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私立中高進学通信

2024年12月号

校長先生はこんな人!

富士見中学校

創設者の理想を体現する教育で
『社会に貢献できる自立した女性』を育成

善本 久子 (よしもと・ひさこ)校長先生
愛媛県出身。東京大学卒。都立高校教諭、東京都教育委員会勤務、
都立白鷗高等学校・同附属中学校統括校長、鎌倉女子大学教授などを経て、
2024(令和6)年4月より山崎学園富士見中学校高等学校の学校長に就任。
中央教育審議会第9期委員、文化審議会国語分科会委員などを歴任。
東京都公立中高一貫教育校長初代会長。
2024年7月板橋区教育委員に就任。『朝日新聞EduA』でお悩み相談回答を不定期連載中。

恩師に憧れ教員の道へ
学校現場と行政で経験を積む

 私は愛媛県の出身で、夏目漱石の『坊ちゃん』の舞台になった旧制松山中学校(現・愛媛県立松山東高等学校)が母校です。高2・高3の時に国語科を担当してくださった渥見秀夫先生の「主体的・対話的で深い学び」を先取りするような授業スタイルに憧れて、同じ道を歩みたいと思ったことが教員をめざしたきっかけです。大学も渥見先生と同じ東京大学教養学部に進み、卒業後は都立高校で国語科教員の道を歩み始めました。

 現場で20年ほど働いた後、2000年度の教員管理職任用制度改正後の1期生として、若手教員のジェネラリストを育てる教育管理職選考(A選考)に合格。民間企業出身の校長の下で新しい学校をつくるプロジェクトに参加したり、教育委員会の研修を企画したりと、教育委員会と現場を交互に行き来する形で、副校長や校長の経験を積みました。

 民間出身の校長からは、時間的コストを考えながら仕事をすることの重要性を学び、行政と現場の双方を経験したことで、さまざまな角度から物を見る目が養われたと思います。いずれも非常に意義のある経験になりました。

 都の教育職を定年退職後、鎌倉女子大学で教授を務めていたところ、ご縁があって2024年4月より本校の校長へ就任することになりました。

創設者の経歴を規範に
「米・金融・芸術」を重視
敷地内にある水田には、中1生が田植え体験で植えた稲穂が育っています。水田脇に立つ樹木に「FUJIMI光」のプレートが飾られていました。

 本校の創設者は、国内初の日本画美術館「山種美術館」を設立した山崎種二氏です。山崎氏は、15歳で米問屋へ奉公した後に米穀商で成功し、相場師・実業家として金融業界でも成功を収めた人物です。こうした山崎氏のバックグラウンドを継承し、本校ならではの特色ある教育を行っていくために、次の3つの柱からなる教育をスタートしています。

 1つ目は、「米」と一次産業を中心にした探究学習です。2024年度より裏庭の敷地を利用して、『FUJIMI米』の栽培をスタートしました。千葉県の農家と契約し、田植えから米の収穫、パッケージデザインまでを行い、文化祭で販売しました。米は山崎氏のルーツであり、本校の位置する練馬区は都市型農業の中心地でもあります。日本の食文化を支える「米」について体験的に学び、自分の言葉で語れるようにすることが目標です。

 2つ目が「金融教育」です。人生を幸福なものとするには、自分の経済状況を自らマネジメントすることが不可欠です。生徒には、単にお金を稼ぐ手段だけでなく、最善と思える使い方も考えてほしいのです。そして自分が得たお金の一部を、他者のために使えるようになってほしい。そんな社会貢献のマインドも育てていきたいです。金融の仕組みを知る入り口として、本校では今、生徒と教員が共にチーム戦で数カ月かけて投資し収益を競う「ストック・マーケット・ゲーム」に挑戦しています。

 最後が、心を豊かにする情操教育としての「芸術教育」です。本校では、随所に貴重な美術品を飾っており、その数は400点に上ります。世界で尊敬される人は、自国の文化について語る言葉をもっています。美術品が身近にある環境も活かしながら、伝統文化である「日本画」を学べる環境を整えていく予定です。

 このほか、東京理科大学との高大連携プログラムも4年目を迎えます。2024年度には高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)(※)に認定され、3Dプリンターを8台導入しました。理数教育や情報教育といった時代に即した取り組みも、より充実させていきます。

 同時に、生徒が「安心・安全」に学校へ通える環境、例えば有人警備や、スクールカウンセラーが週6日常駐して生徒の相談に対応する「お話の部屋」などは、本校が誇るべき特色として、今後も大切に守っていきます。

※高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)…情報・数学等の教育を重視するカリキュラムを実施し、ICTを活用した文理横断的で探究的な学びを強化する学校に対して、環境整備に必要な経費を支援する文部科学省の取り組み。

一人の女性管理職として
生徒の活躍を後押ししたい

 私は、本校では久しぶりの外部からの校長であると同時に、初の女性校長でもあります。49歳で都立板橋有徳高校の校長を初めて経験した時から感じているのは、女性のロールモデルになれることへの喜びです。特に本校は女子校ですから、女性が当たり前に校長、管理職を務めている姿を見せることで、生徒たちが「ガラスの天井」を感じずに社会へ出ていく手助けができればと考えています。

 本校は、これからも女子校として、「社会に貢献できる自立した女性の育成」に注力を続けます。校長として、生徒たちが安心してさまざまなことに挑戦できる学校づくりに、全力で取り組みます。

[沿革]
1924(大正13)年、富士見高等女学校として発足。1940(昭和15)年、山崎学園を設立し、経営を引き継ぐ。1947年、学制改革で富士見中学校設立。1948年、富士見高等学校設立。1949年、富士見高等女学校廃止。1983年に山崎記念講堂が、1990(平成2)年に五十周年記念館が、2018年に新校舎が完成した。創設者・山崎種二の想いは、初代校長・深井艦一郎による建学の精神『純真・勤勉・着実』として引き継がれている。

(この記事は『私立中高進学通信2024年12月号』に掲載しました。)

富士見中学校  

〒176-0023 東京都練馬区中村北4-8-26
TEL:03-3999-2136

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