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私立中高進学通信

2023年1月号

卒業生が語る私の成長Story

佼成学園女子中学校

粘り強く、あきらめずに
挑戦する姿勢を活かして

国際問題の解決に貢献したいと願う徳久さんの写真です。

早稲田大学 法学部 4年
徳久 愛華さん

茶道部の稽古に励んだ茶道和室にて。
国際問題の解決に貢献したいと願う徳久さんの座右の銘は、経済学者アルフレッド・マーシャルの言葉。
意味は「冷静な頭脳と温かい心」です。

SGHネットワーク参加校(※1)である同校の「SG(スーパーグローバル)クラス」では、課題解決力を高め、多民族社会を生き抜く国際感覚を養います。このコースで学び、さらなる飛躍をめざす徳久愛華さんにお話を聞きました。


※1……同校は2014年にSGH(スーパーグローバルハイスクール)第1期指定校として文部科学省から指定を受けた後、国内外で数々の賞を受賞した実績が評価され、2021年度から「SGHネットワーク」に参加しています。

吹奏楽部で猛練習しながら
中2で英検準1級に合格
インタビューを受ける徳永さんの写真です。徳久さんは現在、少数言語を話す民族を保護するための国際法をテーマにした、卒業論文の執筆に取り組んでいます。

 徳久さんは1歳から10歳まで、香港で暮らしていました。家庭では日本語で過ごし、現地校では広東語や英語で授業を受けた体験から、外国語に強い関心が芽生えたそうです。帰国後転入した小学校で、同級生のお姉さんが佼成学園女子で学んでいることを知ります。そのお姉さんから、のびのびした環境の中で英語をしっかり学べると聞き、同校を志望したと振り返ります。

 同校に入学した徳久さんは中学3年間、吹奏楽部の活動に打ち込みました。担当していた楽器はフルートです。

「全国大会出場をめざして、すべてを捧げたといっていいほど夢中で練習しました。中3の時、都大会で金賞を受賞できたのですが、惜しくも全国大会には行けませんでした」

 部活動に励む一方、徳久さんは英語で優秀な成績を収めました。中2の時点で英検準1級に合格したのです。

「私が帰国生だからではなく、この学校の手厚い英検対策のおかげです。ネイティブの先生から指導を受けながら、みんなで合格を競い合う『英検まつり』などで、英語力が鍛えられました」

 そして、英語の4技能をさらに磨いて、異文化理解も深めたいと考えた徳久さんは、高校の『SGクラス』に進みました。これは将来、国連やユネスコ、外資系企業での活躍をめざす生徒に向けたコースで、最大の特色は生徒全員が海外で課題研究を行うことです。高2の夏には約2週間の『タイ・フィールドワーク研修』に参加。少数民族であるカレン族の村にホームステイして、インタビュー調査を行い、課題を発見します。続けて高3の春には約6週間の『イギリス・ロンドン大学研修』へ。ここでは、アジア・アフリカ研究の権威であるロンドン大学SOAS校で、教授陣の指導のもとタイで発見した課題を研究し、その成果を英語の論文にまとめます。

 徳久さんは、こうした課題研究と吹奏楽部の両立は難しいと考え、吹奏楽部から茶道部へと転部しました。茶道部なら両立が可能なうえ、海外を訪れた時に日本の文化を現地の人たちに紹介できると考えたからです。

タイでの課題研究が
文部科学大臣賞を受賞

 中学時代から「将来は国際社会に貢献したい」という志を抱いていた徳久さんは、高校に入学すると『トップレベル講習』の受講を決めました。これは東京大学などの最難関国立大学をめざす生徒のための講習で、週3回、男子校である佼成学園高等学校の生徒と合同で受講します。高1から高い目標に向けて勉強に励む一方、徳久さんは『タイ・フィールドワーク』でカレン族の言語が消滅しつつあることを知り、「タイの少数言語の危機」をテーマにした研究にも打ち込みました。そして、その成果を「2017年度スーパーグローバルハイスクール(SGH)全国高校生フォーラム」で発表し、文部科学大臣賞を受賞したのです。

「私はカレン語が失われているのは、タイの同化政策によるものだと知りました。そこで、どうすればカレン語を守ることができるのかを『イギリス・ロンドン大学研修』で研究した結果、少数民族の保護に力を入れている国際法の適用が必要であると考えたのです。ロンドン大学SOAS校には、アジアに関する書物が世界で最もそろっている図書館があります。カレン語は文字よりも口語が主体の言語ですが、私は論文を執筆するために、この図書館にカレン語で記された文献がないか休日も使って探し、ついにカレン族の伝承が書かれた書物を見つけることができました」

 文部科学大臣賞を受賞して「グローバル・リンク・シンガポール(※2)」の出場権を得た徳久さんは、この大会でも研究成果を発表し、社会学部門で準優勝に輝きました。こうした一連の経験を通して、徳久さんのなかに大学で国際法について学ぼうという明確な目標が生まれました。東京大学法学部には徳久さんが指導を受けたいと願う教授がいます。そこで東大の推薦入試と一般入試を受験することに決めました。そんな徳久さんをバックアップし続けたのが、『トップレベル講習』で古文を教えていた教頭・統括進路指導部長の西村準吉先生でした。

「西村先生は東大の二次試験直前まで入試対策をご指導くださいました。また、高校での研究をどのように大学での学びにつなげたらよいかなど、親身に相談に乗ってくださいました」

 徳久さんは東大の推薦入試で二次試験まで進んだものの、わずかにセンター試験の得点が及ばず、合格には至りませんでした。そこで早稲田大学法学部に進学して、国際法研究会に所属。徳久さんらこの研究会のメンバーは、2021年にジェサップ国際法模擬裁判の国内予選大会で東大や京大の学生と競って優勝し、日本代表として世界大会へと進んだのです。こうした活躍を糧にして就職活動に励んだ徳久さんは、大手商社の内定を手にしました。

「国際法の知識を活かして大きなプロジェクトを手がけていくビジネスに魅力を感じ、商社を就職先に定めました。佼成学園女子で身につけた、あきらめずに粘り強く挑戦していく姿勢を大切に、海外の人たちと協力しながら地域に貢献していきたいと考えています」

※2……アジアの中高生が科学・社会課題をテーマに研究成果を発表し、議論を繰り広げる国際大会。

恩師からの応援メッセージ
困難にぶつかることが多くても
自分を信じて突き進んでほしい
恩師である教頭・統括進路指導部長の西村準吉先生と徳久さんのツーショット写真です。 恩師である教頭・統括進路指導部長の西村準吉先生と。

 徳久さんは高2の春に英検1級に合格するなど成績は優秀でしたが、万能で完成されているというよりは、可能性の宝庫という印象でした。これからどのように伸びていくのか、私は期待しながら彼女を教えていたことを思い出します。徳久さんは限られた条件の中で、探究活動と受験勉強を見事に両立させていました。彼女の第一志望は東京大学でしたが、本来ならセンター試験に向けた演習に取り組まなければならない時期にロンドンに赴き、帰国後はその成果の発表活動に勤しみながら東大の入試準備にも励んだのです。惜しくもあと一歩というところで合格には届きませんでしたが、その努力が無駄ではなかったことを、現在の彼女の活躍が雄弁に物語っています。就職すれば困難にぶつかることも多いと思いますが、自分を信じて突き進んでほしいと願っています。

進学通信 2023年1月号
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