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私立中高進学通信

2024年9月号

進化する高大連携

富士見中学校

東京理科大学と教育連携
エコ発電装置を生徒が製作

東京理科大学の講義では、自分たちでさまざまな発電方法を調べ、「最も良い発電方法は何か?」を議題にグループワークを実践。
自転車発電装置の製作に必要なPCソフトの扱い方やプログラミング、発電量モニターを作るためのマイコン設計なども学びました。

高1・高2の生徒16名が、東京理科大学・川村研究室にて環境問題や発電の仕組みを学び、自転車発電装置を製作。この装置を使って小学生向けに環境問題の授業をするプログラムを取材しました。

憧れの大学キャンパスで
学ぶ共催プログラム

 2020年度に東京理科大学と教育提携を結び、理系教育のさらなる強化を推進する富士見。入試広報部長の藤川建先生はそのねらいを「理系を志望する生徒の増加を受け、サポート体制をより充実させたいと考えました」と説明します。

 教育提携のスタート以降は、同校と東京理科大学の担当者が定期的にミーティングを行い、多彩な連携プログラムを企画。中学生を対象に同大の教授が講義を行うほか、高校生に向けては『研究室見学』『体験授業』といった、より専門的な内容を、実際に生徒が大学に出向いて参加するプログラムを実施しています。

 その一つが、2023年秋、高1・高2の希望者16名が参加した、川村研究室との連携企画『自転車発電』です。生徒たちは10月から講義を受け、約半年をかけて環境問題や発電の仕組みなどを学び、エコ発電の一例として自転車発電装置を製作しました。東京理科大学・神楽坂キャンパスや研究室を訪れる機会もあり、大学生や大学院生から指導を受け、大学の学びの一端に触れました。

「配線などに苦戦しましたが、全員で力を合わせ “富士見モデル”を作り上げました」と、プログラムに参加したNさん・Мさん(高2)は話します。

学んだ知識を活かして
環境問題を小学生に伝授

 このプログラムでは自転車発電装置の製作にとどまらず、これを用いた小学生向けの科学実験教室も実施されています。2024年2月に近隣の小学生を同校へ招き、そこで授業を担当するのが同プログラムに参加した生徒たちです。

「『どんな授業を展開すれば小学生に興味をもってもらえるのか』をみんなで考え、案を出し合い、内容を練り上げました。内容が決定した後も、本番前日まで何度もリハーサルを行い、東京理科大学の大学院生や富士見の先生方に助言を求めながら、修正を重ねました」(Mさん/高2)

 2月の開催に向けて、近隣小学校へ出向いて広報活動も行いました。

「校長先生に面会を申し込んでプレゼンし、校門近くでチラシを配らせてもらいました。当日は小4~小6の児童20名が集まり、みんな楽しんでくれました。保護者からも好評で、心からうれしかったです」(Nさん)

 同プログラムを通して学んだ理系の専門知識に加え、「プレゼン力や指導力、交渉力など幅広いスキルが身についた」と話すNさんとMさん。「理系分野への興味が深まったことで、より明確に進路を描けるようになりました」と声を揃えます。

自分たちで製作した自転車発電装置。小学生向けの実験教室で実演する際の準備や調整も生徒たちが担います。自分たちで製作した自転車発電装置。小学生向けの実験教室で実演する際の準備や調整も生徒たちが担います。
プログラムで学んだ知識を、生徒たちの手で小学生向けの授業に。近隣の小学生を同校に招いて、実験教室を行いました。プログラムで学んだ知識を、生徒たちの手で小学生向けの授業に。近隣の小学生を同校に招いて、実験教室を行いました。
富士見生が科学の先生に!
『女子中フェスタ』で環境問題の授業
高校生の目線で主体的な授業づくりにチャレンジ

 2024年3月末、都心にある私立女子中学校が集い、生徒たちが主体となって発表やプレゼンなどを行う『私立女子中学校フェスタ』にて、「自転車発電」プログラムの生徒たちが実験教室を開催。同校を志望する小学生とその保護者に理科の楽しさを伝えました。

 自転車発電装置の体験のほか、教室の一画には「サボニウス型風力発電装置」の実験コーナーも設置。ポテトチップスの容器で作ったプロペラにうちわで風を送ると発電し、豆電球が点灯する小さな風力発電機です。

「『どれだけの労力を使えばテレビや豆電球に電気を送ることができるのか』を学べるように工夫しました」(Nさん)

 地球温暖化についての授業も開講。生徒が教壇に立ち、空気と二酸化炭素の温度上昇率の違いを示したグラフをスライドで見せながら、小学生にわかりやすく説明しました。

「2月に行った実験教室での反省点を改善し、さらにレベルアップした授業になったと思います。小学生は興味津々な様子で授業に聞き入ってくれて、とてもうれしかったです」(Mさん)

小学生が自転車発電装置をこいで発電し、テレビの電源を入れる実験を行いました。小学生が自転車発電装置をこいで発電し、テレビの電源を入れる実験を行いました。
サボニウス型風力発電装置を事前チェックする生徒たち。不備がないよう、しっかりと確認していました。サボニウス型風力発電装置を事前チェックする生徒たち。不備がないよう、しっかりと確認していました。
授業の組み立てもスライドも、全てが生徒たちの手によるものです。授業の組み立てもスライドも、全てが生徒たちの手によるものです。

生徒インタビュー
教員になりたくて参加
Nさん(高3・文系コース)Nさん(高3・文系コース)

 私は文系コースに在籍しており、社会科の教員になることが目標なので、小学生に授業ができるという点に魅力を感じて参加しました。環境問題を学ぶなかで、産業革命と関連しているなど学問と学問のつながりが見えてきて、興味が広がりました。小学生に向けて授業をしてみて、用語ひとつで伝わり方が変わってくるのだと、教えることの難しさを実感しました。そして、改めて教員になりたい気持ちが強くなり、進路が明確になりました。


アカデミックな学びが刺激に
Mさん(高3・理系コース)Mさん(高3・理系コース)

 私は中高の理科教員をめざしています。川村研究室は科学教育に力を注いでいると知っていたので、参加を楽しみにしていました。指導してくれた大学院生や大学生とのやりとりを通して大学レベルの高度な学びを体験できましたし、その後の実験教室でも納得のいく授業ができたと思います。この体験をきっかけに、東京薬科大学との共同プロジェクトなど、課外活動へ積極的に参加するようになりました。

先生にインタビュー
理系志望者が半数以上に
外部連携をさらに拡大

 本校では近年、理系志望の生徒がさらに増え、現在では高2・高3の半数以上が理系コースを選択しています。東京理科大学の指定校推薦は4枠ですが、一般入試で受験する生徒も増加し、2024年春には27名(現役のみ)が同大に合格しています。

 大学や企業と連携し、外の世界を知ることは、生徒にとって将来の選択肢を広げる貴重な機会。大学との連携プロジェクトや外部コンテストなど、外部の活動に参加する生徒が増え、その知見を学内で共有し、さらに課外活動が活発化するという好循環が生まれています。今後も大学や企業との連携を進め、生徒たちの視野をさらに広げていきたいと考えています。(入試広報部長・社会科/藤川建先生)

(この記事は『私立中高進学通信2024年9月号』に掲載しました。)

富士見中学校  

〒176-0023 東京都練馬区中村北4-8-26
TEL:03-3999-2136

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