英語力・表現力を育む 英語スピーチを全校で

私立中高進学通信

2022年11月号

未来を切り拓くグローバル教育

駒沢学園女子中学校

英語力・表現力を育む
英語スピーチを全校で

実践的な英語力と自信、達成感を得る絶好の場

『稲城市英語スピーチコンテスト』へ向けた夏期セミナーの様子。原稿の作成やスピーチの練習に熱が入っていました。

授業参観日に
全員が行う英語スピーチ

英語科の教員が、原稿をチェックし、細かなアドバイスも行います。

　ネイティブ教員の増員やオンライン英会話の導入など、国際教育を強化している駒沢学園女子。その一環として毎年10名ほどの生徒が参加している『稲城市英語スピーチコンテスト』では、3年連続で優秀賞受賞者を輩出しています。

「生徒はスピーチコンテストを通して、英語力はもちろん、表現力や自信を身につけ、大きく成長します。
　その体験をすべての生徒に拡大したいと考え、2022年度より、授業参観日に全生徒が『英語スピーチ』を行うことにしました」（中3英語科／早川日加里先生）

　その英語スピーチに向け、夏休みに4日間の集中セミナーを開催。生徒は毎回、英語のワークシートに取り組みます。

「英語が苦手な生徒や、英作文に慣れていない中1生でも抵抗なく取り組めるように、英語の質問集を作りました。簡単な英語の質問に対して、例文を参考に回答を英語で作成し、それらをつなげて肉付けすればスピーチ原稿が完成。覚えて話せるようになるまでスピーチ練習を重ねます」（中1英語科／須藤杏美先生）

　一方、『稲城市英語スピーチコンテスト』に参加する生徒は、コンテスト用に3分程度のスピーチ原稿を作成します。こちらは生徒が自らスピーチのテーマを決め、起承転結をつけた英文を作り上げます。原稿が完成したら、アイコンタクトやボディランゲージ、発音など、英語科の教員が徹底的に指導を行います。

「当日、自信をもって発表できる状態にまで仕上げています」

実践的な英会話力と
総合的な英語力を鍛える

　普段の授業でも、同校ならではのアプローチで英語力を高めています。ネイティブ教員による週1時間の英会話の授業では、話すこと・発表に重点をおき、会話力を高めます。日本人教員が担当する英語科の授業では、1年間で教科書を5回繰り返し学ぶ『5ラウンドシステム』を採用。総合的な英語力を定着させています。

　また、英語でのコミュニケーションを実践する場として、全員参加による「オンライン英会話」を実施しています。フィリピン人講師とマンツーマンで話すことで、生徒の自信やモチベーションを高めながら、異文化理解を深める機会にもなっています。

　校内にはネイティブ教員が常駐する『イングリッシュルーム』があり、スピーチの練習や英検の二次対策をしっかりと行っています。こうした取り組みにより、ここ数年で生徒の英語力が大幅に向上しました。

「授業参観での英語スピーチによって、生徒の英語へのモチベーションがより高まっています。そこからスピーチコンテストへの参加希望者が増えることを期待しています」

生徒インタビュー
英語入試で入学した英語力を
ブラッシュアップ

Mさん（中1）

　母が英語翻訳の仕事をしていて、幼少期から一緒に英語の本を読んだりするうちに自然と英語が好きになり、英語受験で入学しました。スピーチは自分のことについて話すことにしました。今はワークシートに沿って原稿を作っているところです。

　イントロダクション、ボディ（本論）、コンクルージョン（結論）の順に英文を書いていく方法や、Toの使い方や文節の区切り方など、英語科の先生が細かい部分までていねいに教えてくれるので、勉強になります。英文を作り終わった後、友達と発音の仕方をアドバイスし合ったりして、互いに成長できているなと感じています。

　英語の授業も楽しいです。洋画を鑑賞することもあり、自然な言い回しやネイティブの発音が自然と身につきます。英会話の授業ではグループワークが多く、英語を話す機会がたくさんありますし、フィリピンの先生と一対一で話すオンライン英会話では、海外の人とも会話ができるという自信がつきました。

　授業参観日には母の前で、スムーズな発音で堂々とスピーチできたらいいなと思っています。

生徒インタビュー
最初は苦手だった英語
授業を通して大好きになりました

Kさん（中1）

　駒女では英語科の授業数が多く、週1回の英会話の授業もとても楽しくて、次第に英語が好きになりました。

　人前で話すことは苦手でしたが、英語を好きになったことで『稲城市英語スピーチコンテスト』に挑戦したいと思うようになりました。スピーチのテーマは「将来の夢」。スポーツ管理栄養士になりたいと思っているので、そのことについて書きました。

　まず日本語でスピーチ原稿を書いて、英語に直します。自分の想いを伝えながら、聞く人にわかりやすい言葉を選ぶのがとても難しかったです。

　英語科の先生がていねいに指導してくれるので、新しい表現を知ることができ、英語力も文章力も伸びたと感じています。下書き原稿は完成したので、先生に添削してもらいながらさらに練り上げ、ボディランゲージやアイコンタクトといった部分もネイティブの先生に指導してもらいます。

　本番でもし言葉に詰まってしまっても、自信をもってスピーチを続けていきたいです。

中1からネイティブ講師とマンツーマンレッスン
自分のiPadを使って、フィリピン・セブ島のネイティブの講師と1対1で英会話レッスンを行い、英語力を引き上げます。

スピーチコンテストで2021年度は優秀賞を受賞
東京稲城ロータリークラブ主催のスピーチコンテストには、毎年、同校から10名ほどの生徒が参加。昨年は生徒1名が優秀賞を受賞しました。

先生から一言

英語力を伸ばす駒沢学園女子ならではの取り組み

5ラウンドシステムで英語力が大きく向上

中1英語科
須藤杏美先生

　3年前より、英語の教科書を1年間で5回繰り返して学ぶ「5ラウンドシステム」を導入しました。異なるアプローチで複数回学ぶことで、「聞く」「読む」「話す（やり取り）」「話す（発表）」「書く」の5技能をバランスよく習得することができます。イラストを使ったり、穴あき音読を行ったり、さまざまなアクティビティを行ったりして、5回目には、読み取った内容を自分の言葉で伝える「リテリング」を行います。こうした学びを通して英語脳が育まれ、リスニング力を筆頭に、生徒たちの英語力は年々向上しています。

英検受検率8割！二次対策も万全

中3英語科
早川日加里先生

　英語力向上に加え、資格へのチャレンジで自信を育むという意味もあり、生徒には英検受検を推奨しています。級を問わず、中2から英検合格者にパフォーマンス評価の加点制度を取り入れたことで、8割以上の生徒が英検にチャレンジするようになりました。日頃の「英語」と「英会話」の授業のほか、放課後にネイティブ教員が常駐する「English Room」で二次面接の練習を実施するなど、英検対策も万全です。

（この記事は『私立中高進学通信2022年11月号』に掲載しました。）