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私立中高進学通信

2025年1月号

私学だからできるオリジナル教育

東邦大学付属東邦中学校

生徒の好奇心を刺激する
高大連携『学問体験講座』

薬学部の講座で、錠剤の性質を調べるための「崩壊試験」に取り組む生徒。錠剤が、2種類の異なる溶液のなかで溶けるかどうかを調べています。

薬学部の講座で、錠剤の性質を調べるための「崩壊試験」に取り組む生徒。
錠剤が、2種類の異なる溶液のなかで溶けるかどうかを調べています。

大学の本格的な学びに触れる『学問体験講座』を7月・11月・12月と、年3回実施している同校。中1から高3まで、希望制で参加可能な同講座を取材しました。

学問と社会の関わりを知り
進路を考える入り口に
「生化学で学ぶ酸化還元反応」の講義を受ける生徒たち。理学部で学ぶ「生化学」は、病気の診断や治療にも貢献していることを学びました。「生化学で学ぶ酸化還元反応」の講義を受ける生徒たち。理学部で学ぶ「生化学」は、病気の診断や治療にも貢献していることを学びました。

「自然・生命・人間」を建学の理念に、プロセスを重視した6年間の幅広い学びを“自分探しの旅”と捉え、リベラルアーツを重視したカリキュラムを展開する東邦大学付属東邦。近隣に位置する系列の東邦大学や他大学とも連携し、最先端の理数系学問を体験する『学問体験講座』を、年3回実施しています。同講座のねらいについて、広報部長の岡田美秀先生は次のように語ります。

「専門性の高い大学での学問は、社会とも深いつながりをもっています。自分が関心をもつ学問分野が私たちの生活にどのように役立っているかを、中高生のうちから知ることができる貴重な機会です。今勉強している内容とのつながりが見えてくることで、日常の学習への意欲も高まるのではないでしょうか」

 2024年の夏休みには、2つの学問体験講座が行われました。1つは、東邦大学理学部生物学科生化学研究室の松本紋子准教授による「生化学で学ぶ酸化還元反応」講座です。中1から高3まで、約50名が参加。難易度が高い座学の講義にもかかわらず、中学生たちも真剣な表情で聞き入っていました。

 もう1つは、東邦大学薬学部の伊藤雅隆准教授、鈴木浩典講師による実験「錠剤の性質を調べよう」です。定められた条件で錠剤が規定時間内に崩壊するか否かを判定する「崩壊試験」と、錠剤の硬度を測定する「硬度試験」の2つの実験を体験しました。

 7割の生徒が理系に進学する同校。このほかにも、「アロマテラピーの有効性」「DNA鑑定による個人識別」「がんの遺伝子検査」「バズリの科学」、東邦大学医療センター佐倉病院で行う「外科手術体験セミナー(ブラックジャックセミナー)」など、本格的でハイレベルな学問体験講座を実施しています。

「一つの学問領域との出会いが、他分野へと興味を広げることは、学問の醍醐味です。『学問体験講座』は、生徒が将来自ら進むべき道へと誘ってくれます」

理学部
仕組みを理解して
批判的視点の大切さを学ぶ
「生化学で学ぶ酸化還元反応」講座
緑茶のほか、りんごの変色も酸化が原因で起こることなど、身近な例を交えながら生徒の興味を引き出す松本紋子准教授。緑茶のほか、りんごの変色も酸化が原因で起こることなど、身近な例を交えながら生徒の興味を引き出す松本紋子准教授。

「生化学で学ぶ酸化還元反応」は東邦大学理学部の松本准教授が講義。中学理科で学習する「酸化還元反応」の仕組みや、身近にある酸化還元反応の例を解説しました。例えとして、緑茶を放置すると黄色くなるのは酸化が原因で、市販の緑茶には酸化防止剤としてビタミンCが添加されていることなどが紹介されました。

 講義後半には、「健常者にとって、水素水は本当に効果的か?」など、インターネットなどにあふれる「健康情報」の信ぴょう性について触れる場面もありました。

「巷にあふれる健康情報が本当に正しいのか、一度立ち止まって考える習慣をつけてほしいという思いを込めました」(松本准教授)


生徒インタビュー

「生化学で学ぶ酸化還元反応」の講座を受講した生徒たち。「お茶が茶色くなるのは酸化が原因だと初めて知りました」「難しい内容でしたが、講座のなかで段階的にレベルが上がっていったので、理解しやすかったです」「もともと理科が好きなので参加しました。今後も、いろいろな学問体験講座に参加してみたいです」など、感想を話してくれました。

薬学部
大学院生のサポートで
高度な実験にチャレンジ
「錠剤の性質を調べよう」講座

 東邦大学薬学部の先生方が指導する「錠剤の性質を調べよう」の講座では、2つの実験にトライ。「崩壊試験」では、胃液、腸液を模した液体をそれぞれ「崩壊測定器」に満たし、錠剤を入れて崩壊するまでの時間を調べます。「硬度試験」では、「モンサント硬度計」を使って1人2錠の硬度を測定し、各グループの平均値を求め、グループごとの実験結果をホワイトボードの表に記入して比較考察しました。各グループに1名、大学院生のサポートがつき、実験の進め方や器具の使い方を指導。大学での学びがより身近に感じられます。

 中1から高3まで約20名の生徒が参加し、「持病があって毎日錠剤を飲んでいますが、仕組みがわかってもっと身近になった」「薬を飲むときの注意点の理由がわかったのがよかった」などの感想が聞かれました。

冒頭に伊藤雅隆講師から、錠剤には胃で溶けるものと腸で溶けるものがあり、薬の用途により使い分けられていること、錠剤の硬度の重要性についての解説がありました。冒頭に伊藤雅隆講師から、錠剤には胃で溶けるものと腸で溶けるものがあり、薬の用途により使い分けられていること、錠剤の硬度の重要性についての解説がありました。
鈴木浩典准教授が、錠剤の硬さを測定する「モンサント硬度計」の使い方レクチャー。生徒たちは初めて見る器具に、興味津々です。鈴木浩典准教授が、錠剤の硬さを測定する「モンサント硬度計」の使い方レクチャー。生徒たちは初めて見る器具に、興味津々です。
胃液・腸液と同じ成分の液体に錠剤を入れ、崩れるまでの時間を「崩壊測定器」で測ります。目に見えて違いがわかり、生徒たちも興奮!胃液・腸液と同じ成分の液体に錠剤を入れ、崩れるまでの時間を「崩壊測定器」で測ります。目に見えて違いがわかり、生徒たちも興奮!
先生からひとこと
興味・関心を
学びの意欲につなげて
広報部長/岡田美秀先生広報部長/岡田美秀先生

 学問体験講座は、大学での本格的な学びを体験し、自分の興味・関心を発見する“気づき”の場として設定しています。面白そうな講座があれば、積極的に参加してもらいたいです。そこで学んだことを、日常の学習へのモチベーションや進路選択につなげてほしいですね。

進学通信 2025年1月号
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