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私立中高進学通信

2025年8月号

実践報告 私学の授業

二松学舎大学附属柏中学校

未来を見据えた探究力を育成する
『自問自答プログラム』

体験を重ねて思考を深め、世界とつながる探究の6年間

探究シーン1
中3の1年間をかけて探究した成果を、全員が披露していく『自問自答発表会』。

 探究とグローバル教育を軸に、一人ひとりの興味・関心を深める学びを展開。体験を通して生徒が自ら見つけた「問い」を起点に、広い視野と論理的思考力や表現力を育んでいます。

中1から探究力の基礎を築き
中3で探究論文を執筆
グローバル探究室長/森寿直先生グローバル探究室長/森寿直先生

『仁愛・正義・誠実』を校訓に、学力と人間力の双方を高めている二松学舎大学附属柏。探究学習とグローバル教育に注力し、また手賀沼の自然環境を活かした体験型プログラムも充実。一人ひとりの学びを大切に育む、温かな校風が魅力です。

 2022年度からは中学に、学習習慣の定着を重視する『総合探究コース』と、社会課題の探究を通じて国際的な視野を育てる『グローバル探究コース』の2つを設置。それぞれの特性を活かして学びを支えています。

「現在では、コースの違いを越えて探究活動に取り組む場面も増えています。本校の探究学習の中心にあるのが、『自問自答プログラム』です」(グローバル探究室長/森寿直先生)

『自問自答プログラム』は、生徒自身が探究するテーマを見いだし、自分の視点で考察し、調査・実験をして論文にまとめ、プレゼンテーションをする探究プログラムです。探究テーマに関連する知見を深め、論理的思考力や表現力、構成力を養います。

 中1では、学校近くの手賀沼で多彩なワークショップを行う『沼の教室』や、田んぼで田植えや稲刈りを体験する『田んぼの教室』、中2では、修学旅行先の奈良・京都で日本の文化に触れる『古都の教室』を実施。中3になると、生徒一人ひとりが関心に応じたテーマで個人探究や共同研究を行い、論文を執筆します。その成果は、文化祭での中間発表を経て、2月に開催される『自問自答発表会』で全員がプレゼンテーションを行います。

「中3の探究テーマはこれまで生徒に自由に設定してもらいましたが、迷ってしまう生徒もおり、また中1・中2の探究活動と連携をさせる意図を込め、2025年度より『学問探究』『国際探究』『地域探究』の3分野からテーマを選ぶ方式に変更しました。先輩の研究を後輩が引き継ぐことも可能になり、テーマ選びが容易になったと感じています」

中1からの日頃の積み重ねで
探究力・プレゼン力を養成

 探究に必要な基礎力は、中1からの積み重ねで培っています。例えば、毎日の日直による1分間スピーチや、全国紙3紙のコラムを読んで社会情勢に触れる朝のホームルームでの『新聞コラム』など、表現力・思考力を養う仕掛けが日常に組み込まれています。

「論文作成のメソッドやフィールドワークの技法など、探究のベースとなる力は、実践を通して中1から身につけていきます。学年末の『自問自答発表会』には全学年の生徒が参加しますので、後輩たちは先輩のプレゼンをお手本にして、先輩の背中を追いかけながら成長していきます」

 また、同校の周囲には手賀沼をはじめとする豊かな自然が広がっており、今後はそうした恵まれた環境を活かし、グローバルにローカルを掛け合わせた「グローカル」な探究活動を深めていきたいと森先生は話します。

「手賀沼を訪れる渡り鳥の研究など、本校にしかできないことを研究して世界で発表することも、立派なグローバル活動になると考えます。地域の方々の協力も得ながら、ここでしかできない探究活動をさらに推進していきたいですね。
 普段から、有志の生徒を集めて手賀沼の周囲を走ったり、天体観測をしたりなど、さまざまな活動をしています。好奇心が旺盛で、いろいろなものを五感で触れる『本物の体験』をしたいと考えている受験生に、ぜひ本校へ来てほしいです。一方で、今やりたいことが見つかっていない受験生も、本校での経験や出会いを通して、学びの動機となる『好き』がきっと見つかる、そんな環境を用意しています」

探究レポート
自らの「問い」を、学び続ける原動力にする
探究学習『自問自答プログラム』
探究シーン2田んぼの教室(中1)
田んぼの教室(中1)

 近隣の田んぼを借りて、田植え・稲刈りを体験。秋には作ったお米を食べる収穫祭を行います。有志の生徒を募り、稲の生育状況の確認や田んぼにいる生物の観察を実施するなど、フィールドワークの場にもなっています。


探究シーン3 沼の教室(中1)
沼の教室(中1)

「沼の教室」では、手賀沼をはじめ近隣の自然環境と歴史を学び、教科横断型の学習を体験。仮説を立てて調査を行う探究プロセスも経験します。沼の性質調査の成果を研究論文としてまとめ、大学受験に活かした例も。


探究シーン4 都市の教室(中学全学年)
都市の教室(中学全学年)

 日本科学未来館、国立科学博物館、東京国立博物館等を見学し、都市の歴史・文化・テクノロジーを学びます。中2では浅草の散策(写真)や雷おこし作り体験も。中2の秋には「古都の教室」として奈良・京都研修旅行を実施。


探究シーン5「世界の教室」(中3)
「世界の教室」(中3)

 中3ではグアム修学旅行を実施。現地の生徒とバディになって交流する機会もあります(写真)。おしゃべりや日本のお土産、スポーツや遊びをきっかけに、英語で交流を深めます。中2・中3の希望者はカナダ研修、オーストラリア研修にも参加できます。


探究シーン6 探究論文(中3)
探究論文(中3)

 中3では、『学問・国際・地域』の3分野から選択し、個人または共同で探究を進めます。『学問探究』には、教科書にある項目を発展させる「科目探究」と、これまでと同様に自由なテーマを生徒自身が設定する「自由探究」の2つを用意。『国際探究』は、グアム修学旅行や海外研修で経験したこと、気になったことを起点に探究を進めます。『地域探究』では、「沼の教室」や「古都の教室」など校外学習での事前学習を継続し、発展的に研究・調査をしたり、地域の社会課題に取り組んだりします。全員が8,000文字以上の論文を執筆し、全員分を冊子にまとめ配布します。

ココも注目!
『クエストカップ2025 全国大会』で部門グランプリを受賞
『クエストカップ2025 全国大会』で部門グランプリを受賞

 高校では社会課題の探究をさらに深め、全国の中高生が探究活動の成果を発信する『クエストカップ』(主催:教育と探求社)にトライします。2025年度の全国大会にて、同校の高1生4名のチームが進路探究部門(ロールモデル)でグランプリを受賞しました。

「中学3年間を通して探究活動に取り組んだことで、人を巻き込みながら価値を生み出す力や、物事に前向きに挑戦する力などが育まれたようです。探究を通して、生徒たちの非認知能力が成長していることを感じます」(森先生)

進学通信 2025年8月号
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