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私立中高進学通信

2021年1月号

私学の英語最前線

東京女学館中学校

習熟度別・少人数制の
新指導体制で英語力を強化

独自の英語教育を発展させてきた同校。2020年度の中1から、英語を実践的に使ってコミュニケーション能力を高める新たな取り組みをスタートさせました。
2020年度から、積極的にペアワークや発表の機会を多く設けています。

2020年度から、積極的にペアワークや発表の機会を多く設けています。

『国際学級』のノウハウを活かし
実践に特化した授業を強化

 教育目標の実践課題の一つとして、『国際的視野の育成』を掲げている同校。異文化理解や国際的な知識を身につけること、そして英語を使って自らの意志を伝えて、意見交換ができるコミュニケーション能力の育成を重視し、充実した英語学習プログラムを展開しています。

 2004年には、語学教育に特化した『国際学級』コースを創設しました。4技能をバランスよく伸ばしつつ、中1から英語でのディスカッションやプレゼンテーションを積極的に行い、生徒自身が考え、学び合い、発信する機会を多くつくることで、英語のコミュニケーション能力を大きく伸ばしてきました。

 2020年度からは、一般学級の生徒を対象に、国際学級で得た英語教育のノウハウを活かした新しい英語指導体制をスタートさせました。中1の英語を担当する多田道子先生にお話をうかがいました。

「新指導体制の特徴の一つは、1クラスを半分に分割して行う習熟度別授業です。少人数にすることで、英語でプレゼンテーションやディスカッションをする機会を増やしました。また、定期的にネイティブ教員が授業に参加して、生きた英語や異文化に触れる機会も増やしています。
 中学の段階では、単語や文法を正しく身につけ、英文を繰り返し読み、書くことも大切なステップです。日頃の小テストなどで語彙力や文法などの基礎知識も着実に積み重ねています」

 中学では以前から、英単語・連語の100題テストや、定期試験や小テストを解き直して『訂正ノート』に弱点を集約するなど、基礎力固めの徹底をはじめ、生徒が理解できるまで行う個別指導、放課後や夏休みを利用した補習・補講など、確実な英語力を培うきめ細かなサポートを行ってきました。こうしたサポートに関しても、習熟度別・少人数の新指導体制は、生徒それぞれのレベルに合わせた手厚いサポートがしやすくなります。

中間試験を取りやめ
個々が理解するプロセスを重視
堂々と英語の詩を暗唱する中1の生徒たち。回数を重ねるたびに、自ずと聞き手を意識した発表を心掛けるように成長していきます。堂々と英語の詩を暗唱する中1の生徒たち。回数を重ねるたびに、自ずと聞き手を意識した発表を心掛けるように成長していきます。

 同じく中1の英語を担当する前田早穂先生は、次のように話します。

「もう一つ、新しい試みとして、中間試験をなくし、定期試験は期末試験のみを実施することにしました。そうすることによって、中間試験に合わせて授業の進度を調整する必要がなくなり、生徒一人ひとりの理解度に合わせて一つひとつ確実に指導していくことができます。
 今後は英語の評定値を付ける際、テストの点数だけではなく、発表やディスカッションなどの取り組みも重視していきます。期末試験の内容も、生徒自身がその期間に身につけた英語力を、実践的に活用できているかを評価していきたいと思っています」

 日々の授業の中で、新指導体制による成果を感じていると多田先生は言います。

「クラスメートの発表を見ることで、『こんなやり方もあるんだ』『次はこれにチャレンジしたい』といったモチベーションが生徒自身の中に芽生えてきています。
 また、回を重ねるごとに『前よりスムーズに話せるようになった』『先生の英語がわかるようになった』とポジティブに自分の習熟度を捉え、『もっとできるかもしれない』と意欲が高まっています。イキイキと授業に臨んでいる様子が見られ、うれしく感じています」

合同授業の機会も設け
生徒全員で学び合う

 普段の授業では、習熟度別にクラスを2分割して授業を行いますが、あえて一緒に学ぶことで互いに刺激し合い、教え合うことも大切だと考え、定期的に合同授業も行っています。

「初心者のクラスにも、英語が好きで発表を楽しみにしている生徒や、積極的に授業に取り組んでいる生徒がたくさんいます。クラス全体で『英語が好き』という気持ちを尊重していけるクラスづくりを心がけています」と多田先生は話します。

 また、授業の雰囲気作りについて前田先生は、「とくに中1の授業では、何よりも楽しんで学ぶことを重視し、失敗を恐れず積極的に英語を使う雰囲気作りを大切にしています」と言います。そのため、授業中は生徒の良いところに注目し、少しくらいの間違いであればクラスメートの前では指摘せず、生徒との一対一のやり取りの中で文法のミスなどを指導するようにしていると言います。

「中1の学びはじめに英語をポジティブに捉えられるかどうかは、中高6年間で英語を身につけていくうえで、とても重要です。『学びたい』という生徒の気持ちを引き出すような雰囲気作りに今後も重きを置いていきたいです」(前田先生)

POINT 1
コミュニケーション主体の
テキストを使用

「習熟度の高い生徒たちの授業では、実用的な英語表現を身につけることに特化した教科書を使っています。生活の中にある場面やテーマを取り上げた内容なので、シチュエーションごとに関連性のある単語や言い回しなど、実践的な英語を学ぶことができます。
 テキストにはゲームなどのアクティビティも盛り込まれていて、楽しく体験しながら身近な英語を身につけられるように工夫されています。リスニングのスピードや表現方法は、よりネイティブに近く、使われる単語の数も多くなっています。グローバル社会での課題もテーマに取り上げ、英語を学びながら異文化理解も深めることができます」(前田先生)

POINT 2
ネイティブの教員から
本物の英語や異文化に触れる

 この日の授業は、日本人教員2名とネイティブ教員1名による3名のチームティーチングでした。授業の最後にはネイティブ教員が、オーストラリアの食文化について英語で紹介。生徒たちは英語を聞き取ろうと、熱心に聞き入っていました。

担当の先生より
英語は世界を知るためのコミュニケーションツール
中1の英語を担当する前田先生(左)と多田先生(右)中1の英語を担当する前田先生(左)と多田先生(右)

「学年が上がるごとに、新聞の記事など実社会に関連するさまざまな英語の教材を用いて、徐々にグローバルマインドが身につくように促しています。
 英語は教科として学ぶだけのものではなく、世界を知るためのコミュニケーションツールなのだと実感させながら、生徒の将来に役立つ実践的な英語力の育成をめざしていきます」(多田先生)

「本校の教員は生徒のための努力を惜しまず、各教員が日々の授業の中でさまざまな工夫や新しい試みを行い、授業内容をブラッシュアップするために教員間の情報交換も活発に行っています。今回の英語新指導体制もその中で決定しました。
 今後も生徒にとってより良い方法を模索し続けながら、本校らしい教育を作り上げていきたいと思います」(前田先生)

進学通信 2021年1月号
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