探究型3カ月ターム留学 セブ島海外研修を新設

私立中高進学通信

2022年11月号

未来を切り拓くグローバル教育

東京純心女子中学校

探究型3カ月ターム留学
セブ島海外研修を新設

希望者全員が参加できる2つの海外留学が始動

写真は2019年度、オーストラリアの姉妹校・キャロライン・チザム・カレッジの研修で一緒に過ごした様子です。
コロナ禍で止まっていた留学が2023年度より再スタートします。

『FYMプロジェクト』の
理念に則った海外研修

　カトリックミッション校である東京純心女子は、『神様にも人にも喜ばれる、清く、賢く、優しい女性の育成』を建学の精神としています。

　この精神のもと、2023年度からは、カリキュラムを一新し、『FYM（Find Your Mission）プロジェクト』をスタートさせます。

『Find Your Mission』とは「あなたの使命（Mission）を見つけなさい」という意味です。自らの才能や可能性を発見し、得意分野を活かした「使命」を見つけ、進むべき進路へとつなげるために、『FYMプロジェクト』では、探究活動やボランティア、地域貢献、高大連携による研究体験や出前授業など、さまざまな学びや体験を用意しています。

　プロジェクトの始動に伴い、英語力や異文化理解力を磨く留学制度や海外研修が新設されました。同校の高校には、難関国公立大や最難関私大をめざす『特進プログラム』コースと、国公立大や難関私大に加え看護医療系や芸術系の大学をめざす『セレクトデザイン』コースの2つのコースがあります。『特進プログラム』では、希望する生徒全員が参加できる『探究型3カ月ターム留学』が新たにスタート。高1の1月から3カ月間、オーストラリアの家庭にホームステイしながら、現地校に通学して授業を受けます。

「これまでは選抜制の交換留学を行ってきましたが、『FYMプロジェクト』の理念に則り、希望者が全員参加できるターム留学を『特進プログラム』に新設しました。この留学の大きな特色は、自分でテーマを決めて現地で探究活動をすることです。現在、生徒同士で意見を交換しながら、テーマを練り上げています。留学には東京都私学財団からの補助金を利用するほか、学園が補助するため、往復航空運賃や授業など、留学の基本費用が実質無料となります（※）」（英語科／新垣志乃先生）

※現地での授業料、ホームステイ費用、往復航空運賃は都私学財団からの補助金でカバーできます。その他、海外留学生健康保険・制服・現地での交通費などの実費（30～40万円）は保護者負担となります。

異文化理解を目的とした
セブ島への海外研修も実施

　一方、『セレクトデザイン』では、これまで行ってきた選抜制の交換留学『キャロライン・チザム・カレッジターム留学』を継続して実施し、これに加えてフィリピン・セブ島で異文化体験を主とする『セレクトコース海外研修』を新設しました。『セレクトデザイン』の生徒は希望すれば全員が参加できます。

「異文化理解に重きをおいて、1週間をセブ島で過ごします。現地の大学生等との交流、スラム地域の訪問など英語での交流を通じて世界に向けて視野を大きく広げる体験をして、世界を知るきっかけづくりにもしたいと考えています」（英語科／西口翔子先生）

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現地で探究活動に挑む『特進』探究型ターム留学

高1の1月から3カ月間オーストラリアで学ぶ

友だちもたくさん！英語力と異文化理解力を磨きます

　生徒一人ひとりの将来への希望実現をさらに強力にサポートするため、2020年度より高校に『特進プログラム』と、『セレクトデザイン』の2コースを設置しています。『特進プログラム』は希望者全員参加の3カ月間ターム留学や国公立大学や難関私立大学への合格を勝ち取るためのさまざまなサポートが特徴で、このコースへの進学を希望して、中学から入学する生徒は少なくありません。

　ターム留学はオーストラリアのクイーンズランド州政府の全面協力により、現地の公立高校に留学。1つのクラスに生徒1人で入り、現地校の生徒の家庭にホームステイしながら、約3カ月間授業を受けます。英語しか通じない環境ですが、留学生の受け入れ態勢が整った現地校やホームステイ先なので、主体性や自立心を養いつつ、安心して学習に打ち込むことができます。

　さらに、2023年度からは、テーマ探究を盛り込み、生徒自ら現地の人たちにインタビューをしたり文献を収集したりする探究活動を行います。現地校のサポートを受けながらの探究活動は、生徒をさらに大きく成長させるでしょう。

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セブ島で英語研修と異文化理解

『セレクトデザイン』コースの希望者全員が参加可能

オンライン英会話で語学力向上

　高校の『セレクトデザイン』では、希望者が全員参加できる『セレクトコース海外研修』が新設されました。2学期に1週間、フィリピンのセブ島で実施され、日本とは異なる社会と文化を直接体験します。現地での交通費などを除いて基本的に費用は無料。経済的な負担も少なくて済みます。

「現地の大学生や大学付属高校の生徒と英語で交流するなど、楽しみながら英語を使うことができます。そのために、出発まで英語を実際に「使う」体験を増やします。参加する生徒は皆、この研修に行くことをとても楽しみにしています」（英語科／西口先生）

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姉妹校で多彩な活動に参加

『セレクトデザイン』の選抜制ターム留学

姉妹校の行事や農作業にも参加
英語での生活や文化を体感

『セレクトデザイン』コースでは、英語のプレゼンテーションと日本語の面接により選抜された2名が、姉妹校であるオーストラリア、シドニーのキャロライン・チザム・カレッジに2カ月間ターム留学します。現地での授業料は無料。都私学財団からの補助金を利用するため、保護者が負担する実費は5～10万円程度です。

　姉妹校の家庭に1人でホームステイして、カレッジに通います。現地の生徒がバディとなって学校生活をサポートしてくれるほか、日本語の授業に参加して生徒に日本語を教える体験も行います。

先生から一言

海外で問題解決能力も鍛えます

『特進プログラム』の『探究型3カ月ターム留学』は、生徒一人ひとりが自分なりの研究テーマを決めて事前学習を進めたうえでオーストラリアへと旅立ち、現地の人たちと対話を重ねながら調査を繰り返して結論を導き出していきます。

　留学先で探究活動を行うのは、生徒にとって大きなチャレンジだと思いますが、取り組むことにより、英語力だけでなく、現地の人たちに協力を頼むなどの経験をすることで、問題解決能力も鍛えられると考えています。（英語科／新垣志乃先生）

自分の「使命」を見つけるきっかけに

『セレクトコース海外研修』で訪れるセブ島は、貧富の差が激しい地域ですので、スラムでは衝撃を感じるほどです。研修では貧しい人々が暮らす『海上スラム』と呼ばれる地域や、人々がつつましい生活を送る山村も訪れます。生徒たちには、世界には日本の価値観が通じない場所があることを肌で感じてもらい、この研修をきっかけに、貧困問題を解決するためには何ができるのかを考え、自分の進路や「使命」を見つけるきっかけにしてほしいと願っています。（英語科／西口翔子先生）

（この記事は『私立中高進学通信2022年11月号』に掲載しました。）