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私立中高進学通信

2023年12月号

探究の花が咲く

佼成学園女子中学校

日・英の研究論文を仕上げた
中高6年間は私の財産です

お茶の水女子大学文教育学部人間社会科学科子ども学コース4年生の宍戸希鈴さん。
現在は、子ども向けのアプリをテーマとする卒業論文を執筆中。

タイ・フィールドワークやロンドン大学研修の経験をもとに、「生活環境における学歴格差」について研究論文を執筆した、卒業生の宍戸希鈴さんにお話を伺いました。

引っ込み思案な少女が
留学で変身
宍戸さんの写真です中高6年間で4カ国の滞在を経験した宍戸さん。各国の教育の差を肌で感じたと語ります。

「私は中高の6年間を本校で過ごしました。入学を決めたのは、自宅から学校が近く、制服が可愛いという単純な理由からなんです」

 そう言って少しはにかむのは、2020年3月に同校のスーパーグローバル(SG)クラスを卒業した宍戸希鈴さん。現在はお茶の水女子大学の文教育学部人間社会科学科子ども学コースに在籍中の4年生です。

「私はもともと引っ込み思案な性格で、小学生の頃は何でも母親に頼ってしまいがちでした。中学に入学したところ、同級生がみんな自立しているように感じられて、私も刺激されてクラス委員などを引き受けてはいましたが、決して目立つ生徒ではなかったと思います。そんな私に変化が訪れたきっかけは、中3の時に経験したニュージーランドへの修学旅行でした。初めての海外滞在で、日頃から頼ってばかりいた母もいないという状況になって、つくづく自分の無力さを痛感しました。そこで自分に足りないものに気づき、『とりあえず何でもやってみよう! 万が一合わなかったらやめればいい』と、行動派へと転じました」

高校では国際コースの
SGクラスを選択

「SGクラスは、タイ・フィールドワークやロンドン大学研修が必修のクラスで、プレゼンテーションやディスカッションに力を入れています。このクラスで勉強したら、この先の人生、さまざまな問題に直面しても解決していける人間になれそうだと感じて選択しました。中3時にニュージーランドを訪れ、国際社会では英語が武器になると実感した一方で、“人間力”や“伝える力”は言語という壁を越えるのではないかとも思いました。だから、その力を積極的に鍛えたいと考えたんです」

 SGクラスでは、高校3年間で1つのテーマについて研究し、日本語と英語で論文を執筆するという課題が設定されています。

「私は高1の時に、『東大生の親の年収は高い』という新聞記事を読んで、家庭環境が子どもの学歴に影響を及ぼす傾向は理不尽だと感じ、3年かけて『生活環境における学歴格差』について研究し、論文を書き上げました。高2の7月に行われるタイ・フィールドワークでは、山岳少数民族カレン族の村やバンコクのスラム街を訪問して、そこで調べたこともこの論文に取り込みました。その後、高3の4月から5月にロンドン大学SOAS校に赴き、約1カ月間論文指導と特別講義を受けるなかで、英語論文を仕上げました」

論文作成の経験を活かし
総合型選抜に挑戦

 この研究論文を書いたことで、さらに「家庭環境が子どもに与える影響」について発展的に学びたいと考えた宍戸さんは、お茶の水女子大学文教育学部人間社会科学科子ども学コースへの入学を志し、総合型選抜「新フンボルト入試」に挑みました。

「私が受験した『新フンボルト入試』の1次選考は、文系学科は『プレゼミナール』で大学の授業を体験し、それをレポートにまとめるといったものでした。第2次選考は『図書館入試』。単なる知識の多さではなく、その知識をいかに“応用”できるかを問うもので、昼食や休憩も交えて6時間も大学の図書館にこもり、一つのテーマについて小論文を作成するという壮大な試験です」

 倍率が約10倍とも言われる難関試験に、宍戸さんは見事合格しました。

「世の中にあるさまざまなことを、問題意識をもって考えること、そしてその考えをアウトプットすることを、高校でしっかり経験していましたし、何より高校3年間で研究論文を仕上げたことが大きな自信になり、大学受験にも対応できました。でも、大学受験はプロセスの一つにすぎません。大学を卒業後、社会人としてグローバル社会を生きていくうえで、いろいろな問題に直面することもあると思います。その時に『自分で解決していこう』『いろいろな人の考え方を知っていこう』など、さまざまなチャレンジをしていくことは、この先何十年と必要になっていくはず。そんなチャレンジ精神を身につけようという教育を受けられたことは、かけがえのない私の財産です」

 中高を通して一回りも二回りも人間が大きくなったと微笑む宍戸さんは、今も週1回ほどのペースで母校に足を運びます。

「チューターとして後輩にアドバイスを行うほか、学校説明会では学校紹介を担当しています。また今年度の初めには、チューターの発案で広報ボランティアという現役生徒による団体を発足させて、学校のPR動画を作る活動をスタートしました。卒業生の輪が広がり、大好きな母校と今もつながりを保てている幸せを感じています。それだけではなく、実は就職活動の際に、先生方にたくさんのアドバイスをいただいたんです。私のことをよく知っているのは、やはり母校の先生方だとつくづく思いました。就職活動に関する書類も見ていただけたので、就職もうまくいくだろうという確信がありました」

 そのかいあって、大手出版社からの就職の内定を手にした宍戸さん。希望とともに新たな世界へとこぎだした彼女が、この先どのような航路を描くのか楽しみです。

高2で訪問したタイにて、山岳少数民族カレン族の子どもたちと撮影した写真です高2で訪問したタイにて、山岳少数民族カレン族の子どもたちと。
学歴格差が子どもにどのような影響を及ぼすのかについて研究し、作成した論文の写真です学歴格差が子どもにどのような影響を及ぼすのかについて研究し、論文をまとめました。
高3時に、ロンドン大学の研修で英語論文の指導を受け、日本語の論文を英訳した写真です高3時に、ロンドン大学の研修で英語論文の指導を受け、日本語の論文を英訳しました。
私の探究「生活環境における学歴格差」
Education Gap by Environment
探究の軌跡

中1

佼成学園女子に入学。クラス委員などを引き受ける。

中3

修学旅行でニュージーランドへ。自分の無力さを感じ、引っ込み思案な性分から行動派へと転身。

高1

SGクラスを選択。通年で探究活動の基礎やプレゼン、ディスカッションを学ぶ。

高2

タイでフィールドワークを行う。山岳少数民族のカレン族、バンコクのスラム街などを訪問し、日本も含めた教育格差を体感。

高3

研究論文を日本語で仕上げた後、ロンドン大学研修にて英語で論文を執筆。お茶の水女子大学の総合型選抜に挑戦、合格!

どんな探究でしたか?

 高1の時に『東大生の親の年収は高い』という新聞記事に触発され、高校3年間をかけて『生活環境における学歴格差』について研究し、論文を書き上げた。高2の7月にタイの山岳少数民族カレン族の村やバンコクのスラム街を訪問し、論文に記述。高3の4月から5月にロンドン大学で研修を受けるなかで、英語論文『Education Gap by Environment』を書き上げた。大学では、さらに「家庭環境が子どもに与える影響」について発展的に学んだ。

(この記事は『私立中高進学通信2023年12月号』に掲載しました。)

佼成学園女子中学校  

〒157-0064 東京都世田谷区給田2-1-1
TEL:03-3300-2351

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