私立中高進学通信
2023年8月号
中1の始め方
日本大学豊山中学校
男子校らしいのびのびした環境で
自立心を育てる

2023年度の新入生は238名。6クラスでスタートしました。
中1担任の先生のうち、何人かは高3まで持ちあがりで担任を務める予定です。
日本大学の『自主創造』の理念の下、「生徒に任せて、自分でやらせてみること」を重視。試行錯誤して乗り越える経験やさまざまな人々との関わりのなかで、生徒の自主性と人間性を磨いていきます。
手助けしすぎず
任せてみることを重視

川原亮介先生
日本大学唯一の男子付属校として、「強く 正しく 大らかに」を校訓に、質実にして剛健なる男子の育成に取り組んでいる同校。生徒たちは、男子校ならではののびのびと過ごせる環境で、互いに切磋琢磨しながら学校生活を送っています。
「一般的に、男子は女子に比べて成長がゆっくりだと言われています。異性の目を気にすることのない環境で、等身大・自然体で生活し、その子らしいペースでの成長を尊重できるのが、男子校のメリットのひとつだと思います」と中1担任の川原亮介先生は話します。
とはいえ、大人への第一歩を歩み始めるのが中学生。川原先生は、今年度入学した新入生に「小学校と同じような子ども扱いはしない」と伝えたそうです。
「大人になるということは、自分の言動に責任をもつことです。中学生になった生徒たちにも『責任をもつ』ことを意識させるようにしています」
そのために大切なことは、「手を貸しすぎず、生徒に任せてやらせてみること」。結果的に失敗をしたとしても、そこから得る学びは大きいといいます。
「例えば、初めての定期試験に関しても、“自分でやってみる”“乗り越えてみる”経験を大切にしています。もちろん、フォローやアドバイスもしますが、まずは自分の力でやってみて、何がわからないのか、どこでつまずきやすいのかを生徒自身が把握し、どうしたらよいのかを考えて学習を進められるようになることが重要です」
大人が先回りをしすぎると、生徒はそれを期待して、自分で考えて行動することをやめてしまいます。一方、生徒自身に任せてみると、時間はかかっても自分なりの解決方法を見いだしたり、生徒同士で助け合ったりするなどの工夫が見られるようになるそうです。これは、日本大学の理念でもある『自主創造』の精神でもあります。
「本校は勉強だけではなく、部活動も盛んで、ほとんどの生徒が何らかの部に所属し、熱心に活動しています。初めは勉強と部活動の両立に戸惑う生徒もいますが、それを言い訳にしてほしくはないと伝えています。勉強も友達との人間関係も、初めは失敗して当たり前なので、まずは自分でやってみて、自分の力でものごとに向き合うことで得る学びを大切にしてほしいと思っています」

進路への意識が
自主性につながる

中高6年間のなかで、先生方は生徒をフォローする割合を減らして、徐々に手を放していきます。幼さがなかなか抜けなかった生徒も「進路を見定める頃になると、見違えるようにしっかりしてくる」と川原先生は話します。
「中学生の段階では、『職業考察(中1)』や『職場訪問(中2)』などのキャリア教育を行います。ただし、それ以上に親大学の日本大学に、あらゆる職業につながる多様な学部があることも、生徒たちが将来設計を考える大きなヒントになっているような気がします。進路を具体化する時期になると、どの生徒も希望進路を実現するためには、どのようにしたらよいのかと真剣に考えます。それが自立していくきっかけになることもあります」(川原先生)
6年間の中高生活で、生徒たちは心身ともに大きく成長していきます。中3と高3の保護者を対象とするアンケート結果によると、同校に入学して『規則正しい生活ができるようになった』『積極的に勉強する習慣がついた』と自主性に関する成長が感じられるようになったという声が多いそうです。
「本校は、学力だけではなく、挨拶や言葉遣いなど、社会人として求められる基本的な習慣の指導も徹底しており、来校いただいた皆さまから、『生徒が気持ちの良い挨拶をしてくれる』とお褒めいただいております。また、卒業生が卒業後も友達付き合いを継続できている様子が見られるのもうれしい限りです。男子校ののびのびと過ごせる環境で、充実した学校生活を送り、自主性や人間性を磨いてほしいと思います」


自分が好きな活動に打ち込む部活動。運動部だけではなく、学芸部も活発に活動しています。
写真は、中学体操部と鉄道部。


男子同士で話が合うから、気持ちが通じ合う友達がたくさんできます。
写真は、体育大会と、葛西臨海公園での中1校外学習の様子。
(この記事は『私立中高進学通信2023年8月号』に掲載しました。)
日本大学豊山中学校
〒112-0012 東京都文京区大塚5-40-10
TEL:03-3943-2161
進学通信掲載情報

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