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私立中高進学通信

2022年1月号

中学入試のポイント

東邦大学付属東邦中学校

入試は学校からのメッセージ
問いを止めない姿勢を重視

中高6年間では、身につけた知識を問題解決のためにどう使うかを思考することが成長につながります。入試でもその力があるかどうかが試されます。

知識よりも問題解決のための思考力を

「『自然・生命・人間』の尊重」を建学理念とする同校では、「プロセス重視の学習」を特徴としています。知識を身につけるだけにとどまらず、なぜその事象が起こるのか、課題解決のためにはどうしたらよいのかなど、常に科学的視点で疑う姿勢を大切にしています。

 入学時にそうした姿勢をもっている生徒は、中高6年間で大きく成長します。そこで同校の入試では、「知っている」ことに固執せず、「問うこと」を止めない生徒かどうかを見極める出題をしていると言います。

 具体的にどのような出題がされるのか、広報部長の岡田美秀先生と、理科主任の藤原加苗先生に伺いました。

「本校は3回の入試を4教科で実施します。どの教科も知識だけで解答するものではなく、知識を用いてどういうことができるかを試されます。以前から変わらないこの作問スタイルは、本校から受験生へのメッセージでもあります」(岡田先生)

 具体的に、学校からどのようなメッセージが発信されているのでしょうか。左ページに掲載した問題は、2021年度入試の理科で出題された問題です。体内で尿がつくられる過程を説明し、そのうえで、原尿から毛細血管に再吸収される量などを考えさせています。

「この問題を見て、『人体の話で、自分にはその知識がないから答えられない』と諦めてしまう受験生がいるかもしれません。しかし実は、この問題は人体の仕組みについての知識を問うているのではありません。文章中に出てくる用語を知らなくても、問題文をよく読んで事象を整理し、どうすれば解答に至るかを落ち着いて考えれば、正答できる問題です。

 3つの小問の答えは、どれも計算で求められますが、その計算自体は難しくありません。ただし、事象をうまくつかむことができないと、時間がかかってしまって正答できないかもしれません」 (藤原先生)

 同校の理科は、多くの実験を通して、予想を立て、課題の解決方法を思索し、結果からわかることは何かを考える過程を大事にしています。仮に実験に失敗しても、その原因を考え、レポートにまとめます。実験を通して思考することを重視する入学後の教育に、耐えられる生徒かどうかが入試の段階で試されているのです。

理科でも必要な
文章読解力

 同校の入試では、文章を読み取る力が大切になってきます。理科の問題でも、2ページにわたって問題文が続くこともあるからです。限られた時間のなかで、素早く的確に長文を読み取らなければなりません。文章読解力といえば国語で必要な力だと思われがちですが、すべての教科で基礎となる力なのです。

 同校をめざす受験生は、普段どのような生活をしているとよいのでしょうか。

「例にした問題では、たとえば料理など、家の手伝いをしているとよいかもしれません。レシピには4人分の分量が書いてあるけれど、3人分を作るにはどうしたらよいか。濃さが変わって、中に含まれている成分の量がどうなったかという経験をしていると、問題で問われていることをイメージしやすいと思います」(藤原先生)

 一般的な中学入試では、理科や社会科は、知識があればかなり正答できる問題ですが、同校の場合は、普段から身の回りのものに対してさまざまな疑問を抱いているかどうかが試されるのです。

「入試では、知識量の多さを問うつもりはありません。知識を何にどう使うかが大切です。そのためには学びを止めずに、コツコツと取り組む習慣をつけていただきたいです。中学受験がひとつの区切りであることは確かですが、入学後のこと、さらにその先のこともイメージしながら学習に取り組んでほしいですね。自分の内に芽生えた疑問は大切にしてください。ひとつの学びを基点に、それが次にどう進むのかというサイクルができてくると、入学後の6年間が大きく違ってきます」(岡田先生)

 子どもはあらゆることに「なぜ?」「どうして?」と尋ねます。そんな気持ちを失わないことが、成長につながるのかもしれません。

進学通信 2022年1月号
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