自宅学習のやり方を
主要教科の教員が指導

中1 ダンス部 Kさん

「中村に入学したきっかけは小学6年生の時、文化祭の『清澄祭』に来て、学校の雰囲気がよく、先輩方もやさしそうで魅力を感じたからです。『清澄祭』ではダンス部のステージも見ました。ぴったりと息の合った先輩たちの姿に憧れて、入学してからダンス部に入部しました」

　元気いっぱいに語るのは中1のKさんです。同校では入学式の前に『新入生登校日』があります。その時、周りは知らない顔ばかりで、Kさんは友達ができるか不安でした。しかし、今では「クラス全員と仲良しです」と笑顔で話します。

　入学式の後に待っているのは『オリエンテーション』です。Kさんの担任であり、中1の学年主任を務める中村公俊先生にお話を聞きました。

「『オリエンテーション』では、ゲーム形式で自己紹介をして楽しむなど、クラスメートの顔と名前を知るとともに、緊張感を少しずつ解きほぐしていきます」

　Kさんはこの『オリエンテーション』で、『新入生登校日』の際に顔見知りになった生徒がクラスメートとなっていることに気づきました。そして「あっ、あの時の？」と驚き、再会を喜び合ったそうです。

『オリエンテーション』に続いて行われるのが『学習オリエンエーション』。主要教科の力である『認知型学力』を身につけるためには自学自習を習慣づけることが必要になります。この『学習オリエンテーション』では、1週間をかけて新入生が主に自宅でどのように勉強すればよいかを学び、塾学習から家庭学習への転換を図ります。

「国語・数学・英語の3教科を中心にして、授業の受け方、ノートの取り方、自宅学習のやり方などを、各教科の教員がきめ細かに指導していきます。そして『では、実際にこの教室を自宅だと思って勉強してみましょう』と言い、新入生に自学自習をしてもらいます」（中村先生）

　Kさんは『学習オリエンテーション』で学んだ成果を次のように振り返ります。

「中村に入学して自分で勉強するやり方とその大切さがよくわかりました。たとえば、英語なら授業用のノートとは別に自学自習用の『Eノート』を用意します。このノートに覚えなければならない単語のスペリングを書いて練習します。1週間に10ページ以上書きます。こうして自学自習に励むことで、ダンス部と勉強との両立もでき、初めての中間テストでは想像以上に良い点数が取れました」

クラスや学年の結束を
さらに強める『研修合宿』

中1担任 中1学年主任
理科（物理）中村公俊先生

『学習オリエンテーション』の後には5月に『体育祭』が、6月には2泊3日の『研修合宿』が行われます。どちらも同校が『認知型学力』とともに重要視する、考えて行動する力などの『非認知型智力』を高めるためです。

「『体育祭』は学年を縦割りにして競い合います。この時点では、まだまだクラスや学年の団結力は弱く、チームとして機能していません。そこで、次に『研修合宿』を行い、クラスや学年の結束をさら強めていきます。この合宿では、さまざまなアクティビティを通して信頼関係を築くとともに、協力するスキルを養うPA（プロジェクトアドベンチャー）に挑戦します。

　たとえば、シーソーのように揺れる大きな板の上に20人が乗り、板が地面に着かないようにみんなで意見を出し合い、平行を保ちながら、カエルの歌を歌い切るという課題をクリアしていきます」（中村先生）

　このように絆を強めたうえで、2学期は『深川めぐり』や『清澄祭』を楽しみます。

　同校に入学後、自分がどのように成長できたと思うか、Kさんに聞きました。

「中村が大好きになり、この学校の魅力を皆さんに伝えたいと思い、『中村アンバサダー』の一員になりました。『中村アンバサダー』は、学校説明会に来た受験生たちに校内を案内したり、スライドを作って学校生活を紹介したりします。この活動やほかの行事を通して責任感が生まれました。また、みんなの意見に耳を傾けながら力を合わせることの大切さも学べて、成長できた気がします」

（この記事は『私立中高進学通信2022年11月号』に掲載しました。）