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私立中高進学通信

2024年9月号

卒業生が語る私の成長Story

日本大学第二中学校

患者様はもちろん、
まわりの医師からも頼られる医師になりたい

三井記念病院勤務・研修医
高山 智弘さん

「人は努力次第でどこまでも上をめざせることを、日大第二の先生方や友人たちから学びました」

同校で文武両道に励みながら日本大学医学部医学科に進学した高山智弘さん。2023年、米国医師国家試験「USMLE」の「STEP1」に合格を果たしました。日本の医師国家試験にも合格した高山さんは、2024年4月から三井記念病院で初期研修医として勤務しています。そんな高山さんに母校での思い出などをお聞きしました。

大学受験で培った知識や
力をさらに活かすために
インタビューに応える高山の写真です初期研修医としての勤務に励む高山さんは、同校の恩師たちからも健康の相談を受けることが多いそうです。

 高山さんは2017年に日本大学第二から、狭き門である日本大学医学部医学科に付属推薦制度によって進学。日本の医師国家試験に加えて、同大6年生の時に米国医師国家試験「USMLE(United States Medical Licensing Examination)の「STEP1」に合格を果たしました。この試験には「STEP1」「STEP2 CK(Clinical Knowledge)・CS(Clinical Skills)」「STEP3」までの段階があり、すべてに合格すればアメリカ各州で医師として勤務できます。「STEP1」の試験は、7時間以内に英語で出題される280問を解ききらなければなりません。

「私は医学部に進んでからも、大学受験で培ったものをさらに活かしたいと考えていました。そのひとつが『USMLE』だったのです。しかし、いざ勉強すると多くの困難が立ちはだかりました。日本の医師国家試験の範囲では学習しない内容が多いからです。特に行動科学、風土病、代謝性疾患は日本のカリキュラムで学習する機会が少なく、一から学習しました。生化学、薬理学、統計学などの基礎医学も復習し、より深い内容まで学びました。今まで勉強してきた基礎医学がいかに表面的であったかを痛感したものです。そのため、合格の連絡が来た時は、大きな達成感を味わえました」

 こうして1つの目標を達成した高山さん。「STEP1」「STEP2 CK」までは知識をオンラインで問うため渡米の必要はありません。「STEP2 CS」「STEP3」は臨床技能の実践のため、渡米してより高度で総合的な能力を示す必要があります。「USMLE」の勉強を継続しつつ、この春から三井記念病院で初期研修医として勤務しています。

勉強する意味を考え
実行できた6年間

 高山さんが同校を志望するきっかけは、父親が同校の出身だったことにあります。高山さんの父親も日本大学医学部医学科に進学し、現在は循環器内科の医師として勤務しているそうです。高山さんは尊敬する父親と相談して同校を受験することを決めたといいます。

 高山さんが同校に入学して最初の成績は学年平均以下でしたが、それから成績を向上させていったそうです。「USMLE」の「STEP1」に合格し、長年憧れを抱いてきたという三井記念病院の初期研修医になれたのは、「自分なりに勉強する意味を考え、実行できたから」と振り返ります。

「たとえば、評論文を書くには経済、歴史、理科、数学など多様な分野を題材として扱う必要があります。古文や故事成語は歴史、地理、民間伝承とつながりがあります。数学や物理も、歴史、気象、天文学、芸術と関連しています。そのため、生物、地学、歴史で学んだ知識や数学で培った論理的思考力は、現代文や古文の問題を解く際にも役立ち、国語で磨かれた読解力は英語の学習にも活かせます。このように個々の学問は何らかの共通点を有し、学習過程で身につけた知識や力は幅広い分野で活かすことができます。
 中高6年間の多領域にわたる学習は、自分の糧となって新しい視点を生み出してくれます。難題に直面した時も創意工夫できる力を鍛えられるため、価値観や生活も豊かにすることができました」

周囲に支えられながら
少しずつ成長を感じる日々

 同校での6年間、高山さんは勉強だけでなく、競技スキー部の活動にも力を注ぎました。

「夏は陸上トレーニング、冬は合宿で技術向上に励みました。辛い練習メニューもあり、なかなか上達しなかった時は苦労しました。しかし、競技スキーを通して技術や体力だけでなく、共同生活に必要な社会性や自分で考えて行動する力を養うことができ、今振り返ると大変貴重な時間だったと感じています。高3の大会では自己最高の成績を残すこともできました。あの時に頑張れたからこそ、今の自分があると思っています。部活動と勉強は、知識や技術を習得するなかで、試行錯誤する力や努力し続ける忍耐力を鍛えられます。この点で2つは共通していると考えています。中高6年間で多くの失敗もしましたが、それを糧に心身ともに大きく成長できました。文武両道の大切さを教えてくださった母校の先生方には心から感謝しています。
 また、日大第二には、経済学を究めたいという生徒もいれば、芸能に興味があり大学で演技を学びたいという生徒もいました。それぞれめざす道は違っていても、お互いに励まし合いながら切磋琢磨していきました。こうした環境のなかで私は、先生方や友人たちに支えられて医学部進学という目標を達成できました。
 研修医となった今も、指導医の先生方をはじめ多くのメディカルスタッフに支えられながら業務をこなし、少しずつ成長できていると感じています。そして患者様やそのご家族から感謝された時は何にも代えがたいうれしさや達成感がこみ上げてきます。母校の日大第二や日大医学部で培った粘り強さを活かして、患者様はもちろん、まわりの医師からも頼られる医師になれるよう、努力していきたいと思います」

恩師からの応援メッセージ
海外でも活躍できる医師として
グローバル社会に貢献してほしい
高山さんが高3の時に担任を務めた梅園先生との写真です高山さんが高3の時に担任を務めた梅園先生(写真右)と。

 私は高山さんが高1の時に、情報の授業を受け持っていました。情報は2025年から共通テストにも出題されますが、当時は受験には必要のない科目でした。しかし、高山さんは積極的に授業に取り組み、私のもとに何度も質問に来たのです。そんな生徒は高山さんだけでした。高山さんは、すべての科目をムダにせず学ぼうとする姿勢を持った生徒でした。高山さんが高3の時に私が担任を務めてからも、その積極性は変わっていません。その姿勢をこれからも大切にし、海外でも活躍できる医師としてグローバル社会に貢献してほしいと思っています。(情報科/梅園英俊先生)

進学通信 2024年9月号
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