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私立中高進学通信

2023年8月号

注目! News and Topics

狭山ヶ丘高等学校付属中学校

常に自己を観察して実力を見つめ直す
難関大合格の道標は「自学自習」の姿勢

母校の校舎には、犬竹さんの東大現役合格を祝った懸垂幕がかけられていました。

母校の校舎には、犬竹さんの東大現役合格を祝った懸垂幕がかけられていました。

目標を実現するために
必要なことを整理

 心の教育「内観」の精神を重視し、「自己観察教育」を実践している同校。中高6年間の一貫教育を通して生徒たちが「自学自習」の姿勢を身につけることで、2022年度も国公立大学44名をはじめ、難関私立大学への合格者を多数輩出しています。

 この春、同校のⅠ類クラス(難関国立進学コース)から東京大学文科三類に進学した犬竹真咲さんも、その一人。まさに自学自習で、常に自分の実力の現在地を見つめ、何が足りないかを把握して日々の学習にフィードバックし続けたといいます。同校に入学して良かったと語る犬竹さんに、学習への取り組み方を中心に、中高6年間を振り返ってもらいました。

 犬竹さんが同校に入学した理由は、授業開始前の午前7時台に行われるという独自の学習プログラム「朝ゼミ」に引かれたからだといいます。

「中学に朝ゼミがあることが決め手になり狭山ヶ丘に入学しました。小6の時、中学生になって部活動で朝練を始める人がいるように、自分は朝ゼミで勉強する中学生活を送りたいと思ったんです。入学後は、朝ゼミはもちろん、放課後ゼミ、夏期・冬期講習、英検対策講座など、授業以外にも数多くの勉強する機会に恵まれ、充実していたと思います」

 大学受験への準備を始めた時期は明確ではないそうですが、中3から高1にかけて模試などを重ねていくうちに、受験に対する心構えが自然に芽生えてきたそうです。

「高1で行われた共通テストの同日体験受験で実際に問題を解いた時、『よし、東大をめざそう!』という気持ちになりました。日々の受験勉強で気をつけていたのは、あまり意味のないものに時間を使わないようにすること。PCで表を作成し、科目ごとに目標点数と現状の点数との差を算出して、目標点を獲得するためには、いつまでにどのようなことができていればよいのかを整理しました。『数学の目標点に対し、ほかの科目はこのくらいであれば今年の東大の合格点に達する』などのシミュレーションを重ねながら、受験に向けて必要なことと不必要なことをはっきりさせていきました」

 日々の学習のベースは学校においていたという犬竹さん。Ⅰ類クラスの仲間の存在も大きかったそうです。

「高3になってから、友人たちと学校に残って勉強しようということになり、みんなで校長先生にお願いして、自習室を夜9時まで開放していただきました。夏休み期間などに友人たちと『みんなで一緒に頑張るぞ!』と切磋琢磨できたことも良い思い出です」

入試会場でも実践した
自己を見つめる「黙想」
高校図書館には、自学自習には欠かせない136席の自習室が併設されています。高校図書館には、自学自習には欠かせない136席の自習室が併設されています。

 学習の進度をはじめ、客観的に自己を分析して、その後の行動指針を導き出していく犬竹さんの姿勢は、まさに同校が実践する「自己観察教育」を体現するかのようです。中学で行うマインドマップの作成、内省する力を育むために授業の始まりに行う「黙想」、茶道の授業といった同校の特徴的なプログラムも、犬竹さんは糧としていきました。

「自分は何がしたいのか、何に興味があるのかを考える機会が定期的にあります。『黙想』は、実際の入試会場でも実践しました。試験用紙が配られる時間は、何もすることがありません。会場は広くほかの受験生も大勢いて、緊張感から不安も募りますので、自分がやるべきことに集中できるよう目を閉じて心を落ち着かせました。試験本番でも『黙想』が普段通りの自分を保つうえで助けとなりました」

 コロナ禍の高1の時期は、オンラインで行われた高2生対象の英語のクラスルームゼミにも参加、先輩たちに交じり、英作文などの受験問題に取り組むなど、常に課題を発見・克服し、校内でトップクラスの成績をキープしていたという犬竹さんですが、決して勉強一辺倒の生活だったわけではありません。部活動は漢詩俳句同好会に所属。生徒会活動にも従事し会計や監査を担当しました。コロナ禍で満足に実施できなかった「狭丘祭(文化祭)」も高3の時には無事開催。クラスメートと協力したオリジナルマスクを作る企画がとても楽しかったと振り返ります。担任の後藤礼於奈先生からはいつも「ちゃんと学校生活を楽しんだほうが良いよ」と言われていたそうです。

生徒会役員として狭丘祭や生徒会選挙の準備をした、思い出の生徒会室の前で。生徒会役員として狭丘祭や生徒会選挙の準備をした、思い出の生徒会室の前で。

「狭山ヶ丘は先生方も生徒も真面目で優しい人が多く、そのような人たちと一緒に学校生活を送れたことが楽しかったです。先生方は面倒見がよく、何でも話を聞いていただき、折りに触れて学習面でのアドバイスをくださるなど、お世話になりました」

 将来の進路はまだ模索中とのことですが、東大では現在興味が膨らんでいる心理学を学びたいという犬竹さん。最後に同校を志望する未来の後輩たちへのメッセージをいただきました。

「僕は中学受験をして本当に良かったと思っています。入学後の皆さんには、勉強をきちんとやってきた意欲の高い仲間がいます。周りは優しい人、好奇心が強い人、面白い人ばかりで、そのような先生方や友人たちと一緒に日々を過ごすことは貴重な時間となります。中学、高校でしっかり勉強がしたいと考えている人であれば、中学受験を頑張って狭山ヶ丘に入学することで、その後の中高6年間の生活が変わると思います」

担任の先生に聞きました!
高2からⅠ類クラスの担任だった後藤礼於奈先生(理科〈物理〉)と。高2からⅠ類クラスの担任だった後藤礼於奈先生(理科〈物理〉)と。

 教員として何より大切にしているのは、生徒たちに学校生活を楽しいと思ってもらうことです。

 犬竹くんは知的好奇心が旺盛で、型通りの勉強ばかりしているタイプではありません。いろいろなことに興味をもち、それを突き詰めていました。学習面では「最低限これくらいはやらなきゃ」という自ら設定したラインを常に意識しながら頑張れる、自分でしっかりと考えられる生徒でした。

 生徒たちには目標を定めること、自分の現状を理解し、自ら考えることを大事にするよう話しています。本校の生徒たちの特徴は、塾に通う生徒の割合が少ないことです。塾を利用する場合でも全てを委ねず、自分にとって必要な科目だけを選択する生徒が多いのです。この春に卒業した犬竹くんと同じ代のⅠ類クラスでは、ほとんどの生徒が自己観察からの自学自習で、大学入試を突破しています。(後藤先生)

進学通信 2023年8月号
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