私立中高進学通信
2023年11月号
校長先生はこんな人!
佼成学園女子中学校
学力だけでなく人間力の育成も大切に
女性に備わる特性を活かす形で
社会に貢献できる人になってほしい
榎並 紳吉 (えなみ・のぶよし)校長先生
1954年、東京都生まれ。
佼成学園中学校・高等学校、日本体育大学卒業。
大学在学時は全日本学生選手権で優勝するなど、ソフトテニスの選手としても活躍。
大学卒業後は体育科教員として母校・佼成学園に奉職、その傍らで日本体育大学のソフトテニス部コーチなども務める。
2023年3月まで16年間にわたり務めてきた佼成学園の校長を退任し、4月から佼成学園女子中学校・高等学校の校長に就任。
中高時代から母校である
佼成学園の教員をめざす
私は佼成学園に在学していた中3の頃から教員をめざしていました。中1からソフトテニス部に入部し、中2の後半からは後輩の指導に当たるようになり、そこで教える楽しさに気づいたことがきっかけになりました。
中高時代から佼成学園の先生方が大好きで、自分の母校に誇りと愛着を感じていました。佼成学園には自分のことを認めてくれる居場所があり、先生は自分にとっていちばんの理解者だと感じていたのです。そこで『体育の教員として佼成学園に戻ってくること』を将来の目標として掲げるようになりました。
高1の時にその目標を担任の先生に伝えたところ、喜んで応援してくださり、日本体育大学への見学を勧めていただきました。それを機に志望大学と定め、高校時代は見据えた将来の目標に向かって充実した学校生活を送りました。
大学に入学してからも、一貫して母校の佼成学園で教員になることを目標としていました。そのために必要な知識やスキルを学ぶ一方で、中学から続けてきたソフトテニスで日本一になることを目標に、『どんな努力も厭わない』との意気込みで練習に打ち込み、実績を残すこともできました。そして、3週間にわたる教育実習の最終日に佼成学園の教員採用が決まり、大学卒業後すぐに就職しました。
教員は教えすぎず
コミュニケーションで生徒を支える
佼成学園の教員になってからも、大学時代の恩師には大変お世話になりました。教員として多くのことを学ばせていただき、今でも尊敬する人物です。恩師は日本体育大学ソフトテニス部や全日本ナショナルチームの監督を務めた人物で、数多くの選手の指導に当たっていました。そこで大切にされていたのが、 “教えすぎない”ことです。
選手にいくつかの選択肢を与え、その中から自分に合ったスタイルを探させることによって、技術の定着を図っていく。そうやって一流の選手を育て上げていました。
中高の教育現場においても、教員はサポート役に徹することが大切だと思います。加えて、コミュニケーションもポイントです。生徒が自分で物事を進められるようにヒントを与えたり、モチベーションを上げたりと、一方通行にならないよう留意しながら、細やかにコミュニケーションをとることが大切なのです。そうすることで主体性や思考力、創造力、コミュニケーション能力などが自ずと身についていくと思います。
女子の特性を活かした
人間性の育成を大切にしたい
佼成学園には男子校・女子校がありますが、両校ともに「円満な人格の完成」という建学の精神、そして教員と生徒、あるいは生徒同士のコミュニケーションを何よりも大切にする校風は共通しています。円満な人間関係の中でこそ、社会で必要とされるコミュニケーション能力や協働する力などが育っていくのだと思います。
40年間男子校に勤務してきて、女子校に赴任するのは初めてですが、生徒に満足してもらうためならどんな苦労も厭わないという先生方の気質や、コミュニケーションを大切にする風土が根付いていることを日々感じています。
佼成学園女子の生徒には、充実した英語教育や豊かなコミュニケーション力といった女子校ならではの長所をもっと伸ばし、これからの社会に貢献するリーダーになってもらいたいと願っています。
グローバル社会において “男女同権”は言うまでもありませんが、本校の生徒たちには、男性と同じやり方で活躍するのではなく、女性に備わる優しさや品性といった特性を活かす形で活躍できる人になってほしいと考えています。
何より大切にしたいのは、人間性の部分です。どんなに英語が上手でも、プレゼンテーション能力が高くても、他人に好かれないような人間性では、円満な人間関係を築くことはできません。
また、これは私自身がそうであったから言えることなのですが、母親の人間性は家庭教育においても非常に重要な役割を果たすと考えています。もちろん女性にとって結婚・子育てが全てではありませんが、私が母親から言われた「自分に厳しく他人に優しく」「感謝できる人になりなさい」といった教えは、今でも大切な戒めとして心に留めています。
そのような意味でも、本校は学力だけでなく、人間力の育成も大切にする学校でありたいと思っています。
[沿革]
1954(昭和29)年、日本の宗教家で仏教系新宗教の在家教団立正佼成会の開祖、初代会長である庭野日敬により学校法人『交成学園』が設立される。1955年に交成学園白梅高等学校・交成学園白梅中学校・交成学園白梅幼稚園、1956年に交成学園女子高等学校・交成学園女子中学校・交成学園幼稚園と改名。1960年に学校法人名を『交成学園』から『佼成学園』とし、設置する全ての学校・園の冠称を「交成」から「佼成」へ改めた。2000(平成12)年から中学校でイマージョン教育を開始、2004年から高校に「特進文理コース」「特進留学コース」を設置、2005年から「英検まつり」を導入するなどグローバル教育の充実を図り、2014年には文部科学省よりスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定されるなど、グローバル教育で高い評価を受ける。2020(令和2)年に21世紀型教育を推進するための学校改革をスタート。成城大学と特別提携を結んでいる。
(この記事は『私立中高進学通信2023年11月号』に掲載しました。)
佼成学園女子中学校
〒157-0064 東京都世田谷区給田2-1-1
TEL:03-3300-2351
進学通信掲載情報
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