Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!
LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト

X フェイスブック

私立中高進学通信

2025年8月号

中学入試のポイント

東邦大学付属東邦中学校

教科・単元の偏りなく
努力する力を見る

 同校の前期入試の方針は「努力が報われる入試」です。教科や単元の偏りなく全体的に出題されるため、いわゆる「本番での一発逆転」が起こりにくい入試となっています。

算数は実際に
手を動かす姿勢が大事

「自然」「生命」「人間」の尊重を建学の理念とする東邦大学付属東邦では、例年、定員の8割以上を募集する前期入試が、4教科各100点・各45分で実施されます。前期入試の特徴について、高校数学科の土田雄大先生に伺いました。

「4教科とも全ての分野をまんべんなく問う出題方針です。配点の偏りもありません。もちろん算数も同様で、比、数の性質、平面図形、立体図形など、もれなく出題します。さらに算数では、基礎にある程度の深さを足した難度の問題を、スピーディに解く力を求めています。大問の数を絞って考え抜かせる学校もありますが、本校では毎年、6~7の大問を設けて解答の速さを測ります。深さという点では、基礎に要素を1つ加えることを意識しています。例えば昨年の大問2、(3)のように多くの受験生が得意とする『時間・距離・速さ』の問題であれば、そこに『ガソリンの燃費』といった要素を入れると歯応えが出てきますね」

 今回紹介する大問4は、比と立体図形の2つが組み合わさった問題で、なるべく多くの分野から出題するという同校の方針を象徴するものです。中学数学科の田中丈博先生は、次のように補足します。

「努力する力を見ることを強く意識しています。この大問4には設定が3段階あって、段階に応じてグラフの動きが変化します。一見すると面倒に見える問題文ですが、ていねいに読み解けば計算自体は簡単なんです。中学受験特有のテクニカルなスキルではなく、粘り強さが必要になるでしょう。また、平面図形の角度や面積を求める問題では、『普段から2種類の三角定規を組み合わせて遊ぶような子なら解けるだろうな』などと想定して出題することも。手を動かす努力を惜しまないことも重要です」

「大問3から6にかけては、全ての大問で小問1に正解し、そのうえでどれか1つの大問を完答するぐらいが合格ラインです。算数が苦手な受験生でも諦めずに努力すれば、何とか到達できるレベル設定です」(土田先生)

国語は記述問題なし
書く力は入学後に養成

 国語については、高校国語科主任の大塚敏久先生に伺いました。

「漢字の書き取りはただ書ければよいというものではなく、意味を理解して語彙として使える状態になっているかを重視します。それもあって漢字のみで大問をひとつ設けず、論説文や文学的文章の中で問う形式に。今回挙げた問題の傍線部『セイなるもの』の正解は『聖なるもの』ですが、ここを正しく『聖』と判断できるかどうかが文章全体を読み解くカギになっています。『聖』という漢字自体は難しくありませんが、意味を正確に理解していないと、書き取りの正答までたどりつけません。例年、そうした部分をねらって設問しています」

 長文読解の問題については、気になる傾向があるそうです。

「部分的な読解は中学受験のテクニックで正解できるのに、文章全体の理解については不十分な受験生が増えています。そこで本校では読解の最後の小問で、文章の大意を聞く問題を必ず設けています」(大塚先生)

 中学国語科の寺﨑信之先生も次のように続けます。

「ただ単に『点を取ろう』『合格しよう』ではなく、『せっかく出会った文章なのだから、全体の意味をつかんでみよう』という姿勢がほしいところ。国語でも、そんな努力を惜しまない勤勉さが求められます。本校の読解問題の本文は、他校より短めなところが特徴ですが、以上のような意味もあってのことです」

 国語の特徴として、記述問題がないことも挙げられます。

「記述問題は採点基準の設定が困難で、入試の公平性を担保するのが難しいため、本校では、記述力は入学後に鍛えればよいというスタンスをとっています。もちろん、大学入試やそれ以降の学びにおいて書く力は大切ですし、本校には医学部志望者も多く小論文の対策などは欠かせません。ですから、高1で文章の要約、高2以降で自分の意見を文章にまとめる時間などを十分に設けています」(大塚先生)

進学通信 2025年8月号
紹介する学校
共学校 共学校   女子校 女子校   男子校 男子校
この号のトップに戻る 進学通信一覧を見る
ページトップ