私立中高進学通信
2025年7月号
海外大学・国際系学部への道
八雲学園中学校
時代に先駆けた英語教育
海外大学合格者数も急上昇
			
		
			 
			2023年にケニアで開催されたラウンドスクエア国際会議にて。
同校からはIさんを含む9名が参加。写真は各国の生徒たちとIさん(左手前)。
創立者の思いを受け継ぎ
グローバル教育を重視
2025年で創立87年を迎えた八雲学園。「グローバル教育」「文化体験」「チューター制度」「進路指導」の4つの特色を中心に指導を展開し、グローバルに活躍できるリーダーを育成しています。
「1920年代にアメリカへ渡り事業を興した創立者が、当時のアメリカ女性の社会進出を目の当たりにし、これからは日本女性にも英語が必須になるという信念から本校を設立しました。創立の地点からグローバル教育に力を入れていた学校といえますね」(副校長・英語科/近藤隆平先生)
2020年から同校が導入した海外協定大学推薦制度(UPAA)は、高校の成績や英語力を基準として、アメリカ・イギリス・オーストラリアなどの協定大学で推薦入試を受けられる制度です。近藤先生は導入の経緯をこう語ります。
「2019年、英語の取り出し授業を始めた翌年にUPAAを導入しました。私自身も海外大学に進学しましたが、私の時代は海外の大学に進む人はごくわずかで、一般的には敷居が高いイメージだったと思います。しかしこのUPAAを活用すると、日本の大学も海外大学も選択肢に含めたまま、同時進行で併願受験ができます。日本の大学は4月入学で海外大学は9月入学なので、余裕をもって進路を決められますし、海外大学は3月末まで入学の意思を待ってくれるため進路の選択肢が広がります。導入当時は38校でしたが、現在は55校と大学数も増えました」
本人や保護者と
しっかり話して進路を決める
年を追うごとに海外大学の合格者数が増えている同校ですが、実際に進学する生徒はそれほど多くはありません。
「本人や保護者としっかり話し合います。I祐奈さんもシドニー大学を含め計6校に合格しましたが、最終的には早稲田大学進学を決めました。海外大学はあくまでも選択肢の一つ。日本の大学を受験する際にも、海外大学の合格を手にしていることは本人の自信にもなります。学校側はできる限りの支援をしますが、海外大学への進学には強い意志と覚悟が必要。これからも生徒一人ひとりに合った進路指導を行っていきます」
海外協定大学推薦制度(UPAA)
高校の成績・英語力を基準として、アメリカ・イギリス・オーストラリアなど9カ国の協定大学の推薦入試が受けられる制度。国内大学とも併願受験が可能です。2025年度入試では、この制度を利用してマンチェスター大学、エクセター大学、シェフィールド大学、カーディフ大学、シドニー大学、オークランド大学などに合格しました。
2025 QS World University Ranking
100位以内の海外大学合格人数
                    100位以内計21名
| 大学名 | QS WU Ranking | 国 | 合格人数 | 
|---|---|---|---|
| The University of Sydney | 18位 | オーストラリア | 3 | 
| The University of Manchester | 34位 | イギリス | 3 | 
| The University of Auckland | 65位 | ニュージーランド | 3 | 
| The University of Western Australia | 77位 | オーストラリア | 3 | 
| University of Birmingham | 80位 | イギリス | 1 | 
| The University of Adelaide | 82位 | オーストラリア | 3 | 
| University of Leeds | 82位 | イギリス | 1 | 
| Durham University | 89位 | イギリス | 4 | 
| The University of Sheffield | 105位 | イギリス | 2 | 
| University College Dublin | 126位 | アイルランド | 1 | 
| Lancaster University | 141位 | イギリス | 1 | 
| University of Exeter | 169位 | イギリス | 1 | 
| Cardiff University | 186位 | イギリス | 1 | 
| University of Surrey | 285位 | イギリス | 1 | 
| Simon Fraser University | 319位 | カナダ | 1 | 
※2025年度実績(のべ人数)
※世界ランク参考
東京大学32位 京都大学50位 東京科学大学84位 
早稲田大学181位 慶應義塾大学188位
ラウンドスクエア国際会議が人生の分岐点
早稲田大学 文学部 1年 I・Yさん
学校生活で培った
チャレンジ精神
					 大学ではダンス部の活動を楽しむIさん。
大学ではダンス部の活動を楽しむIさん。
					今年4月から早稲田大学文学部に通っているIさんは、3歳から英語塾に通い、中1秋には英検2級を取得。
中2からオールイングリッシュの英語取り出し授業を受けました。
「海外大学に合格したのは、日本の大学を受験するうえで大きな自信になりました。人生の一番の分岐点は、高2の秋にケニアで開催された、世界50カ国の私立学校が加盟するラウンドスクエアの国際会議に参加したことです。各国の生徒たちがテーマをもとにディスカッションをしたりアクティビティを楽しんだりするのですが、英語が母語でない国の生徒たちがほぼネイティブレベルで話す姿を見て、英語に少し自信をもっていた私も、さらなる勉強の必要性を痛感しました。自分の意見をはっきり主張したり、違う意見に反論したりすることは、日本にいると遠慮してしまいがちですが、日本を離れると、それは消極的な姿勢になるということがよくわかりました」
さまざまな英語行事が用意されている同校で、Iさんは、中学時代に主役を演じた英語劇や、中3夏に参加する予定だった2週間の海外研修(コロナ禍で高1夏に延期)など、いろいろな行事を体験。そうして参加したラウンドスクエア国際会議では、英語力以上に培ったものがあるといいます。
「私は文学部ですが、実は国語が苦手でした。受験勉強でも現国で苦労し、受験直前に間違えたところを書き出して対策を練る自己分析ノートを作り、無事に受験を突破できました。最後まで諦めずに頑張る力は、ラウンドスクエア国際会議で培われたものだと思います」
最終的には受けたい講義がある早稲田大学に決めたIさん。
「八雲学園は海外で学ぶ機会が多く、私の視野を広げてくれました。大好きな学舎です」
 
						高2の夏に体験した3週間海外研修で、同校からの参加者、
ホストファミリーの子どもたちと。右から2番目がIさん。
中高6年で多くの経験を。海外大学進学は選択肢の一つ
その時代の生徒に合わせて
進路につながる道を提供
本校では、中学が共学化した2018年から、オールイングリッシュの英語取り出し授業を行っています。その授業を受ける人数が増えてきたことが、海外大学合格者数増の要因の一つだと思います。
Iさんの学年は中1時点で3〜4人から始まって、最終的に高3時には10人になりました。中学入学時に選抜された生徒が英語取り出し授業を受けますが、その時点で選抜されなくても毎年試験があり、Iさんは中2で合格して参加しました。取り出し授業を受けていない生徒たちも、さまざまな英語行事や中3の海外研修、留学プログラムなどを通して英語力が向上し、日本の大学を受けながらUPAAを使って海外大学に合格しています。
私たち教員の役目は、彼らが希望する進路につながる道を提供していくこと。ここ数年で海外を視野に考える生徒が増えてきたのは事実です。その状況を踏まえて教員側も力をつけ、対応できるようにしていくことが大事だと思っています。
英語に長けた状態で中学に入学してくる必要はありません。本校では着実に英語力を上げる授業や海外研修プログラムをたくさん用意していますので、まずは説明会に来て、学校の雰囲気を確かめていただいたうえで、受験候補の一つに入れていただけたらと思っています。
小学生で受験勉強を継続するのは大変だと思います。その分、受験が終わって中学校生活が始まれば、世界を視野に入れたいろいろな経験が楽しめます。最後まで諦めずに頑張ってください!
 
						木の香りが心地良い図書館にて、近藤先生(左)とIさん。
(この記事は『私立中高進学通信2025年7月号』に掲載しました。)
八雲学園中学校
〒152-0023 東京都目黒区八雲2-14-1
TEL:03-3717-1196
進学通信掲載情報
 
            
            
          PICK UP!!
紹介する学校
- 違いを受け入れる人間力と主体性がグローバルの基礎佼成学園女子中学校
- 世界へ羽ばたく力を蓄える実践型グローバル教育埼玉平成中学校
- 多様性を体感できる学習環境 世界に貢献できる人を育てるサレジアン国際学園中学校
- 平和を願い、多様な人と生きる共生社会の担い手を育てる秀明大学学校教師学部附属秀明八千代中学校
- 海外で学び“世界視野”を獲得する多彩な機会を提供千葉明徳中学校
- 英語教育とキャリア教育を融合 0 to 1で育む国際力と自立心日本大学豊山女子中学校
- 「日常がグローバル」な環境で世界標準の学力と人間力を養う文京学院大学女子中学校
- 多様性と異文化への理解を促し“自分事”と捉える力を培う文教大学付属中学校
- 英語力と探究力を高め主体的に生きる力を育成三輪田学園中学校
- 多文化に触れて広がる学びと未来の可能性森村学園中等部
- 高校『国際教養コース』を新設 起業家精神も養う教育を実践山脇学園中学校
- 「自分」を知り「隣人」を愛し社会に貢献する人を育てる横浜女学院中学校
- 『国際教養人の育成』を軸に据え体験を通して感性と教養を養う横浜富士見丘学園中学校
- 異文化を受容し、社会とつながる“コネクテッドスクール”和洋九段女子中学校
- 未来へ踏み出す第一歩になる「英語クラス」が広げる可能性駒沢学園女子中学校
- 2026年度より募集を開始!Global Advanced 留学コース品川翔英中学校
- 10日間のホームステイが将来を考えるきっかけに昭和学院中学校
- 生徒やその家族にとって一生の財産となる国際交流を東邦大学付属東邦中学校
- 英語の力を「強み」にまで磨き上げ世界に向けて挑戦できる女性を富士見丘中学校
- ベトナム研修や韓国・NZの姉妹校訪問へ積極的に参加!八千代松陰中学校
- 英語で教養を競う「WSC」世界へ羽ばたく入り口にかえつ有明中学校
- 神田女学園グローバル教育研究所を設立 世界とつながるキャリア支援を実践神田女学園中学校
- 海外大学への進学を視野に入れた世界水準の教育と多彩な海外研修サレジアン国際学園世田谷中学校
- 中2と高1の生徒全員が『イギリス英語研修』へ秀明中学校
- 全員参加の海外研修だけじゃない!国内外問わず“最良”の進路選択を支援淑徳中学校
- 国境・教科・学校の枠を越えた学びで真のグローバル人材を育成昌平中学校
- “英語資格利用入試”を新たにスタート!国際理解教育と英語教育を深化女子聖学院中学校
- 生徒の“やってみたい”を育てる多文化体験の場を提供富士見中学校
- グローバルとサイエンス自分の「問い」を見つけ、深める力を育む横浜創英中学校
- 「海外大学へ」を教員が後押し生徒の行動力と実践力を育む光英VERITAS中学校
- 英語圏の高校卒業資格取得で円滑な海外大学進学が可能文化学園大学杉並中学校
- 時代に先駆けた英語教育海外大学合格者数も急上昇八雲学園中学校
- 数学科でオリジナルプログラムを導入生徒たちの主体性を育む十文字中学校
- 「グローバル&サイエンス」で育まれた探究心と自立心で大学合格実績が躍進武蔵野大学中学校
- M.S.Cで学習が習慣化勉強方法が身につき学力向上武蔵野中学校
- 英・数・国の『朝テスト』で基礎学力を定着学習習慣を養う独自プログラム目白研心中学校
- 海外研修や奉仕活動で培われる自ら考え、行動する力普連土学園中学校
- 安心できる環境の中で“学びの土台”を育む帝京中学校
- 生徒の頑張りに呼応して学校全体が手厚くサポート安田学園中学校
- 生徒たちが一から作り上げた「学校説明会」高輪中学校
- 先生方の温かな対応で親も子どもも成長しています東京農業大学第三高等学校附属中学校
- 「志(ゆめ)」をもち自らの将来を切り拓ける人財を育成する足立学園中学校
- 自立の基盤は「受容されている」と感じられる伸びやかな校風にあり共立女子中学校
- 挑戦をおそれず、達成感を大切に未来からの留学生を育てます中村中学校
- “一期一会”の気持ちを忘れず多様性を尊重し未来へつなぐ学び舎に八王子学園八王子中学校
- 読解力と表現力を問う「論理社会」試験を実施芝浦工業大学附属中学校
 共学校
 共学校    女子校
 女子校    男子校
 男子校
                	







