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私立中高進学通信

2024年12月号

私学の英語最前線

サレジアン国際学園中学校

英語で考え表現する力を養成
高校AGではDDPがスタート

中2・AGの「English reading」の授業。
小説『The sky so heavy』について深堀りし、ディスカッションをするペアワークです。
先生は「この小説のテーマは何だと思う?」と問いかけ、さまざまなものの見方、クリティカルシンキングを養います。

 外国人教員が16名在籍している同校。高い英語力を有するインターナショナルコース・アドバンストグループでは、主要科目を英語で学び、世界水準の高度な教育を展開しています。
2025年度より、高校からは全員がDDPで学び、日豪の高校卒業資格を取得します。

多様な生徒が刺激し合う
中1のハイブリッドクラス
太陽光発電についてグループで話し合う中1・AGの「Geography」の授業。インターの多くの授業では、毎回ディスカッション・プレゼンテーションを行います。太陽光発電についてグループで話し合う中1・AGの「Geography」の授業。インターの多くの授業では、毎回ディスカッション・プレゼンテーションを行います。

 2022年度の共学化に伴い、本科コースとインターナショナルコース(以下インター)を設置し、カトリック精神を基に21世紀に活躍できる『世界市民』の育成を推進するサレジアン国際学園。インターは、帰国生やインターナショナルスクール出身者など高い英語力をもつ生徒を中心とするAG(アドバンストグループ)と、中学から英語を本格的に学ぶSG(スタンダードグループ)の2つで構成されています。

 AGは英語・数学・理科・社会科の4科目を、SGは週10時間の英語の授業を、さまざまな国から来た外国人教員『IT(インターナショナルティーチャー)』からオールイングリッシュで学び、高度な英語力を身につけていきます。

 ユニークなのは、中1では本科とインター、両コースの生徒が混在する『ハイブリッドクラス』を採用している点です。日本人教員とITのダブル担任制として、ホームルームはオールイングリッシュで実施されます。本科の生徒にとっても “英語が当たり前”の環境が用意されているのです。

 クラス内では、本科・AG・SGの生徒が学び合い、助け合いながら成長できるよう、AGの生徒と、本科・SGの生徒がペアやグループになるバディシステムが導入されています。インター推進部部長の久保敦先生は、そのねらいを次のように説明します。

「インターの教育理念の一つに、 “多様性の受容”があります。各国からの帰国生と日本で育った生徒が互いに認め合い、刺激し合いながら切磋琢磨する環境を、本科にも広げた形です。またインター生も、数学や理科に強い本科生から、教科学習の面で良い影響を受けています」

AG生とSG生が英語で議論
インター独自のSTEAM授業

 インターでは、独自の探究授業として、AG生とSG生が一緒に英語で議論し、自分の考えを表現する教科横断型STEAM授業『iTime』を実践しています。

「『iTime』の授業には、ビジネスの手法や芸術的要素、哲学的要素、ITスキルなど、生徒の興味・関心を広げる幅広い学びを取り入れ、プレゼンテーションやポスター展示、ジオラマ制作など、さまざまな形で探究テーマを発表する機会を設けています。育てたいのは、英語で考え議論する力、幅広い知識と論理的思考、豊かな表現力といった、グローバル社会で活躍し、貢献できる力です」(インター推進部/ライナード先生)

 同時に、『iTime』はSG生がAG生とのディスカッションを通して、生きた英語を学ぶ場ともなっています。

英語圏の教科書を厳選し
世界水準の教育を推進

 学校全体として、自分で考え表現することを大切にしている同校。特にAGでは、いずれの科目でもインタラクティブな授業が基本です。週10時間の英語の授業では、ペアワーク・グループワークで議論を交わし、プレゼンテーションを行い、エッセーやストーリーを書く時間が多く設けられています。

「中学AGとSGの英語の授業では、文科省の指導要領に沿いながら、英語科教員が厳選した英語圏のテキストを使用しています。例えばAGの数学の授業では、欧米よりも進度が早い日本の数学に合わせてシンガポールのテキストを使用し、SGの英語の授業では、SG生がAG生との日常会話で触れないような単語を多く含むオックスフォードのテキストを使っています」(ライナード先生)

世界の大学への進学を可能にする
オーストラリアのDDPがスタート

 中学3年間、主要教科を英語で学んだAG生は2025年度より、高校へ進学すると、西オーストラリア州の高校卒業資格『WACE』(※1)を活用したDDP(デュアルディプロマプログラム※2)が履修できます。日本の高校課程を学びながら、オーストラリアの主要科目やWACEならではの独自科目など世界水準の高度なカリキュラムを同時に学び、高3でオーストラリアの大学進学統一検定試験『ATAR』(※3)を受験します。

「WACEを活用すれば、オーストラリアの大学はもちろん、日本を含む世界の大学を受験することができます。一方のSG生は高校になると、高い英語力にさらなる磨きをかけながら、理系科目を選択することも可能です。海外大学に加え、国内の理系・文系の難関大学をめざすことができる環境は、SGの魅力といえるでしょう」(久保先生)

 高校AGへの進学を希望する中学SG生のために、特別講座『Pathway Program』も用意されています。夏・冬・春の長期休みに英語による4教科授業を受講し、試験と面接を経て合格すれば、次年時よりAGへの移行が可能です。

 新体制となって3年目を迎え、英語力・マインドセット共に生徒の確かな成長を感じているという両先生。

「西オーストラリア州の高校への長期留学制度も視野に入れ、今後も進化を続けていきます」と力を込めます。

※1 WACE…「Western Australia Certification of Education」の略称。西オーストラリア州の高校卒業資格。指定の学科を履修し、試験や課題を通じて評価され、一定の基準を満たすことでこの資格を取得できます。

※2 DDP(Dual Diploma Program)…デュアルディプロマプログラムとは、国内の高校に通いながらオンライン授業を通して外国の高校課程を履修し、同時に2つの国の2つの卒業資格を取得できるプログラム。

※3 ATAR…「Australian Tertiary Admission Rank」の略称。オーストラリア大学進学統一検定試験の成績に高校での成績を加えてスコアを算出。

日豪の高校卒業資格が得られるDDPを
高校AGに導入
インターナショナルコース推進部部長・グローバルスタディーズコース推進部部長・英語科/久保敦先生

 高校AGを対象とするDDPが、2025年度よりスタートします。AG生は、高1の2学期までに日本の学習指導要領に沿った学習を終え、3学期から西オーストラリア州の教育カリキュラム『WACE』を履修します。WACEには主要科目に加え、コンピューターサイエンス、ビジュアルデザイン、情報メディアデザインなど、多様な選択科目を通してリベラルアーツ教育における幅広い知的基盤を築きながら、進路を選択することができます。

 高3の2学期にオーストラリアの大学入学共通テスト『ATAR』を受験すれば、オーストラリアの大学に入学できるだけでなく、北米大学をめざす際にはSATやTOEFLのスコアが免除されます。イギリスの大学でもファウンデーションコース(※4)が受講不要になるなど、英語圏の学校を卒業した生徒と同じように世界の大学に進学することが可能になります。また、日本の大学を帰国生枠で受験できるという利点もあります。(インターナショナルコース推進部部長・グローバルスタディーズコース推進部部長・英語科/久保敦先生)

※4 イギリスのファウンデーションコース…イギリス国外からの留学生がイギリスの大学へ進学するために必要な1年間の大学進学準備コース。イギリスに留学する際、ATARのスコアが高いと受講が免除となります。

担当の先生より
グローバル社会で主体的に
生きる力を育む『iTime』
インターナショナルコース推進部副部長/カレブ・ライナード先生

『iTime』はインターナショナルコース独自の教科横断型STEAM教育です。「多様性の受容」「英語での学び合い」「英語で考え続ける」というインターの教育理念を体現するカリキュラムとなっており、トリガークエスチョン(答えのない問い)を考え続け、想像力の火を消さないことを大切にしています。

 中学ではロジカルマップというビジネス手法を使って、「What is love?」への解を考えたり、「主食は国・民族によって違うが、世界の難民に主食を届けるには何をどう配分したらいいか」という、幅広い分野を包括したテーマについてディスカッションしたりすることもあります。

 高校になると、より世界に目を向け、社会貢献のためのビジネススキルも得られるテーマに取り組みます。異なる強み、弱みをもった多様な生徒たちが協働していくことで新しい何かが生まれる。それを体感し、世界市民へと成長していってほしいと考えています。(インターナショナルコース推進部副部長/カレブ・ライナード先生)

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