます。1枚のふせんに1つのアイデアを書き、机に貼り付けていきます。「ファッションショーをやる」「部活動全部紹介」「過去問題を来た人にプレゼント」「皆の前で二者面談をする」など、一見無理そうなアイデアでも、とにかく出してみることに価値があります。

 中1から『言語活動』で意見を出し合う経験を積み重ねているので、生徒たちは恥ずかしがることなく、他の人の意見を受け入れ、自由にアイデアを出していきます。

アイデアを2つに分け、組み合わせて企画を練ります。アイデアを2つに分け、組み合わせて企画を練ります。

Step 3

 集めたアイデアを、少し準備をすれば簡単に達成できる「安全策」と、前人未踏で非常に困難だが、達成できれば大きなインパクトをもたらし、イノベーションを生む「ムーンショット」に分けます。この2つを組み合わせてどんな企画ができそうかを、さらに詰めていきます。

タブレット端末でテキパキと入力し、グループで共有します。タブレット端末でテキパキと入力し、グループで共有します。

Step 4

 昨年度、自分たちで作成した企画書を参照しながら、グループごとに決めたアイデアを企画書に起こしていきます。提出の締切りを翌日に設定し、スピーディーに意思決定するよう促すのも『言語活動』ならではです。

Action Report File002
『言語活動』で得たスキルを『PBL』や探究学習に活かす
アカデミックスキルをPBLへとつなげる
中1からマインドマップを作る体験をします中1からマインドマップを作る体験をします

 3年間の『言語活動』によって得るアカデミックスキルは、同校がもう一つ教育の特色として柱に据えている教育手法『PBL(課題解決型授業)』(※)と深くかかわっています。また、高校になるとアントレプレナーシップ(起業家精神)や自己ブランディングなどをテーマとしたオリジナルの探究学習『MAP』(Musashino Advanced Project)が、各コースで設けられています。

『PBL』や探究学習を真に有効な学びにするためには、教科で得た知識や技能、思考力や判断力に加え、『言語活動』で培ったアカデミックスキルを活用することが大切です。そうしてこそ深い問いや考察、相手からのフィードバックが得られるからです。その基礎となる力を伸ばす学習として『言語活動』は機能しているのです。

※PBL…「Project Based Learning」の略称。生徒の「なぜ」を大切にし、主体的に課題発見・解決する力を養うための活動。

先生から一言
生徒の発想力を活かし
ともに創り上げる学習を

 生徒の発想には、私たち教員が思いつかない、素晴らしいものがたくさんあります。そうした生徒の発想を吸い上げながら、調整するのが教員の役割なので、ともに創り上げる意識で生徒と接しています。

 中3の『言語活動』では、これまで培ってきたアカデミックスキルを、外部に向けて発揮する機会を取り入れています。その一つが今回のオープンスクールの企画立案です。相手の考えやニーズを意識して、自分たちのやりたいことをどう実現していくか、その実践の場になるはずです。(中3学年担任・理科/内田海翔先生)


『言語活動』で目覚ましく成長

 今の中3生が中1の頃、私も『言語活動』を担当していたのですが、生徒一人ひとりがたくさんのアイデアを出し合う様子や、活発に意見交換している姿を見て、「成長したな」と感慨深かったです。

『言語活動』や『PBL』は、私たち教員が「中学生のときに教えてもらいたかったこと」を形にしたものです。こうした活動で、さまざまなことに挑戦する力や腰を据えて物事を考える力、目には見えなくても、大切にすべきものを感じ取る力を身につけてほしいと願っています。(入試広報副部長・英語科/宇井瑞穂先生)

進学通信 2022年11月号
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