私立中高進学通信
2024年1月号
国際交流の今
八雲学園中学校
国際会議に生徒を派遣!
多彩な国際交流プログラムも
ラウンドスクエア・国際会議
国際会議が開催されたブルックハウス・スクールの前で記念撮影。
会議では、アフリカ大陸が21世紀にどのような進化を遂げ、どのような地位を築こうとしているのかを探りました。
世界50カ国の私立校230校が加盟している国際私立学校連盟「ラウンドスクエア」。同校はこの国際会議に生徒を派遣しているほか、『2週間アメリカ研修』など海外での体験を重視した国際教育に力を注いでいます。
ケニアで開催された
国際会議に9名が出席
同校が「ラウンドスクエア(※)」に正式加盟したのは2017年のこと。以来、同連盟の国際会議に生徒を送り出してきました。2023年10月に国際会議が行われたのは、アフリカ・ケニアの首都ナイロビ。同校からは厳しい選抜試験をパスした9名が参加しました。
「本校には中3生全員が参加する『2週間アメリカ研修』があります。この研修では、英語の4技能を鍛えることを主な目的としています。一方、『ラウンドスクエア』の国際会議への派遣は、磨き続けてきた英語力を活かし、世界中の若者と意見を交わして視野を広げたり、コミュニケーションスキルを鍛えたり、積極性や行動力を身につけたりすることを目的としています」
そう語るのは、ラウンドスクエア担当・英語科のボッサム紗良先生。同校の卒業生でもあり、大学時代に1年間アメリカ留学をした経験があります。
ボッサム先生はナイロビまでは同行するものの、その後、生徒は別行動となります。生徒は会場となる加盟校のブルックハウス・スクールで、「The New Africa」をテーマに世界各国から集まった生徒と「バラザ」と呼ばれる少人数制の会議に出席。英語でディスカッションをします。なお、「バラザ」とは、古いスワヒリ語で「異なる人々が集まること」を意味します。また、公立校を訪れて子どもたちと触れ合ったり、ケニアの家庭にホームステイをしたりしました。
※ラウンドスクエア…1966年にドイツの教育者クルト・ハーン氏が、次世代の国際的リーダーの育成を目的として設立した私立学校連盟。「Internationalism」「Democracy」「Environment」 「Adventure」「Leadership」「Service」という6つを教育の柱に活動しています。
積極的に発言し
有意義な交流ができた
2023年に出席した伊藤さん(高2)は、参加した理由を次のように話します。
「ケニアという遠い国に行けるのは一生に1度のチャンスかもしれず、これを逃したくないと思ったからです。また、幼い頃から英語を習っていたので、その力を国際会議で試したいという気持ちもありました。しかし、2022年は試験を通過できず悔しい思いをしたため、英語の勉強を頑張ってリベンジできました。ケニアでは世界中に友達ができ、本当に行ってよかったと思っています」
もう一人の井上さん(高2)は、次のように振り返ります。
「僕は2022年、イギリスで開催された国際会議にも出席しました。他国から来た生徒は皆優秀で、母国語並みに英語を駆使していました。しかも、自分の意見までしっかりともっています。その姿に刺激を受けた僕は、この1年間、英語の勉強に力を入れたうえで2023年も参加を決めました。その結果、『バラザ』で積極的に発言ができ、有意義な交流ができました」
国際会議の2日目は「Adventure(冒険)」をテーマにサファリを満喫。バスに乗ってキリンなどの動物を眺めたり、手の届く距離で動物と触れ合ったりしました。
中2の『スピーチコンテスト』に出場して、自分の意見を英語で述べる伊藤さん。中1では英語の課題文を正しい発音で暗誦する『レシテーションコンテスト』が用意されています。
中3生全員が参加する『2週間アメリカ研修』の様子。UCSB(カリフォルニア大学サンタバーバラ校)で英語のレッスンを受けるほか、姉妹校のケイトスクールの生徒と交流を図ります。
高校生の希望者に向けた『3週間アメリカ研修』も実施。ケイトスクールで寮生活をしながら同校の授業を受け、途中から現地の家庭にホームステイをします。
高1の希望者を対象とする『9カ月プログラム』。3カ月のアメリカ留学を中心に出発前の事前学習と帰国後の事後学習を合わせた9カ月に及ぶプログラムです。
毎年12月に全校で行う『英語祭』の様子。英語で接待をするレストランや英語ゲームがあり、舞台では英語劇や英語での歌の発表も行われます。
ケニアで行われた、ラウンドスクエアの
国際会議に参加した2人に聞きました
自分から行動しない限り
何も始まらない
参加して強く感じたのは、国際社会の場では「自分から行動しない限り何も始まらない」ということです。堂々と意見を述べ、人脈を広げていく海外の生徒たちに最初は気後れしていましたが、次第にほかの生徒に声をかけられるようになりました。また高度な英語力だけでなく、知識や経験の必要性も痛感しました。女性の権利や政治経済、環境などに関して普段から深く考えていないと発言できないからです。今後は広く世界のことを知ろうと心に決めました。
自分に何ができるか
考えるきっかけに
ケニアでは貧富の差も知りました。ホームステイをしたご家庭は裕福でしたが、外に出れば子どもたちが物などを欲しがって寄ってきます。訪れた小学校で僕たちは校舎を修復するお手伝いをしました。その時、僕が着けていた作業用の手袋を子どもたちが「欲しい」と言ってきたのです。八雲学園の先生方から貧困問題について聞いてはいましたが、実際に体験するのは初めてで、自分が国際社会のために何ができるかを考えるきっかけになりました。
(この記事は『私立中高進学通信2024年1月号』に掲載しました。)
八雲学園中学校
〒152-0023 東京都目黒区八雲2-14-1
TEL:03-3717-1196
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