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私立中高進学通信

2025年8月号

私学の先生だから数学・理科・情報が面白い!

瀧野川女子学園中学校

生成AIとプログラミングで
世界に自分たちの仕事を創る

山岸先生による情報の授業。「情報を通じて自分の考えを広げてほしい」と話します。

「キャリア教育優良学校」として
文部科学大臣表彰を受賞
先生写真後列から時計回りに、
副校長 山口龍介 先生
情報科主任 山岸容子 先生
理科 明石俊哉 先生
数学科主任 坂本夏樹 先生

『社会に貢献できる有為な近代女性の育成』をめざす瀧野川女子学園では、2015年より独自プログラム『創造性教育』を実践。その実績が認められ、2023年には「キャリア教育優良学校」として文部科学大臣表彰を受賞しました。『創造性教育』では、「創造性×起業家精神×デザイン思考」をテーマに、自己表現力、コミュニケーション力を高め、ビジネスやマーケティングの基礎を学びます。

「新しいビジネスを創るにあたって、テクノロジーは切り離せません。例えば企業にプレゼンする際にもムービーを使えば効果的です。それも誰かに発注するのではなく、自分で作れるといいですよね。“プログラミング”というとパソコンに限った話だと思われる方もいますが、自動車やエアコンなど、今や身の回りのものにもプログラミングは欠かせないのです。つまり、プログラミングを使いこなせると、将来の職業選択の幅が広がるんです。さらに言えば、女性の感性が求められるシステムキッチンの設計やマニュキュアの色作りは、機械工学の専門家が担っています。プログラミングと密接に関わる数学や物理を習得することにより、さまざまな世界が開けます。理系はもちろんですが、文系の生徒にこそ情報技術を使いこなす力を身につけてほしいと思います」(副校長/山口龍介先生)

創立以来の実学主義が
最先端の形で息づく

 同校が取り組む中高6年間の『創造性教育』では、中1の『理想の街を創ろう』を皮切りにデザイン思考を駆使、中2で大道芸ロボットを制作し、中3の1年間は自分の好きなことを研究します。

「高1の商品企画コンペティションを経て高2で事業化実習を行います。9月に行われる『あかつき祭』で出店・販売を経験し、チームで働くこと、資本主義のメカニズム、自分の職業適性などを学びます。高2のハワイ修学旅行ではハワイ大学でチャリティーバザーを主催し、社会貢献の素晴らしさや資本主義がもつパワーを体感します。生徒はこれらの体験を通して将来のビジョンを具体化していきます」

 1926年創立の同校は、当時の女性が社会進出するうえで必要だった、財務・会計の能力を育んできました。それが今まさに、最先端の形で展開されています。

こだわり その1
生成AIを全面導入した新科目「情報数学」
「CODE for Fun!」がスタート

 2025年度から、プログラミングと相性のいい生成AIを全教科で導入している同校。文系の生徒も情報技術を使いこなすために必要な「情報」「数学」「物理」の授業に加え、来春から高校で、同校生徒のプログラミング能力を最大化する2つの新科目がスタートします。

 一般的には高校から「情報I」を学びますが、同校では20年前から中学に「中学情報」、高校に「情報基礎」という独自科目を設置し、確かなプログラミング技術を育んできました。来春から生成AIも使って再デザインされた「情報I・II」が必修になり、独自設置科目「情報数学」と「CODE for Fun!」が始まります。特に「情報数学」は、情報と数学が連携した科目です。

「例えば、プログラミングのコードをつくるうえで、数学の考え方は外せません。『情報数学』はプログラミングに必要な数学の考え方を文系目線で学ぶ授業です。高2以降の文系選択者の力になれるように、数学科の坂本先生と、独自に新しい科目を作成しているところです」(情報科/山岸先生)

 もう一つの新科目「CODE for Fun!」 では、グループワークでプログラミングコンテストを行います。

「社会に有用なアプリをチームで作成し、校内の大会でユニークな作品を表彰します。事業化実習でのデザイン思考とチームで仕事に挑んだ経験にこのプログラムが加わることで、実社会でビジネスを生み出すハードルを大きく下げることができます。生徒たちは卒業して大学に進むわけですが、大学の先生もプログラミングができる生徒は大歓迎なんですよ」(副校長/山口先生)

 来春スタートの新科目は、これまでの『創造性教育』の効果をさらにパワーアップさせるものになるでしょう。

2026年度 新科目
5年生(高2)「情報数学」

 高2以降で文系を選択した生徒が対象。数学の考え方をプログラミングに活かすための、文系目線の授業です。


5年生(高2)「CODE for Fun!」

『創造性教育』で学んだデザイン思考を活かして、社会に実装する新たなアプリ、システム、ロボットなどの企画をチームで創り上げます。学内の「ICTビジネス企画コンペティション」に挑み、外部コンテストにも積極的に挑戦します。

こだわり その2
教員が意識する「生徒の興味を引く授業」

『創造性教育』を実践するうえで、生徒の興味を引くために心がけていることを理数系科目の先生方に聞きました。

 2019年に全普通教室から黒板を取り払って、黒板の無い教室が実現。数学科の坂本先生は、I C T化が進んだことをきっかけに数学が好きになった生徒も多いと言います。

「本校の数学は、教員が板書しながら講義するスタイルではなく、“みんなで話し合って挑戦する数学”なんです。特に文系では数学を得意とする生徒は多くないですが、授業が楽しいと言ってくれる生徒はたくさんいます。女子はグループで話しながら考えるほうが強みを発揮しますね。授業中、私は黒子に徹しています」

 中2でロボット制作を体験する同校ですが、生徒が物理に親しめるようさまざまな工夫をしているのは理科の明石先生。

「物理の授業では、動画やKeynoteというアプリを使って、できるだけイメージを共有するようにしています。昨年は情報科と理科の先生が一緒に、高1生とロボットハンドを作ってじゃんけん大会を開催しました。ものを動かすのは物理の領域だということを生徒に気づいてほしくて行ったのですが、その学年は例年より物理選択者が多いですね。物理を好きになる生徒がもっと増える仕掛けを常に考えています」

 プログラミングはアイデアを形にするためのツールなので、楽しんで習得してほしいと話す情報科の山岸先生。

「クイズや謎解きを取り入れて、生徒が自分事として捉えられるような授業を行っています。この分野は日進月歩で常に更新されていくので、私も生徒と知識を共有しつつ、楽しみながらで学んでいます」

グループで話し合って正解を模索する、坂本先生による数学の授業。
明石先生(右上)が担当する物理の授業。ロケットを飛ばす実験中。
高1生と作ったロボットハンド。
進学通信 2025年8月号
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