私立中高進学通信
2024年7月号
大学合格力強化計画
二松学舎大学附属柏中学校
教員全員参加の
個別最適な「進路支援」で
希望進路の実現をめざす
自学自習ができる『学習クラブ』には、卒業生チューターが常駐し、質問も可能です。
外部講師を招いて行う『放課後講習』(有料)では、応用問題や発展問題に挑戦します。
「論語」を軸に自己を探究
『自問自答論文』を作成
「この内容をベースに推薦に必要な志望理由書を作成する生徒も多いですね」(古川先生)
建学の精神に『一世に有用なる人物の養成』を掲げる二松学舎大学附属柏は、豊かな心と温かな思いやりを育む「論語教育」と、自ら探し、自ら学ぶ「探究教育」を特色としています。
「本校で行うのは『進路指導』ではなく、生徒が自ら希望進路を実現するための『進路支援』です。大学合格を目標にするのではなく、 “自分の幸せが他者の幸せにもつながる”社会へと貢献する生き方を模索してもらうことが目標です。そのためにまず『自分を知る』ステップから始め、人生の『軸をつくる』をキーワードとした進路支援を行っています」と、進路部長の古川洋平先生は話します。
中1から「論語」を学び、素読・暗唱を通して社会での振る舞いや生き方を探究し、中3では、問い→仮説→調査→結論→発表のプロセスを経て、約8000字の自問自答論文を作成し、7分間のプレゼンテーションに挑戦します。
「『南極に花は咲くのか?』『手賀沼と鳥』など、研究テーマは生徒が自由に設定できるため千差万別です。論文執筆の際には、生徒一人ひとりに指導教員がつきます。全学年の教員が教科や得意分野に応じて担当し、テーマ選びや仮説、結論に至るまでの道筋をていねいに支援します」
また、中3・高1・高2を対象に、同校の卒業生や保護者を招いて仕事のやりがいなどについて語ってもらう『プロフェッショナルに学ぶ』などの進路行事も実施。身近なロールモデルから仕事のやりがいについて学ぶ機会を設けています。
高1で文理選択を行い、高2の3学期には『第一志望宣言書』を提出します。『自問自答論文』を通して見つけた好きなことや得意なことが、進路選択のベースになる生徒が多いといいます。
進路支援には全教員が参加
生徒一人ひとりに働きかける
進路支援でも、中高を問わず全教員が参加するのも大きな特徴です。各教員の得意分野を活かし、志望理由書の作成や面接の練習などへの支援を行います。
「個々の生徒にとってのより良い支援を考え、中高の枠を越えて指導教員を配置しています。二者面談や三者面談、クラス懇談会、進路講演会などでの具体的なアドバイスはもちろんのこと、日常的な見守りやサポートも大切にしています」
学習記録を管理するアプリに生徒が悩みや自信のなさをコメントした場合は、指導教員が励ましのメッセージを送ったり、課外時間に学習進捗について声をかけたりする場面も見られると古川先生。日頃のきめ細かなサポートにより、生徒は自分の頑張りを教員に “見守ってもらえている”と安心感をもつことができるのです。
得意なこと、やりたいことを進路につなげる指導を大切にした結果、理系大学に挑戦する生徒が増えており、5年前は1クラスだった理系クラスが、現在は3クラスまで増加しています。
「たとえ理系志望者であっても、国語は最後まで手を抜かせません。二松学舎はそもそも、論語をはじめ国語に非常に力を入れている学校です。言葉を大切にし、文章を読み解くだけでなく、自分の気持ちや意見を書かせる機会も大切にしています」
近年は、理系入試においても長文読解の出題があり、読解力や論理的思考力が求められています。徹底した国語力の育成は、同校ならではの強みといえます。
生徒の“得意”を伸ばす支援で
希望進路実現率が大幅アップ
同校では、『大学合格実績』ではなく『希望進路実現率』を重視し、生徒の希望進路を叶える支援を重視しています。そうした支援は、大学合格実績の伸長にも結び付き、国公立・早慶上理・GMARCH・難関女子大などへの合格者数は、2019年度の25名から、2023年度は120名まで増加しました。いずれも現役生の実績数値です。この5年間で大幅に飛躍していることがわかります。
今後は模試成績のデータ分析を強化し、生徒一人ひとりによりフォーカスした個別最適な進路支援を行っていきたいと古川先生。
「本校には、成績の良しあしに限らず、優れた人格や個性をもつ生徒が多くいます。それぞれの個性や得意分野を見逃さず、伸ばしていくためにどんな支援ができるのか、全教員で考えていきたいと思います」
「過去には、自問自答論文でディズニーランドの『おもてなし精神』を探究した生徒が、医療系の進路をめざすようになった例もありました。必ずしも進路に直接つながらなくても、生徒たちは論文作成を通して、自分のやりたいことを探り、社会につなげる方法を模索しています」(古川先生)
2023年度 進学実績(抜粋)
大学名(国公立大学) | 総数 |
---|---|
千葉県立保健医療大学 | 1 |
東京都立大学 | 2 |
静岡大学 | 1 |
国立看護大学校 | 1 |
千葉大学 | 4 |
愛知県立大学 | 1 |
東京学芸大学 | 1 |
大学名(私立大学) | 総数 |
---|---|
二松学舎大学(附属大) | 44 |
早稲田大学 | 5 |
慶應義塾大学 | 3 |
上智大学 | 4 |
東京理科大学 | 11 |
明治大学 | 18 |
東京女子医科大学 | 1 |
青山学院大学 | 9 |
立教大学 | 14 |
法政大学 | 21 |
中央大学 | 12 |
学習院大学 | 5 |
同志社大学 | 1 |
関西大学 | 1 |
立命館大学 | 2 |
芝浦工業大学 | 9 |
星薬科大学 | 1 |
明治学院大学 | 9 |
國學院大學 | 14 |
成蹊大学 | 1 |
成城大学 | 14 |
獨協大学 | 32 |
武蔵大学 | 9 |
津田塾大学 | 3 |
東京女子大学 | 5 |
日本女子大学 | 11 |
東京農業大学 | 6 |
東京電機大学 | 2 |
順天堂大学 | 12 |
東邦大学 | 9 |
工学院大学 | 1 |
専修大学 | 12 |
日本大学 | 54 |
東洋大学 | 42 |
駒澤大学 | 13 |
武蔵野大学 | 22 |
文教大学 | 15 |
自分で限界を定めず挑戦を促す進路支援
古川洋平先生
生徒たちに日頃伝えているのは、自分の得意分野を活かせる、行きたい大学を第一志望にしてほしいということです。生徒たちの意識も年々変わってきており、附属大学への進学率は例年10%未満。「やりたいことにそぐわないから」と、著名な大学の指定校推薦枠を使わない生徒も増えています。
附属大学への推薦枠を保持しながら他大学受験をすることも可能ですので、自分の可能性を狭める“できま線”や“なれま線”を飛び越えて、さまざまなことにチャレンジしてほしいですね。
(この記事は『私立中高進学通信2024年7月号』に掲載しました。)
二松学舎大学附属柏中学校
〒277-0902 千葉県柏市大井2590
TEL:04-7191-3180
進学通信掲載情報
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