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私立中高進学通信

2025年8月号

私学の先生だから数学・理科・情報が面白い!

高輪中学校

自然現象を数式化して
未来予想ができる面白さ

物理の問題を理解するためには、図を描くのが一番の近道だと語る高祖先生。
図の描き方も非常にていねいでわかりやすい!

問題に書かれた事象を
数式化する力をつける
理科主任 高祖匡登 先生理科主任 高祖匡登(こうそ まさと) 先生
図を駆使した授業がわかりやすいと生徒に人気。陸上競技部顧問も務める。

「見えるものの奥にある 見えないものを見つめよう」という教育理念のもと、物事の本質を探究する力を育み、新しい時代を担うリーダーとしての資質をもった人材を世に送り出してきた高輪。物理の授業においても、ただ目の前の問題に公式を当てはめて「正解」を求めるのではなく、それぞれの問題が取り上げている「事象」をしっかりと理解したうえで正解を導き出すような指導が徹底されています。

 物理学の面白さについて、理科主任の高祖匡登先生は「世の中で起きている自然現象を数式化して、その数式を解析することによって、実験しなくても“結果”を導き出すことができる。簡単に言うと、未来予想を可能にする学問です」と熱弁します。物理学は、何年先の何月何日に日食が起きるかを割り出したり、惑星に向かう探査衛星が無事に地球へ帰還するための軌道を予想したりを可能にする学問だと言います。

 ただ、高祖先生によると「小学生の時は理科の実験が楽しかったのに、中学生になってから理科の授業がつまらない、と感じる生徒は少なくない」のだとか。それは、中学校に入ると「実験」だけでは授業が終わらず、実験結果を分析して法則性を見つけ出すなど、抽象的な概念で思考する作業が増えていくから。高校に進むとより内容が抽象化していくため、同校では中学生から授業で教える内容の演示実験(※)をするだけでなく、実験結果を予測するクイズなどで生徒に興味をもたせたうえで、実験の内容をグラフや図にまとめる習慣をつけるような工夫をしていると言います。

※授業で教員が生徒に向けて行う実験。

抽象的な用語や公式は
わかりやすい言葉に翻訳

 また、難しい用語や公式は、生徒たちが理解しやすいように「わかりやすい日本語」に置き換えることもポイントだそうです。

「それを私は『和訳する』と言っているのですが、例えば『速さ』という言葉なら、『1秒間で進む距離』というように小学生でも理解できる言葉に置き換えると、中高生にとっても理解は深まりますよね。難しい言葉や公式を丸暗記して覚えた“つもり”になるのではなく、もっと簡単な言葉で噛み砕いて、本質的な部分を理解してほしいという思いで授業を行っています」(高祖先生)

こだわり その1
まず図に描き問題の全体像を把握

 取材当日は中間試験の直前で、授業では試験範囲の復習が行われていました。高1生たちは難しい問題に次々と取り組んでいましたが、高祖先生は「問題文を読んだ時に、まずはどういう現象が起きているのか想像できることが必要」と指導していました。答え合わせの時間には、「どの小問を最初に解いた?」という発問が先生から何度も出ていました。問題を解く際に、小問を順番に沿って解く必要はないからです。

「小問に取り組む前に問題全体の文章を読んで、そこに書かれていることを図に描き、起きている現象の全体像を把握したうえで、その図に従って式を立てると理解しやすいんです」と、高祖先生は考え方のポイントについて教えてくれました。

「図やグラフを描くと、問題に書かれていることが自分の中でしっかりと把握できるようになります。本校の理科の授業では、中1からそういった力をじっくりと養成していくことで、高3で本格的にスタートする大学受験に備えた演習問題にも対応できる力を育んでいきます。小学校の理科の授業で実験を肌で感じることは本当に大切なので、それだけで終わらずに実験の結果を図やグラフにして描く習慣をつけておくと、より理科を楽しく学べると思っています」(高祖先生)

先生が中間試験対策用に作ったプリント。生徒たちは授業の内容を思い出しながら取り組んでいました。
問題文を図解しながら解説していく高祖先生。問題に登場した用語についても、図に描くと理解しやすくなります。
こだわり その2
同じ教員が6年間同一教科を指導

 同校では中1から高3まで、基本的に教員が持ち上がりで指導しています。

「同じ教員が同じ教科を6年間指導するので、教員の考え方が生徒に伝わりやすく、また生徒と教員の距離が近くなるのも本校の特徴だと思っています」と高祖先生。その言葉どおり、生徒たちは授業中もわからないポイントをその場で先生に質問し、先生もていねいに対応していました。

「生徒たちも『この先生はこのシチュエーションなら質問しても大丈夫だな』と教員のことを理解してくれていると感じますし、そんな信頼感をベースに男の子ならではの面白い発想が次々と出てくるのが、本校の良いところだと感じています。生徒たちは勉強だけでなく、実生活の悩みを打ち明けてくれることもありますよ。
 授業の進度としては、中1・中2で中3までのカリキュラムを終わらせ、中3で高1の内容に入り、高3では受験に向けた演習問題を中心に取り組んでいきます。大学入試を突破するには演習量がものをいうので、そこを確実に授業でフォローしていきます。とはいえ、授業数をしっかり設けているので、授業の進度が速すぎるということはありません。6年かけて体系立った授業を組み立てていけるのが、本校独自のメリットなのではないかと感じています」(高祖先生)

解説を聞いても疑問が残る部分は、その場で質問。学習している分野が苦手な生徒も取り残すことなく、ていねいに授業が進みます。
生徒同士の距離の近さも同校の特徴。異性がいない環境だからこその良さがあると、高祖先生は話します。
進学通信 2025年8月号
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