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私立中高進学通信

2021年2・3月合併号

実践!私学のグローバル教育「授業」

二松学舎大学附属柏中学校

真の国際人になるための
下地を作る“中学のグローバル”

「真の国際人(グローバルリーダー)を育てる」ことを目標にする同校のグローバルコース。週2回、7限目に行っている「グローバルの学び」の授業について取材しました。

「グローバルの学び」の授業。プレ発表目前ですが、生徒たちは準備万端の様子です。

解決策を自分で
考える生徒に成長
「グローバルの学び」を担当している山﨑貴大先生。「グローバルの学び」を担当している山﨑貴大先生。

 1877年に創立し、夏目漱石や平塚雷鳥、犬養毅らを輩出してきた二松学舎大学。建学の理念に「自国の文化を正しく理解し、母国語を正しく表現できる真の国際人の養成」と「異なる文化・歴史を理解し、多様な価値観を認めようとする視点を養成」を掲げる、グローバル教育の草分け的存在です。その附属校である同校のグローバルコースの授業について、担任の山﨑貴大先生に伺いました。

 国語科の山﨑先生は2019年から「グローバルの学び」の授業を担当しています。

「グローバルの授業を国語科が担当するのは、意外に思われるかもしれません。これは、本校の建学の精神『一世に有用なる人物を養成す』という観点からです。本校がめざす“一世に有用なる人物”とは、英語が話せることではなく、協働する力を持った人です。そのためには、まず日本語で論理的に考え、それを正しく伝える技術を身につけてほしいと考えています。私は、そうして真の国際人になる準備をすることを“中学のグローバル”と位置付けています」(山﨑先生)

 山﨑先生はグローバルの授業に取り組むにあたって、

「世界の問題は、どこかで必ず日本とつながっています。それをよその国の問題として捉えるか、自分の問題として捉えるかで理解が大きく変わります。自分の問題として捉えられないから、今世界が困っているのだ、というところからスタートすることにしました」

 と話します。

「当初は、人前で話すのが苦手な生徒が何人もいました。ですが世界の問題について自分で調べて発表する中で、最初の頃は『できないから』と立ち止まっていた生徒が、『できないから他のグループや教員に聞く』という行動をするように変わっていきました。今ではクラス全員が、わからないことがあっても自分たちで解決策を考えて動き、授業に取り組んでいます」

身近な問題から世界のために
できることを考える

 現在「グローバルの学び」の授業では、『SDGsの観点から見たオーストラリアと日本の問題点』をテーマにしています。生徒たちはSDGsの項目の中からテーマを選び、オーストラリアにおける問題点を調べて授業でプレ発表を行い、内容やプレゼンの問題点を見つけて修正して、本発表に向けての準備を進めています。

「SDGsを前面に出すのではなく、その問題はどこに影響があるのかを考えるところから始めています。自分の身近な問題とつながっていること、世界の問題は自分と必ず関係があることを理解し、そのうえで問題解決に向けて自分にできることを考える。そのために調べ学習やプレゼン、グループワークを取り入れています」

 この授業を通して、山﨑先生は生徒たちにどんな成長を期待しているのでしょうか。

「自分の将来を自分で選んでいける人に成長してほしい。そうして選んだ道が世のため人のためになるなら、これほどうれしいことはありません。自分に何ができるのかを考え、最終的には自分のためだけでなく、誰かのために動ける人間に育ってほしい。日本の中にいても世界とは必ずつながっていますから、グローバルな視点を持って『世のため』=『世界のため』を考えられる人になってほしいですね」(山﨑先生)

プレ発表の様子。スライドにも各グループの個性と工夫が表れていました。プレ発表の様子。スライドにも各グループの個性と工夫が表れていました。
グループに分かれて、『SDGsの観点から見たオーストラリアと日本の問題点』をまとめてきました。グループに分かれて、『SDGsの観点から見たオーストラリアと日本の問題点』をまとめてきました。
タブレット端末でスライドを確認し、プレ発表の準備に余念のない生徒たち。タブレット端末でスライドを確認し、プレ発表の準備に余念のない生徒たち。
発表について山﨑先生に意見を求めます。発表について山﨑先生に意見を求めます。
発表を聞く生徒たちは、「内容」「話し方」などをチェックし、意見を書いて提出します。発表を聞く生徒たちは、「内容」「話し方」などをチェックし、意見を書いて提出します。
グローバルコース 生徒インタビュー
知識の深まりが問題の本質に導く「グローバルの学び」の面白さ
調べるほど問題が広がっていく衝撃
『グレートバリアリーフの環境問題』
左から風澤柚奈さん、直井郁奈さん、篠田結衣さん。左から風澤柚奈さん、直井郁奈さん、篠田結衣さん。

「最初はサンゴ礁の問題だと思っていたのですが、調べていくうちにウミガメやサメなど、いろいろな生物にかかわる問題だとわかってきました。最終的には地球温暖化に結びついて、調べていくうちに問題がどんどん広がっていくというのは衝撃的でした」(風澤柚奈さん)

「まとめるために、時間をかけてグループで話しました。授業内で終わらなかった部分は家に帰ってからグループ通話でみんなで話し合うこともありました」(直井郁奈さん)

「プレ発表をして、ジェスチャーも交えた方が伝わりやすいかもしれないと思いました。聞いている人が飽きないようにするために、もっと工夫が必要だなと感じました」(篠田結衣さん)


調べ学習が多角的な理解を生む
『オーストラリアと多民族国家』
左から石井紘稜さん、篠田佑人さん、嶋田天飛さん。左から石井紘稜さん、篠田佑人さん、嶋田天飛さん。

「オーストラリアは多民族国家で、空気を読むようなことはせず、物事を率直に、単刀直入に言う文化だと知りました。ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化という言葉を知って印象に残りました」(嶋田天飛さん)

「オーストラリアはカンガルーやコアラなどがいて、平和なイメージがあったのですが、調べてみたら過去に人種差別を大々的に行っていたことを知りました。オーストラリアという国について、多角的に知ることができました」(篠田佑人さん)

「僕はオーストラリアと戦争について調べたのですが、戦争が生むさまざまな悪い影響を具体的に知ることができて勉強になりました」(石井紘稜さん)

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