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私立中高進学通信

2021年4・5月合併号

校長が語る 自立へのプロセス

玉川学園中学部

「あらゆる学びが『全人教育』を支え
『自学自律』の精神を育てます」

中3生が4月から行ってきた探究学習を、ポスターにまとめて発表する『学びの技のポスターセッション』(写真は2019年開催時の様子)。毎年10月に校舎1階のアトリウムに全員のポスターがパネル展示され、保護者や同級生、先輩たちを前にプレゼンテーションします。わかりやすい言葉で伝えることの大切さを体験した後、この成果を盛り込んで論文の執筆に取り掛かります。

中3生が4月から行ってきた探究学習を、
ポスターにまとめて発表する『学びの技のポスターセッション』(写真は2019年開催時の様子)。
毎年10月に校舎1階のアトリウムに全員のポスターがパネル展示され、
保護者や同級生、先輩たちを前にプレゼンテーションします。
わかりやすい言葉で伝えることの大切さを体験した後、この成果を盛り込んで論文の執筆に取り掛かります。

五感を通じた表現活動と
“玉川しぐさ”
中西 郭弘(なかにし・かつひろ)校長先生中西 郭弘(なかにし・かつひろ)校長先生
1966年北海道生まれ。1989年、玉川大学卒業。同年4月、玉川学園中学部に数学教員として着任。以降、中学部・高等部の両部で教鞭を執る。2019年4月、中学部長に就任し、同学園中学部を統括。

 1929年の開校以来、玉川学園では『全人教育』を教育理念の中心とし、個性の尊重や国際教育などとともに、自らを律しながら自立して学ぶ『自学自律』の精神を大切にしています。

 同学園の中学部長を務める中西郭弘先生は、「『自学自律』は、玉川学園の全人教育において、重要な教育信条のひとつであり、中学における2つの教育目標は、そのまま生徒の自立にもつながる」と話します。

「1つ目の教育目標は “本物に触れる教育”の実践です。 “触れて感じて表現する活動”は、人間としての深みを得るための玉川学園の教育の本質です。教員にも折に触れ、授業のあらゆる場面で生徒の五感に働きかけ、自ら表現する意欲を育む指導をして欲しいと言い続けています。
 もうひとつは、丸みのある大人になるために、社会全体を考えながら、気の利いた立ち居振る舞いができる “玉川しぐさ”を身につけることです。中学では、週番制で最寄り駅から通学路の美化運動などを長年実践しています。こうした活動や生徒の主体性を育む学びを多面的に実践することで、生徒自身の中に自立の心を育てていきます」

創立当初から続く『自由研究』が
自発的に学ぶ心を養う
自立のための3つのポイント
  1. 刺激 刺激を与える多くの体験
  2. 役割 役割を与え育てる仕掛け
  3. 多くの体験より大きな夢

『自学自律』の学びを最も具現化しているのが『自由研究』です。近年、とくにその重要性が語られている探究学習ですが、同校では創立当初から探究学習を実践してきました。教科学習や芸術、スポーツなどあらゆる分野から、生徒それぞれが自らの興味・関心に基づいたテーマを決め、自発的に1年間を通して探究していきます。

「中高の自由研究は6年間を3段階に分けて進めています。例えば中1・中2では、習字・英語劇・数学の統計・生物のサンゴの飼育・音楽の吹奏楽や作曲・スポーツ科学など、教科発展型の学びを通じて、興味や関心を伸ばすことを重視しています。
 中3では、『学びの技』という独自の授業を通じて論文作成のスキルを学びます。自身のテーマを約3000文字ほどの論文にまとめ、ポスターセッションも行い、プレゼンテーション能力も伸ばしていく取り組みです。その力をもとに、高校ではより深いテーマを掘り下げた課題研究型の自由研究へと発展させていきます」

 自由研究の成果は、生徒が委員会を発足して主体的に企画・運営を行う『玉川学園展』で発表します。優秀な研究は校外の大会や各種コンテストへの参加にもつながっています。さらには将来を考えるキャリア教育とも結びついていると中西先生は言います。

「6年間励んだ自由研究を大学などでも継続し、自らのキャリアにつなげた卒業生が多くいます。米作りを研究し『農業の発展に尽力したい』と農業に関連する職に就いた生徒、芸術大学に進み画家や彫刻家として活躍する生徒、ミュージカルを続けてプロの劇団で活躍する生徒、クラシックバレエでスカラシップを獲得し海外で活躍する生徒など、自由研究をきっかけに、かけがえのない夢を見つけています」

国際教育の場でも
主体的に学べる場を用意

 同学園は国際バカロレア(IB)(※1)のミドル・イヤーズ・プログラム(MYP)(※2)とディプロマ・プログラム(DP)(※3)の認定校として、2007年から『IBクラス』を展開しています。

 また、同学園は創立当時から英語教育と、国際感覚を磨く多彩な国際教育プログラムの実践に力を注いできました。

「玉川学園は、日本で最初に国際的な私立学校連盟・ラウンドスクエアの正式メンバーとなり、国際会議にも参加しています。
 中2ではカナダにある玉川学園キャンパスでの研修をはじめ、アメリカ東部研修、ハワイ・プナホウ校訪問研修などを実施しています。また、中3からは生徒が探究したい社会問題に応じて、南アフリカ共和国、ヨーロッパ各国などから行き先を選べる研修も多数用意しています。このように海外でも自発的・主体的な学びの場を設けてきました。
 コロナ禍においても、こうしたプログラムで結んだ海外との絆は、オンラインでの交流など、さまざまな形で活かされています」

※1 国際バカロレア(IB)…世界基準で活躍できる人材育成を目標に、国際バカロレア機構(本部はスイス・ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラム。IBは「International Baccalaureate」の略。

※2 ミドル・イヤーズ・プログラム(MYP)…11~16歳を対象に、生徒の知的・社会的な発達を促し、創造的な学びを行えるようにIB機構が練り上げたプログラム。MYPは「Middle Years Programme」の略。

※3 ディプロマ・プログラム(DP)…16歳から19歳を対象とした2年間の課程で、所定の成績を収めると国際的に認められる大学入学資格が取得可能。DPは「Diploma Programme」の略。

生徒が自主的に企画・運営する多彩な学校行事

 学校行事や日々の学園内活動でも主体性を育んでいます。生徒がすべての企画・運営を取り仕切る文化祭『ペガサス祭』や、中1生が委員会を発足させ、自分たちで起床・就寝の時間などの細かいルールを決めて実施する『スキー学校』、幼稚園生から高校生までが全員参加し、先輩が後輩を指導していく『玉川学園体育祭』など、主体性や自立心を養う機会をたくさん設けています。

「普段の学校生活でも、生徒の自主性を大切にしています。それぞれの委員会でより良い生活環境づくりのために校舎管理や朝会の運営、校内外の美化労作を自主的に行うシステムを長年続けています。
 あらゆることを自分で考えながら経験することで、生徒が自立し、枠を超えた大きな夢をもってもらいたい。多くの物事に触れ、感じ、表現する生徒をこれからも育んでいきます」

中3~高3生を対象に、南アフリカ共和国を訪れる『アフリカン・スタディーズ』(写真左)、
スイス、ポーランドなどを訪れる『ヨーロピアン・スタディーズ』(写真右)など、
多彩な国際交流プログラムを例年実施しています(2020年度はコロナ禍により中止となりました)。

自立のための取り組み
『学びの技』で“研究”の方法を徹底学習
優秀な論文を集めた『学びの技 論文集』は、次の中3生が論文を作成する際のお手本にもなります。優秀な論文を集めた『学びの技 論文集』は、次の中3生が論文を作成する際のお手本にもなります。

 玉川学園独自の授業『学びの技』は、高校でのハイレベルな課題研究で必要とされるスキルを、身につけることができる授業です。

「中3生は、マインドマップの書き方から、研究テーマの見つけ方、具体的な研究方法、研究資料の集め方やプレゼンテーション資料の作り方まで、教員が執筆したオリジナルテキストをもとに、1年間をかけて学びます。
 その成果をもとに研究を進めて、論文を作成し、優秀な論文は『学びの技 論文集』として製本・配布します。探究したいテーマを突き詰めて調べた経験や取り組みで得たスキルは、大学生、社会人になったときにも非常に役立ちます」(中西先生)

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