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私立中高進学通信

2025年7月号

校長先生に聞く「グローバル教育のビジョン」 

サレジアン国際学園中学校

多様性を体感できる学習環境
世界に貢献できる人を育てる

希望制の海外研修の一つ、フィリピンでストリートチルドレンを支援するボランティア研修。同校の創立母体であるサレジアン・シスターズの世界97カ国にわたる姉妹校ネットワークを活かした取り組みです。

希望制の海外研修の一つ、フィリピンでストリートチルドレンを支援するボランティア研修。
同校の創立母体であるサレジアン・シスターズの世界97カ国にわたる姉妹校ネットワークを活かした取り組みです。

 英語で学ぶインターナショナルクラスを擁し、独自の探究活動で総合知を養う同校。留学も可能なDDPを導入し、社会変化を見据えたグローバル人材の育成をさらに強化しています。

PBL型授業、探究活動で育む
『総合知』
3つのビジョン
  1. 社会的使命を一人ひとりが意識すること
  2. 思考を重ねながら自分なりの行動規範をつくること
  3. 他者への貢献や社会の最適解を考える能力をもつこと

 2022年に校名を変更し、共学化をスタート。「21世紀に活躍できる『世界市民』の育成」を教育目標に、カトリック・ミッションスクールとしての伝統を維持しつつ、現代のグローバル社会に対応した教育を推進しているサレジアン国際学園。

 2025年4月から校長に就任した宗像諭先生は、「グローバルに活躍できる人材とは、どんな場面や状況にあっても、自分が社会のために何をできるか考え、行動に移せる人を指すと考えます。本校の生徒にも、世界規模の視野でものごとを考え、見いだした社会的使命を果たせる人になってほしいと思います。そのためには全ての教育活動を通して、多様な知識を総合的に活用し、社会課題解決や新たな価値創造につなげる力、すなわち『総合知』を高めていく必要があります」と語ります。

 同校では、全教科でPBL(Project Based Learning)型授業を導入。解が一つでない課題に対して、生徒が主体的に最適解を模索していくこの学習方法は、論理的思考力を養い、まさに総合知を伸ばしているといえます。

 探究学習にも特徴があります。同校では「本科クラス」「インターナショナルクラス」の2コースを設置していますが、本科クラスでは中1から高2まで系統的な探究学習を実践。なかでも注目すべきは、中2から高2までの生徒が一緒に学ぶ『ゼミナール』活動です。生徒は「MathLab~数楽研究室~」「プログラミングゼミ」「文藝批評・文化論」など8講座から、興味・関心のあるゼミを選択して研究を行います。

 インターナショナルクラスでは独自の教科横断型STEAM授業「iTime(アイタイム)」を実践。グループで問いを立て、情報を集め、問題解決策を探り、発表するサイクルをオールイングリッシュで行っています。

「かつての国際化とは国家間の交流や協力関係を指しましたが、現在では人やモノ、経済が地球規模でつながっています。今後は先端技術の進展により、互いの違いを意識せずに情報や物をやり取りできる『シームレス社会』が実現するでしょう。そのような社会では、自分の考えを英語で的確に表現できる力だけでなく、“何を語るか”が重要となります。自ら探究を深める経験が、その力や知識を養うために欠かせないのです。
 こうした探究活動をさらに充実させ、外部のコンテストやコンクールへの参加機会を増やし、研究成果を大学の総合型選抜に活かすことも計画しています」

オーストラリア姉妹校への
留学も可能なDDP

 高度な英語力や国際感覚を身につけるため、さまざまな海外体験プログラムも準備されています。中学では中3で、本科クラスはアメリカ、インターナショナルクラスはオーストラリアを訪問する計画です。また、中2~高2の希望者を対象に、夏休みのオーストラリア語学研修、春休みのフィリピンでのボランティアプログラムも用意されています。

校長 宗像 諭先生校長
宗像 諭先生

 また、高校のインターナショナルコースでは、「デュアル・ディプロマ・プログラム(DDP)」(※)を導入し、注目を集めています。このDDPでは日本の高校課程と、西オーストラリア州の高校カリキュラム「WACE(Western Australia Certifi-cation of Education)」を同時に履修し、両国の卒業資格を取得できます。履修期間は高1の3学期から高3の2学期までの2年間。そのうちの1年間はオーストラリアの姉妹校に留学して学ぶ選択肢もあります。

「このプログラムにより海外大学への進学が可能になるほか、国際系の国内大学進学においても高い評価を得られます。生徒たちにはこの機会を活かして、自分の可能性を最大限に追求してほしいと願っています」

 宗像先生は着任した際、同校を「生徒が“自分らしく”いられる学校」だと感じたそうです。

「自分らしさを認めてくれる大人が学校にいることは、素敵なことだと思います。そうした校風はそのままに、本校のビジョンやミッションを起点に多様な活動や自由な学習をさらに充実させ、生徒たちが自信をもって世界に羽ばたける力を育んでいきたいと思います」

※DDP…DDPは2026年1月から正式にスタートする予定で、インターナショナルコースのアドバンストグループ(AG)の生徒を対象に実施されます。留学しなくてもDDPの資格取得は可能です。

Point
ハイブリッドクラスで養う「多様性を受け入れるマインド」
学園祭では、本科クラスの探究活動「ゼミナール」のポスターセッションが行われます。興味や関心に基づいた個人テーマを、異学年集団で深堀りすることにより知的好奇心を育みます。学園祭では、本科クラスの探究活動「ゼミナール」のポスターセッションが行われます。興味や関心に基づいた個人テーマを、異学年集団で深堀りすることにより知的好奇心を育みます。

 同校の教育改革の柱となっているのが、2022年度から導入された「インターナショナルクラス」と「本科クラス」の2クラス制です。インターナショナルクラスは英語習熟度によって、アドバンストグループ(AG)とスタンダードグループ(SG)の2つに分かれ、AGは主要教科を、SGは英語の授業をオールイングリッシュで学んでいます。

 同校がユニークなのは、本科クラスとインターナショナルクラスの生徒が、英語以外の授業を同じクラスで学び、ホームルームや学校行事などの日常を共に過ごす「ハイブリッドクラス」制度にあります(AGは主要科目を別クラスにて英語で学習)。2025年現在の中1生は、インターナショナルクラスが150名(AGが80名、SGが70名)、本科クラスが60名という内訳。帰国生が多くを占めるAGはもとより、本科クラスにも中国、韓国、インドなどから訪れた生徒が多く在籍しており、校内にあってもグローバルな環境が実現されています。

「さまざまな背景をもつ生徒が共に学び、協働する環境が、本物の多様性を体感させ、互いに刺激し合いながら成長できる場となっています」(校長/宗像先生)

ココに注目!
2027年に新校舎が竣工予定
コース新設で広がる可能性
2027年4月から使用開始予定の新校舎パース図。現在の校舎の約1・4倍の広さとなり、生徒一人あたりのスペースが広がり、のびのびと過ごせます。2027年4月から使用開始予定の新校舎パース図。現在の校舎の約1・4倍の広さとなり、生徒一人あたりのスペースが広がり、のびのびと過ごせます。

 小高い丘の上に6万㎡を超える広大な敷地を有する同校。現在、地上5階・地下1階建て、普通教室と最先端のラボやラウンジ空間を備える新校舎を建設中で、2027年に竣工予定となっています。

 2026年度入試では本科クラス内に、理科や数学、情報などの教科を横断する『MEDICO』が設けられます。データサイエンスや医学といった分野への進路を検討する生徒に、多様なチャンスを提供する予定です。

進学通信 2025年7月号
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