講座数が豊富な
「放課後進学講座」

　著しい進路実績の伸びで注目される同校の進路指導は、グループやペアで考えることを大切にする授業を通して、自ら学ぶ力「独習」を育んでいるのが特徴です。

　高2の3学期以降は主体的・意欲的な学習姿勢を基盤に活用力・応用力を伸ばす『進学力伸長システム』により、大学入試に対応する進学力をつけていきます。

『進学力伸長システム』には多くのプログラムが用意されており、なかでも高2の3学期から高3の2学期までの約1年間に開講される「放課後進学講座」は、その中核です。月～土曜日の放課後、主要教科・科目の講座が1コマ100分で実施され、各教科の先生方が指導します。生徒は文系・理系それぞれで、最難関国公立大、国公立・早慶、GMARCHと志望大学別に分かれた30近くの講座から、いくつでも選択して受講できます。講座は実践的で、大学の過去問演習など受験対策に直結します。日ごろ授業を担当している先生が指導するため、生徒一人ひとりのニーズに寄り添った指導が可能です。希望制ですが、ほとんどの生徒はいずれかの講座を受けています。

　また、最大80名が利用できる自習室も整備され、朝は7時から、夜は19時45分まで利用できます。放課後には、先生方が生徒からの質問に対応しています。ほかにも、チューター制度を設け、現役大学生の卒業生が後輩である生徒たちに学習方法などをアドバイスしています。

目標を定め
モチベーションアップ

　受験を控えた約1年間は、学習に対するモチベーションを保つことが重要です。そこでまず、受験対策が本格化する高2の秋に、受験生の心得や各教科の学習法などをまとめた「Breakthrough」という冊子が配付されます。この冊子は、生徒が計画的に学習するのに役立ちます。12月には、生徒は自分が志望する大学・学部・学科とその志望理由、自分の将来像など記した「第一志望誓約書」を提出します。これには、生徒が目標を明確化し、その目標に向かって気持ちを高める役割があります。

学習意欲を高める
「進学合宿」

校内の各所に、受験に関する情報や資料が置かれています。

　生徒たちが真の受験生になるための大きなイベントが「進学合宿」です。高2の冬休みに、全員が2泊3日の日程で参加します。この合宿の1つの目標は、受験生としての学習の型を身につけることです。全員が1つのフロアに机を並べ、各自の学習計画をもとに独習します。独習は1コマ90分を15コマ行い、1日の学習時間が10時間を超える日もあります。

　緊張感に包まれた会場で、生徒たちは集中して自分で立てた計画に沿って勉強します。自分で考えて進めていくことで、生徒は自己管理ができるようになります。この合宿を通じて大学受験に向けて強い個を形成し、仲間とやる気を高め合い、「みんなで受験を頑張る」という気持ちで受験に向けて進んでいきます。

　進学合宿では、独習と独習の間に先生の講話を聞きます。先生方が生徒に声をかけることで、生徒に寄り添っていることを示し、先生も共に受験を乗り越えるという安心感を与えられます。

　進学合宿は、高3では希望制で行われます。高2のときと同じように独習をし、講話を聞きます。この合宿には、正念場となる夏に向けて士気を高める意味があります。

　合宿以外にも、集中して勉強できる機会をつくっています。夏休みには、志望校別に講座を開講する「夏期講習」、2学期終了後の冬休みには、「大学入学共通テスト模試演習講座」、そして、共通テストの前日まで本番と同じ形式で問題演習をします。さらに、1～2月の入試直前期には、志望コースごとに分かれた「入試直前演習講座」があります。実践的問題から解答力の錬成と基礎学力の最終チェックを行うとともに、入試に挑む仲間との連帯感や集中力を高めていきます。

　このように多様で充実したシステムは、生徒の希望とそれに応える教員の熱意によって実現・運営され、その効果は近年の大学合格実績として見えるようになってきています。「学校完結型の学習環境」の充実により、今後ますます生徒が希望進路の実現を達成していくことが期待されます。

2022年度現役卒業生
大学合格実績

他多数

（この記事は『私立中高進学通信2022年11月号』に掲載しました。）