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私立中高進学通信

2022年11月号

私学だからできるオリジナル教育

佼成学園女子中学校

主体性と探究力を育む
『少人数ゼミナール』

定評のある英語・ICT教育に加え、21世紀型教育を強化する佼成学園女子。同校ならではのゼミ形式探究学習について、教頭の西村準吉先生に伺いました。
教頭の西村先生が担当する「哲学」ゼミの授業の様子。VR体験の感想から、AI社会について議論を深めました。

教頭の西村先生が担当する「哲学」ゼミの授業の様子。VR体験の感想から、AI社会について議論を深めました。

少人数だからこそ
深い対話が実現できる
教頭・統括進路指導部長/西村準吉先生教頭・統括進路指導部長
西村準吉先生

 チーム担任制や高大連携授業の導入など、近年、学びを深めるための学校改革を行ってきた同校。改革によってスタートした取り組みのひとつが、特進コース・高2生を対象とする探究学習『少人数ゼミナール』(以下、ゼミ)です。

「大きな特徴は、7名程度の小人数ゼミであることです。じっくり対話を重ね、思考を深めて意見を述べ合うには、この人数だから可能なのです」

 と教頭の西村準吉先生は話します。2022年度のゼミは10講座。週1回行われ、「『幸せ』とは何かを考える」「女性のライフスタイル研究」など、担当教員が自身の興味ある領域から立ち上げたユニークな講座ばかりです。

「生徒は好きなゼミを選び、テーマに即した課題を見つけ、1年間をかけて探究を深めます。9月の『乙女祭』(文化祭)では中間発表として各自がポスター展示を行い、3学期にはプレゼンテーション、最終的には論文作成まで行います。異なる表現形式でアウトプットをすることで、幅広い表現力や伝える力が身につくのです」

 2020年度のスタートから2年を経て、ゼミがもたらす多大な効果を実感していると西村先生は話します。

「生徒自身が興味のある分野を主体的に学ぶので、探究力やプレゼンテーション能力、論理的に説明する力が著しく伸びていると感じます。ゼミでの体験を通して、人見知りだった生徒が人前で話せるようになったり、大学の哲学セミナーに自ら参加するようになったりと、生徒の成長に大きな影響を与えています。
 ゼミを通して生徒の興味の方向性が把握できるので、教員はより的確な進路指導が可能になりました。また、ゼミでの対話を重ねることで、生徒間に深い友情も生まれています」

総合型選抜入試による
難関大学合格者が増加
2022年度 高2特進コース
『少人数ゼミナール』一覧
  • 『幸せ』とは何かを考える
  • 哲学
  • 環境共生「持続可能な社会の実現」へ向けて
  • 「クリント・イーストウッド監督作品」を通しての一考察
  • 自然科学をテーマにして内容は自分たちで決定し、調査や実験を行い発表する(科学論文をどう書くか)
  • コトバを楽しもう! 言語教育を一緒に考え直そう
  • さあ「Doing History」をはじめよう!
  • 女性のライフスタイル研究
  • 先端技術(ハイテクノロジー)を探究する
  • 数学と生活

 同校では以前より、高校・国際コースにてPBL(課題解決型学習)など探究的な学びに注力してきました。高校・特進コースにも探究学習であるゼミを導入した理由について、西村先生は次のように話します。

「大学の総合型選抜は、今後ますます多様化していくと思われます。試験内容も『自分で課題を見つけ、解決方法を英語で論じなさい』『自分の考えを述べなさい』というように、課題を論じる形式が増えています。これはまさにゼミで行っている学びです。難関大学の総合型選抜入試で合格を勝ち取る生徒が増えてきたのは、ゼミをはじめとする本校の探究学習の成果だと言えるでしょう」

 2023年度からは、ゼミと連動する形で、『キャリアデザイン』の授業も導入する予定です。

「この授業時間を使って、教育提携校である成城大学や上智大学、東京都市大学はもちろん、自分が興味をもつ大学のオンラインなども含めた授業を受講します。今後は、高大連携をより強化し、探究学習とキャリアデザインのさらなる充実化を図っていきます」

乙女祭では、生徒一人ひとりが探究の中間報告をポスターにまとめ、発表します。

乙女祭では、生徒一人ひとりが探究の中間報告をポスターにまとめ、発表します。

授業レポート
『幸せ』とは何かを考える」ゼミ
幸福度を測るアンケートを思索

 国語科の楓先生が開講する「『幸せ』とは何かを考える」ゼミでは、「幸福度は客観的に測れるものなのか、どうすれば幸せになれるのか」という問いに対し、ゼミの生徒たちが夏休みに行うリサーチの準備に大忙し。「若くして死ぬことは不幸なのか」「外部の刺激によって幸せホルモンを増やす方法」といった各自が立てた問いに対して、幅広い年齢層の人に答えてもらうアンケートを作成中でした。

 ゼミの魅力について生徒に聞いたところ、「普段なら考えないことを考察する非日常の時間であり、人生について、自分について深く考えることができる時間です」と自身の意見をしっかりと話してくれました。

協働して取り組む経験が多く積めるのも、ゼミの特徴のひとつです。協働して取り組む経験が多く積めるのも、ゼミの特徴のひとつです。
自分たちでアンケートを作成し、夏休みを利用して、リサーチを行います。回答してもらえるような文面を懸命に考えます。自分たちでアンケートを作成し、夏休みを利用して、リサーチを行います。回答してもらえるような文面を懸命に考えます。
「哲学」ゼミではVR体験を踏まえ
AI社会の未来を語り合う
自分の考えをしっかりと論理立てて話す生徒たち。教員の指導で、徐々にスキルを磨いていきます。自分の考えをしっかりと論理立てて話す生徒たち。教員の指導で、徐々にスキルを磨いていきます。

 教頭の西村先生は「哲学」のゼミを担当。2022年度の1学期には、「幸せとは何か?」「自由って何だろう?」などのテーマについて自由に語り合う「哲学カフェ」を実施し、意見を述べ合いながら思考を深めました。

 取材当日のゼミは、「テクノロジーと人間の在り方」がテーマ。前の週のゼミではAI研究者を招き、AI搭載のVR装置を身につけて仮想世界を体験。今回はその体験をもとに、AIとの共存や社会への影響について意見を出し合いました。

 生徒にゼミの感想を聞くと、「調査を通して先人の研究や思想に触れたり、ほかの人の意見を聞いたりすることで、自分の視野の狭さに気づき、もっといろいろなことを知りたいと思うようになりました」「問いを立てることで自分の考えが明確になり、自分を知ることができました」など、そのほとんどがポジティブなものでした。

「AIが人間を超越するのでは?」という生徒の発言に対して、「AIが人類の知能を超える転換点を何というか知っていますか?」と尋ねる西村教頭先生。答えはシンギュラリティ。生徒たちは新たな知識を教わりながら思考を深めていきます。

「AIが人間を超越するのでは?」という生徒の発言に対して、「AIが人類の知能を超える転換点を何というか知っていますか?」と尋ねる西村教頭先生。答えはシンギュラリティ。生徒たちは新たな知識を教わりながら思考を深めていきます。

(この記事は『私立中高進学通信2022年11月号』に掲載しました。)

佼成学園女子中学校  

〒157-0064 東京都世田谷区給田2-1-1
TEL:03-3300-2351

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