私立中高進学通信
2022年11月号
注目! News and Topics
佐野日本大学中等教育学校
体験の積み重ねと多くの人との交流が
生徒を成長させていく
顕桜祭の合唱発表会で舞台に立つ1年生(中1)たち。文化祭を開催できた喜びが、力強い歌声にあらわれていました。
3年ぶりに開催された顕桜祭
中学生が合唱発表会を行う
「昨年11月、2年生(中2)が会津若松に2泊3日の『東北研修旅行』に行きました。本校に入学して初めての宿泊行事です。生徒たちは鶴ヶ城や会津藩の藩校だった日新館、野口英世記念館などを見学しました。生徒はみな、この研修旅行に参加できたことがうれしかったようで、表情に笑顔があふれていました」
そう語るのは、校長の舩渡川重幸先生です。2020年4月、新型コロナウイルスの影響によって、現在の3年生(中3)の入学式は教室で行われ、保護者は参加できずに動画でその様子を見ることになりました。その後、同校は休校に。授業が再開されても顕桜祭、イギリス研修旅行といった主な行事は中止になったのです。
コロナが収束するのはまだ先になりそうですが、同校では教員が一丸となり感染対策を徹底することで、こうした伝統的な行事が復活しつつあります。
「今年6月には3年ぶりに顕桜祭の文化祭を開催できました。1年生(中1)から3年生(中3)までは感染症対策を考慮して、合唱発表会を行いました。中学生にとっては初めてとなる顕桜祭です。どのクラスの発表も、短い時間のなかでいつ練習したのかと思わせるほど美しいハーモニーを聞かせてくれました。保護者の方々も口々に、『うちの子がこんなに上手に歌うなんて初めて知りました』とおっしゃっていました。
今年1月には、1年生(中1)がスキー合宿に、昨年12月には3年生(中3)が福島県にある英語研修施設のブリティッシュヒルズに行くことができました。
同じく昨年12月には、イギリス研修旅行が中止になった代わりに3泊4日で5年生(高2)が『和歌山・奈良・京都研修旅行』に行きました。飛行機で和歌山の南紀白浜を訪れた後、熊野古道を踏破し、奈良では東大寺を、京都では金閣寺や清水寺などを見学しました。これらの行事に参加した生徒たちの表情は輝いていました」
大学や企業などと連携し
SDGsに関連する活動を展開
コロナ禍の影響によって、海外研修が中止になった代わりに、新たに誕生したプログラムもあります。グローバル教育センター センター長の丹野隆史先生が企画した『Professional Talk × SDGs』です。これは大学や企業と連携して各分野の専門家などと生徒がオンラインで討論するプログラム。2020年11月には第1回となる「ジェンダーと社会」が開催され、宇都宮大学国際学部の准教授が講演しました。以来、東京大学大気海洋研究所の助教らによる「海を探る、海を調べる」、日本大学国際関係学部の助教による「国際協力の未来について…貧困/ファストファッション/SDGs」、佐野市在住のカメラマンによる「レンズを通して見たケニア~キベラスラムで出会った命の輝き~」などが行われています。
他にも同校はSDGsに関連する地域貢献活動を展開してきました。
「本校では、生徒の有志が近隣の小学校に赴き、小学生たちの夏休みの宿題のサポートをするボランティアを10年ほど実施しています。昨年に続き、今年の夏は8名の生徒が参加しました。これはSDGsの目標4の『質の高い教育をみんなに』を意識した取り組みといえます。
また、本校はユネスコスクールに加盟しています。ユネスコスクールとは、ユネスコ憲章に示された理念を実現するため、平和や国際的な連携を実践する学校のことです。栃木県内のユネスコスクールの生徒とともに、『私の世界平和』をテーマにした絵を描いて展示する『アートフェス』の開催に向けて準備を進めています」
一方、現在はオーストラリアやマレーシアなどの姉妹校から来日した生徒と同校の生徒が近隣の小中学校を訪れ、国際交流をする活動が中止になっています。こちらも早く再開させたいと舩渡川先生は語ります。
私たち教員は生徒の笑顔に勇気づけられました
舩渡川重幸先生
授業の質が高ければ高いほど、生徒の表情が輝きます。オンライン授業では、生徒の表情の変化を感じ取るのに限界があります。やはり対面で教えることが大切だと思います。私は行事に同行して、生徒の笑顔を目にするたびに、体験の大切さに気づかされました。実際にその場に赴いて肌で感じることや、多くの人たちと直接会って心と心を通わせることが生徒を成長させるのです。今年の顕桜祭もさまざまなことを教員間で話し合い、開催することを決定しました。生徒の笑顔が開催して正解だったことを教えてくれたと同時に、私たち教員を勇気づけてくれました。今年は、これまで中止となっていた5年生(高2)の海外研修旅行を、イギリスからオーストラリアに代えて実施する予定です。また、学年の壁を取り払って、生徒同士が切磋琢磨できるような取り組みを、これからさらに増やしていきたいと思います。
(この記事は『私立中高進学通信2022年11月号』に掲載しました。)
佐野日本大学中等教育学校
〒327-0192 栃木県佐野市石塚町2555
TEL:0283-25-0111
進学通信掲載情報
紹介する学校
- 国際バカロレアを全コースに拡充開智日本橋学園中学校
- 『プログレッシブ政経』と『IT医学サイエンス』が始動春日部共栄中学校
- 中3全員参加の授業内 オンライン英会話共栄学園中学校
- 多様性をさらに引き出す グローバルな学習環境啓明学園中学校
- 男子の飛躍を実現する『グローバルコース』佼成学園中学校
- 英語力・表現力を育む 英語スピーチを全校で駒沢学園女子中学校
- 思考力・英語力の伸びを実証 グローバルリーダーシップ研修実践学園中学校
- 世界水準のIB教育が ハイレベルな目標達成を実現昌平中学校
- 5カ国のネイティブ教員による 充実の英語指導東京家政大学附属女子中学校
- 探究型3カ月ターム留学 セブ島海外研修を新設東京純心女子中学校
- 帰国生と協働して学び 育むグローバルな力広尾学園小石川中学校
- しなやかな思考力を培う オリジナルの『言語活動』武蔵野大学中学校
- 環境抜群の高等教育施設に滞在「イギリス英語研修」で生きた英語を学ぶ秀明大学学校教師学部附属秀明八千代中学校
- 言語だけでなく文化や国際交流も学ぶ 自ら探究するマケドニアサークル高輪中学校
- 世界をつなげる言葉を学ぶ 創意工夫の「探究」の授業と国内英語研修玉川聖学院中等部
- 最大5カ国を訪問可能な留学・海外研修 さらにオンラインでの国際交流もスタート多摩大学目黒中学校
- 視線の先にいつも「世界」を!国際社会へ飛び出す勇気を育む英語教育山脇学園中学校
- 体験の積み重ねと多くの人との交流が 生徒を成長させていく佐野日本大学中等教育学校
- 創立100周年に向けてリニューアル 新校舎で体験する充実の学校生活品川女子学院中等部
- 科学のロマンを追い求める「サイエンスアカデミーコース」を新設昭和学院中学校
- 「アート」を通して親子のふれあい 美術の楽しさを伝えるワークショップ女子美術大学付属中学校
- 特別講義やガイダンスを通して 医学部志望者への受験指導をサポート星野学園中学校
- 中学・高等学校合同のオープンスクールが開催されました目黒学院中学校
- 英語を楽しく学び、実際に使う 体験が豊富な教育プログラム専修大学松戸中学校
- 国際社会での活躍に向けて「英語で話す内容」を重視三輪田学園中学校
- 主体性と探究力を育む『少人数ゼミナール』佼成学園女子中学校
- 伝統の自然学習『サイエンスフィールドワーク』埼玉平成中学校
- ICTを積極活用した授業で 理科への興味を育む森村学園中等部
- エキスパートと連携し 科学で社会に貢献する横浜創英中学校
- 安心感に包まれながら クラスの絆を強めていく光塩女子学院中等科
- 生徒の可能性を引き出す 学校生活がスタート埼玉栄中学校
- 実学教育のもと21世紀を担う 真の国際人を育む東京農業大学第三高等学校附属中学校
- 自ら学ぶこと、協力することの大切さを知る中村中学校
- カナダ・アイルランド留学で、大きく成長する神田女学園中学校
- 国際色豊かな環境が、自ら考え行動する力を育むサレジアン国際学園中学校
- 生徒による広報チーム「JJblossom」が活躍!実践女子学園中学校
- 好きなことにとことんチャレンジ!小石川淑徳学園中学校
- 都心にありながら充実した施設!行事が多く学校生活も充実!成城中学校
- 最先端の学びが視野と興味を大きく広げる田園調布学園中等部
- 楽しい時間を共有できた修学旅行東邦大学付属東邦中学校
- 四季折々の変化を、肌で感じられる環境横浜翠陵中学校
- 学びのおもしろさを追求し 生徒の学習意欲を高める駒込中学校
- 「もの教材」を通じ 歴史への共感力を高める授業を実践女子聖学院中学校
- 3つの軸で真の学力を伸ばす キャリア教育関東学院中学校
- 学校完結型の学習環境の整備が進学実績につながる安田学園中学校