私立中高進学通信
2022年11月号
中1の始め方
光塩女子学院中等科
安心感に包まれながら
クラスの絆を強めていく

今年の入学式の様子。新入生たちは新しい学校生活への期待を胸にこの式に臨みました。
「新約聖書」にある御言葉「あなたがたは世の光である、あなたがたは地の塩である」を校名の由来とするカトリック女子校の同校。その新しい学校生活はどのように始まるのか。卒業生でもある3名の先生方にお話を聞きました。
『オリエンテーション』で
お互いを知り、クラスになじむ
「中等科には1学年に4つのクラスがあります。1クラスの生徒数が40名前後ですから、1学年は160名ほどです。そのうち初等科から約70名が入学してきます。中等科から受験される方の中には、初等科の生徒たちの輪に入れないのではないかと心配される方も多いのですが、初等科の生徒は皆、中等科で新しい友達が増えることを楽しみにしています」
そう語るのは、広報担当の田中千惠先生です。初等科の出身である田中先生が中等科に入学した時、クラスに初等科から来た友人がいないため、寂しく感じていたといいます。そんな田中先生が最初に親しくなった生徒は中等科から入った生徒でした。今もその友人との交流は続いているそうです。
入学式で生徒は、校長の烏田信二先生からカトリックの価値観である『人は誰でもかけがえのない存在である』ことを教えられます。そして入学式の後に実施される『オリエンテーション』で、聖書やお祈り、ミサについて、また、学校生活のルールなどを学習。続いてワークショップに参加します。中等科から入学した中1担任の平井由美子先生は次のように語ります。
「ワークショップでは本校のカウンセラーのもと、お互いを知るプログラムを楽しみます。そのひとつが『サインワーク』です。サイン帳を持ってクラスメートに『どこから通っているのか』『どの部活に興味があるのか』などを名前と一緒に書いてもらうのです。すると『◯◯駅から◯◯線で通っているんだ?今日は一緒に帰ろう』というように話しかけるきっかけになります。なかなか声がかけられない生徒には、カウンセラーが『先生のサインでもいいのよ』とフォローをします。この『オリエンテーション』が終わる頃には、生徒の緊張は解け、表情も明るく輝いていますね」

『共同担任制』で6~7名の教員が
一人ひとりを多角的にサポート
平井先生と同じく中等科から入学した中1担任の豊島明音先生はこう述べます。
「4月の下旬には、河口湖にある『森と湖の楽園』という施設に『遠足』に行きます。ここでは施設スタッフの指導のもと、6~7名のグループに分かれて森を散策しながらゲームを楽しみます。
7月の下旬には、長野県四阿山を訪れ、2泊3日の『山荘生活』に参加して登山にチャレンジします。今年はコロナの影響で中止となり、代わりに茨城県つくば市にある産業技術総合研究所などを見学しました。この時期になると生徒は学校生活に慣れ、クラスの結束も強まります。そして9月には学年で競い合う『体育祭』があります。同じ学年の生徒と合同で練習することが多いので、他クラスの生徒とも親しくなります」
同校では、こうした新入生の成長を6~7名の担任が見守りながら、多角的にサポートしています。これが同校創立以来行われている『共同担任制』で、各クラスを複数の教員が担任する制度です。1人の生徒を多くの教員の目で見ることによって、さまざまな個性や長所も発見できます。なお、田中先生は、豊島先生が中1の時の、平井先生が高3の時の共同担任の1人でした。
「私が生徒だった頃は『勉強のことなら、この先生』『人間関係のことなら、あの先生』というように相談できる先生に囲まれ、安心して学校生活を送れました。
教員になってからは、生徒指導などに際してほかの担任たちと意見を出し合うことで、最善の対応ができることがわかりました。共同担任の教員のデスクは並んでいるため、生徒に関する情報も常に共有できます」
そう語る平井先生をはじめ、豊島先生も田中先生も、自分が中学生になった時の感動や不安、緊張を思い出して新入生を迎えるといいます。また、同校で学んだカトリックの精神はその後の人生に大きな影響を与えたそうです。平井先生はこう振り返ります。
「『あなたがたは世の光である、あなたがたは地の塩である』は『かけがえのないあなたの個性を輝かせ、他者のために活かしましょう』という意味です。私は大学院生だった時に、この言葉を思い出し、私が研究してきた史学の知識を子どもたちの将来に役立てることができたらと思い、教員の道を選びました」

田中千惠先生

平井由美子先生

豊島明音先生




(この記事は『私立中高進学通信2022年11月号』に掲載しました。)
光塩女子学院中等科
〒166-0003 東京都杉並区高円寺南2-33-28
TEL:03-3315-1911
進学通信掲載情報

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