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私立中高進学通信

2025年8月号

私学の先生だから数学・理科・情報が面白い!

千代田中学校

大学レベルの研究に取り組み
新しい価値の創造をめざす

研究コースの生徒は実際の研究者と同じ機材を利用して、大学レベルの研究に挑戦しています。

本年度から「研究コース」と
「開発コース」が始動
理科・環境DNAラボ 名取 慶 先生理科・環境DNAラボ
名取 慶 先生
国立がん研究センターで研究に従事していた経歴をおもちです。

 1888年に創立された千代田。130年以上の歴史を誇る同校では、伝統を重んじつつも、時代を牽引する新たな挑戦として「研究コース」と「開発コース」を新設し、注目を集めています。

「『研究コース』は、基礎研究や応用研究を通して0から1を生み出すための研究マインドを磨くコースです。理数分野の専門家の指導を受け、本格的な研究活動を行います。『開発コース』は、グローバルな課題の本質を捉え、課題解決に向けて実際に行動しているフロントランナーと学び合います。そしてさまざまな知見や技術を組み合わせて『1を10に』することに挑戦します」

 そう話すのは、研究コースで「環境DNAラボ」を担当する名取慶先生です。

「研究コースの生徒は、12のラボのいずれかに所属し、第一線で活躍する研究者や医師らと共に研究活動を進めています。そして、この2つのコースの基盤を支えるのが日々の授業です。理科の授業では中高一貫校の強みを生かして、カリキュラムにも工夫を加えています」

本格的な研究活動を支える
中高一貫を生かした授業

 そうした生徒たちが学ぶ理科の授業は、実験や学習内容の順番などに工夫をこらしていると名取先生は話します。

「中学では、生徒が理科をワクワクしながら学べるように、週1回のペースで実験を行っています。
 また、学習内容を深く学べるように、学ぶ順番も調整しています。例えば教科書では『光』の後で『音』を学びますが、本校では同じタイミングで学びます。その理由は、音の速さと光の速さの測定原理が同じだからです。そこで、まず音の速さを実験的に測定したあとに、1843年に光の速さの測定に成功した『フィゾーの実験』を扱います。本来は高校で扱う内容なのですが、『この時代の科学者になったつもりで、実験の手法を考えてみよう!』と言うと、生徒たちは研究者になりきって楽しそうに考えてくれます。
 このように楽しみながら学びを深め、気づいたら高校や大学の内容に触れているのが本校の特徴です。こうした授業を通して、生徒たちは研究マインドを醸成し、本格的な研究活動の下地を作っていきます」

こだわり その1
本格的な研究に専門家と共に挑む

 小中学生のうちからやりたいことが明確に決まっている人はまれなため、中学の研究コースではまず1年の前期に12のラボに自由に参加してもらい、時間をかけて自分の所属ラボを選択します。ラボを決めたあとは大学の研究室に所属するのと同じように日常的に研究活動を続けています。

 ラボのバラエティは豊かで、映像制作を通して心を動かす表現を追求する「メディアラボ」、新時代の経営課題に挑戦する「経営戦略ラボ」などがある一方で、「構造生物学ラボ」や「数論ラボ」など理数系のラボも人気があります。

 そのうちの一つ「共創AI・英語サイエンスラボ」は、元ソニー・エリクソン副社長でXperiaの生みの親、現在はシリコンバレーのSomniQという会社のCEOである坂口立考氏が講師を務めるラボです。発明技術とデータサイエンスに基づく共創AI「エンパシーム(気づかせるしくみ)」を活用し、英語のフレーズの発話練習を行っています。自身の「音の認知」を視覚化・分析し、つまずきも、前に進む力も、カギは自分のなかにあることを実感することで、日々の実践を具体的な成果へつなげます。自らのリアルな実践の現場を土台に、英語習得のしくみを実証的に探究しています。

 ほかにも、「幹細胞ラボ」は再生医療に発展する組織幹細胞に注目。分子生物学や発生工学を主軸として、遺伝子操作や細胞培養などの本格的な実験手法を駆使し、生命現象を分子レベルで解明することを目標として研究活動に取り組んでいます。

「本格的な研究活動を行うことのできる専門家が集まり、環境も整いました。私たちは中高生でも世界に新たな価値を生み出すような研究ができると信じています。生徒たちには自分の力を信じて、楽しみながら研究に邁進して欲しいと願っています」(名取先生)

医療から人文科学まで、バラエティ豊かな12のラボで本格的な研究開発に挑戦します。
生徒たちは本気で研究活動に取り組み、世界に貢献することをめざして奮闘しています。
こだわり その2
研究を通して東京大学とも意見交換を行う

 環境DNA分析とは、環境に漂うDNAを分析することで、その環境に生息する生物の種類や量を推定する技術です。環境DNAラボでは生物多様性の素晴らしさを科学的に証明することをめざして日々研究を続けています。

 環境DNAラボのチームのなかには、深海に生息し、ジュエリーとしての価値もある「宝石サンゴ」に注目したチームがあります。宝石サンゴはその立体的な形状から、ほかの生物のすみかとしても役立ちます。そこで、その周囲の生態系を調べれば新種の発見につながるのではと考え、研究を始めたそうです。

「水産庁の調査結果をみると、宝石サンゴの群生地は容易に特定できないことがわかります。そこで環境DNA分析におけるアプローチが効果的ではないかと思い至ったわけです」(名取先生)

 調べてみると、環境DNA分析による宝石サンゴの調査を東京大学がすでに実施しており、有意な結果を得られていないことがわかりました。

「生徒たちは、東京大学が同じ研究をしていることに興奮していました。そして、その成果報告を見て、もっと良い方法があるのではないかと、論文調査を進めました。そして2025年4月末に研究室訪問を行い、改善案をプレゼンして研究に対する意見をもらうことができたんです」(名取先生)

 意見交換を行った生徒たちですが、宝石サンゴの調査にあたって社会的な課題に突き当たったそうです。

「厄介なことに外国船による宝石サンゴの密漁が横行しており、生息域を特定する研究は公開が難しいという指摘をもらいました。ですが生徒たちは、自分たちの研究に対して的確な意見をもらえたことを喜んでいます。成果を出すことはもちろん大切ですが、研究を通してほかの視点を獲得し、生徒たちの視座が上がる良い機会になったと考えています」(名取先生)

外部の研究者に連絡をとり、同じ「研究者」の立場で意見交換をすることも。
英語の学術論文にも挑戦。「キーワードさえ理解していれば、中高生でもかなり読めるようになります」(名取先生)
進学通信 2025年8月号
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