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私立中高進学通信

2025年8月号

校長先生はこんな人!

共立女子第二中学校

「一日一日、かけがえのない」
学校生活をめざして

佐藤 聖一 (さとう・せいいち)校長先生

佐藤 聖一 (さとう・せいいち)校長先生

1963(昭和38)年生まれ。1987年に都立高校教員となり、野球部顧問としても活動。
2007(平成19)年からは東京都教育庁において高校教育指導課長などの要職を歴任し、教育行政に携わった。
都立高校(進学指導重点校)の統括校長を経て、2025(令和7)年4月から現職。日本理化学協会常務理事。

コロナ禍で実感した
「学校」の価値

 私は都立高校で理科教員として20年教壇に立った後、東京都の教育行政に携わることになりました。当初はすぐ教育現場に復帰する予定でしたが、結果的に約16年間という長期にわたって行政職に従事することとなりました。

 特に記憶に残るのは、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るった時期です。高等学校における感染防止対策の策定や、学校の運営体制見直しに携わるなかで、これまで経験したことのない困難な状況に直面し、まさに極限状態での業務遂行を余儀なくされました。

 この経験を通して、「子どもたちにとって学校生活の一日一日が、いかにかけがえのないものであるか」ということを、強く感じました。修学旅行や文化祭などの行事をはじめ、部活動も厳しく制限され、友達と向き合って昼食をとることも許されない時期がありました。生徒たちにとっては「たった一度しかない」貴重な青春の日々が失われたのです。

「学校生活の一日一日はかけがえのないもの」という教訓が、私の学校運営の原点です。生徒たちが主体的に活動し、自らを表現できる学校行事や部活動をこれからも大切にしたいと考えています。

学びは「活用」へシフト
気づきを引き出す授業を

 この春、本校に着任して最初に感じたのは、生徒たちの明るさと素直さです。物事に対して一生懸命取り組むことのできる生徒が多いという印象をもっています。

 本校の一番の魅力は、何と言っても豊かな自然に囲まれた広大なキャンパスです。400mトラックを備えたグラウンドや、約1500名収容の八王子講堂など施設が本当に充実していて、生徒たちが学習にも部活動にも学校行事にも、のびのびと打ち込める環境が整っています。これら恵まれた環境も、生徒たちのかけがえのない学校生活を豊かに彩るうえで大切な要素だと考えています。

 学習面においては、中学では主要5教科にしっかり力を入れ、基礎学力の定着を図っています。中3から大学の研究室を訪問するキャリア教育的な取り組みも始めており、これは将来の進路選択につながる、非常に有意義なものだと考えています。

 私が今、特に力を入れたいと考えているのは、授業の質的な充実です。単に知識を教えるだけではなく、生徒たちが自分で考え、学んだ知識を「活用」し、課題に取り組む──そんな探究型の学習をめざしています。授業のなかで生徒から「できた」「わかった」という感動や気づきをどれだけ引き出せるか。これを全ての教員と共に追求していきたいと考えています。

 そうした探究の姿勢は、すでに生徒の間に芽生えてきています。本校では2022年度に高校へ4コース制を導入しましたが、その一つ『英語コース』では、クラス全員がニュージーランドへ約3カ月間のターム留学をするほか、世界的に語学研修を展開する「ベルリッツ」のプログラムを導入し、実践的な英語の4技能、特にアウトプットに重点をおいた授業を行っています。

 この英語コースの生徒たちは授業中に、「このテーマについて英語で討論がしたい」と教員に提案する場面もあるそうです。自ら学びたいことを突き詰めようとする姿勢が、生徒たちから発信されているのです。本校では海外大学や国際系学部への進学実績も増えており、取り組みがうまく機能し始めていると言えます。

突破力を身につけ
好きなことを見つける6年間に

 部活動や生徒会活動、白亜祭(文化祭)などのさまざまな活動を通して、自分が貢献できる部分を探して打ち込み、生徒それぞれの持ち味に合ったリーダーシップも発揮してほしいですね。これは共立女子学園全体で重んじている『共立リーダーシップ』の獲得にもつながります。

 最近の中高生は学ぶ内容が質・量ともに格段に増えていますが、生徒たちはそこに対応しながらよく頑張っていると感心しています。一方で、もう少しガツガツした部分があってもいいと感じることもあります。これからの社会を生き抜くために、自ら道を切り拓く力強い突破力も身につけてくれたらと期待しています。

 本校に入学したら、ぜひ好きなことを見つけて、それを徹底的に究めてほしいと願っています。好きなことはきっと見つかります。たとえ意識していなくても、「なぜかうまくできる」「よく褒められる」といったことでもかまいません。それを見つけ、追求する中高6年間は、卒業後の大きな力を育んでいるはずです。

[沿革]
1886(明治19)年に先覚者34人が発起人となり共立女子職業学校を創立。共立女子学園の建学の精神『女性の自立と自活』を受け継ぎ、1970(昭和45)年に高等学校を開校。1984年に中学校が開校した。校訓「誠実・勤勉・友愛」のもと、豊かな自然環境を活かした体験重視の教育や多彩なコース制を展開し、セルフリーダーシップを発揮し、広く社会に貢献できる自立した女性の育成をめざしている。校風は温かく、礼節や感謝の心を大切にしながら、一人ひとりの個性とリーダーシップを伸ばしている。

(この記事は『私立中高進学通信2025年8月号』に掲載しました。)

進学通信 2025年8月号
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