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私立中高進学通信

2021年4・5月合併号

校長が語る 自立へのプロセス

東邦大学付属東邦中学校

「社会のために、自分に何ができるのかを
6年間で探ってほしい」

松本 琢司(まつもと・たくじ)校長先生
早稲田大学第一文学部で西洋史学を専攻。
1979年、東邦大学付属東邦高等学校に奉職し、世界史・倫理を担当。
進路指導部部長、広報部部長などを経て、2014年に高等学校教頭、2015年4月から現職に就任。

広く深い学びを通じて
高い倫理性と豊かな人間性を培う
自立のための3つのポイント
  1. 広く深い学びを通じて高い倫理性と豊かな人間性を培う
  2. 感性で捉えたものを理性に高めて理解する
  3. 中高完全一貫教育でプロセス重視を徹底した学びを

 本校の教育は人間形成を第一義に、大学に進学し社会に出てから直面するさまざまな問題に、対応できる総合的人間力の育成をめざしています。そのため「文系志望は文系だけ、理系志望は理系だけを学習すればいい」ということではなく、学びの幅を大きく広げ、知識や教養の裾野を形成する「リベラルアーツ型教育」を実践しています。

 本校にとって、授業は日々の学習活動の中心にあるもので、非常に大切です。大学入試に特化し、盲目的に知識だけを詰め込んでも、広い意味での学力は養われません。教員が質の高い授業を行って、学ぶことの楽しさを伝えていくなかで、必要な力が自ずと身についてくると考えています。

 また、中高の6年間は知識の吸収だけではなく、心身や身体の成長にも大切な時期です。幅広い知識・教養に加え、豊かな感性を培い、心身のバランスのとれた成長を促すために、学校行事や部活動に励むことも奨励しています。実際に、市や県の代表として上位大会に進出する部活動がたくさんあります。

 行事や部活動などの多様な経験は、多角的に物事を捉える力を養い、学習だけでは培うことができない高い倫理性と、豊かな人間性を育んでいきます。

感性で捉えたものを
理性に高めて理解する

 リベラルアーツ型教育では、単に知識を幅広く学ぶのではく、体験によって物事を感じ取る「感性」を磨き、その奥にある真理や法則を解き明かそうとする「理性」へと高めていくプロセスを大切にしています。人から知識を教え込まれるのではなく、自分の目と手で確かめることが重要です。

 例えば、理科の授業では、中1から実験や観察をしっかりと行うのが本校の特色です。中学校は学年ごとに理科実験室があり、高校には生物・物理・化学それぞれ2つの実験室と天体観測室があります。

 とくに化学の実験室は高度な排気設備を備えており、さまざまな実験に対応できます。生徒自身が器具選びから操作方法まで考え、計画を立てて実験をするなどの発展学習も行っています。

 体験重視の本校の取り組みは、自然科学分野にとどまりません。体験型の国際理解教育も、本校の特徴のひとつです。毎年実施しているシンガポール・オーストラリアでの海外研修に加え、一昨年からはオーストラリア・クイーンズランド大学海洋研究所をはじめとする施設を訪れ、専門性の高い学びを体験する『サイエンスコース』もスタートしています(※1)。

 海外でのプログラムのほか、米国ハーバード大学の学生を本校に招いて、英語で3日間を過ごす『SLICE』(※2)、オーストラリアの姉妹校やシンガポール、米国からの高校生のホームステイ受け入れもしています。とくにオーストラリアの姉妹校であるSt Peters Lutheran Collegeとの交流が盛んで、St Petersの生徒が来日し、部活動や授業で一緒に活動をする機会もつくっています(※3)。

 また、『東京探見・物語散歩』などの課外活動も多く行っています。さまざまな著作に接し、感動を得たら、その街、その場所を訪れてみたいと思いませんか。歴史や物語の舞台となる場所を訪れ、その背景を知り、追体験することで、より深い理解につなげてほしいと思います。現代風には「聖地巡礼」ともいいますよね。この衝動を得ることが何よりも大事な学問の動機になるはずです。

 本校が実施している大学での『学問体験講座』や、東邦大学医療センター佐倉病院で外科手術が体験できる『ブラックジャックセミナー』も、さまざまな角度から豊かな感性を培い、そして理性の学びへと結んでいく試みのひとつです。

※1・※2・※3…いずれも2020年度はコロナ禍のため、中止となりました。

※2 SLICE…「Summer Life Changing Experience with Harvard students」の略称。ハーバード大学の学生と共にさまざまな思考方法について英語で学ぶワークショップ。

中高完全一貫化で
プロセス重視の徹底した学びを

 本校は2017年度より中高完全一貫校となりました。中高一貫化によりカリキュラムの二重構造を解消し、効果的な学習活動を行えるようになったのはもちろんですが、私たちが最も重視をしているのは、この改革により「プロセスを重視した徹底した学び」を提供できることにあります。

 先にお話ししたように、本当の知識は自ら体験・経験し、「なぜそうなるのか」という問いを繰り返すことにより、獲得されるものです。この「思考プロセス」を、私たちは徹底的に重視します。

 残念ながら、現代社会はこのプロセスを省略し、結果だけを得ようとする傾向があります。これからの学問研究や、社会で新たな問題に立ち向かっていくためには、問題解決のための「思考の過程」をしっかりと身につけておく必要があります。

 私たちのなかには、まだ「答えの出ない」事象がたくさんあって、それを受け止めた上で解決への道のりを探っていかなくてはならない。「問題解決能力」と言い換えることもできますが、これを自らのものにするためには、主体的な学びと時間が絶対的に必要なのです。

 AIが活躍する時代、地球的規模で問題が山積する時代であるからこそ、求められるのは総合的な「人間力」です。「答えの出ない事態」に直面し、それに耐えられる人間力を自らの中に醸成することで、未来を逞しく築いていただきたいと思います。

のびのびと過ごせる広大な敷地には、最新の全面人工芝のグラウンドが。
屋根付きの観客席も備え、このほかにハンドボールコートが3面、テニスコートが5面、野球場も別にあります。

自立のための取り組み
最先端の研究を体験できる
『学問体験講座』

 隣接する東邦大学理学部・薬学部で最先端の学問を体験できる『学問体験講座』は、大学付属校である同校ならではのプログラムです。大学で行われている授業や実験などが体験でき、生徒たちの好奇心・知識欲を刺激します。

 なかでも、医学部志望者に向けて毎年、開講されている『ブラックジャックセミナー』では、東邦大学医療センター佐倉病院で、外科手術の模擬体験など、実際の医療現場で行われている最新の医療技術を体験できます(高1の希望者30名が対象)。

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