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私立中高進学通信

2025年7月号

未来を切り拓くグローバル教育

富士見中学校

生徒の“やってみたい”を育てる
多文化体験の場を提供

日本に留学している大学生と校内で交流する『グローバルビレッジ(中1学校行事)』
『International Days』(中2学校行事)などのほか、中学生が安心して第一歩を踏み出せるよう、
希望制で参加できる国内プログラムも用意されています。

 2021年4月、校内に『グローバルセンター』を開設し、グローバルな視野を育てる教育に力を注いできた富士見。その取り組みについて、グローバルセンター長の伊藤恭子さんにお話を伺いました。

海外研修から日常の交流まで
異文化との出会いが当たり前の環境に

 富士見では、2021年のグローバルセンター設立以前から、国際交流に力を入れた教育を展開してきました。アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、台湾といった国々での海外研修や留学制度を継続的に実施。さらに、国内における多文化交流や、海外からの留学生受け入れも積極的に行っています。

 特に定番となっているのが、アメリカ・オレゴン州での2週間の海外研修(高1対象・約40名)と、オーストラリア・ブリスベン郊外での同様のプログラム(約30名)。どちらも長年にわたって実施されており、例年、学年の1/3の生徒が参加する人気の企画です。

「保護者や生徒の海外への関心は非常に高く、海外大学進学や高校留学のガイダンスなどや説明会を開くたび、その熱意が伝わってきます」

 こうしたニーズを受け、2023年度からはオセアニアの2カ国に加えアメリカおよびカナダへの1年留学もスタートしました。高校留学を希望する生徒の選択肢が更に増えた形です。

 一方で、全ての生徒が初めから海外に飛び出す準備ができているわけではありません。異文化に関心はあるものの、語学力や海外生活に不安を感じている生徒にとって安心して第一歩を踏み出せるよう、段階的に交流を深められるプログラムも充実しています。

 例えば中1、中2では日本の大学で学ぶ留学生とのグループワークを通して異文化やコミュニケーションを学ぶプログラムがあります。様々な国の話をその国の人から聞くことはとてもリアルな体験で、生の異文化や世界の広さを実感していきます。

「たとえ海外に行かなくても、多様な文化や価値観に触れられる環境を整えることが、私たちがめざすグローバル教育の基盤です」と伊藤さんは語ります。

姉妹校の1つである台湾の学校との交流の様子。
留学生の受け入れにも積極的な同校では、
例年台湾とニュージーランドにある姉妹校から留学生が訪れています。

生徒の意欲を引き出す
学内の仕掛け

 海外研修や留学といった「校外に出ていく」機会だけでなく、校内で日常的にグローバルを意識する環境づくりも、同校のグローバル教育の大きな柱です。その象徴的な取り組みが『グローバルカフェ』です。

「グローバルとは、単に海外に行くことではなく、自分と異なる文化や考え方に出会い、他者理解や自己理解を深めていくこと。その積み重ねのなかで国や文化の枠を越えて行動する姿勢こそが、本質的な“グローバル”だと考えています」

 グローバルカフェは、放課後に月1回程度のペースで開催。生徒が興味をもつようなテーマのワークショップや、現在留学中の卒業生や先輩とオンラインでつないで話を聞く機会など、身近なところで世界を感じる工夫が凝らされています。今後は、より多くの生徒が参加できるよう、開催回数やテーマ内容の充実が計画されています。

 さらに、こうした場を生徒自身がつくり上げていく機運も高まりつつあります。校内での国際交流活動を推進する「グローバル活動ボランティア隊」を募り、生徒たちの活動や活躍の場を広げています。生徒目線でグローバル意識を高めるようなイベントを考え、留学生や海外から来日する学校との交流会、日本語学校とのコラボレーションなどを企画・運営、またグローバルセンターと一緒に「多文化交流通信」の記事作成を行ったりと、多様なプロジェクトを通じて、生徒の主体性を活かした取り組みが進められているそうです。

「これからは、生徒自身の手で校内に国際意識を広げていくような取り組みを生み出していってほしいですね」

 グローバルセンター開設から5年。大学での留学体験を後輩に語ってくれる卒業生や、その話を聞いて刺激を受け、自らも留学に挑戦したいと考える生徒が増えるなど、前向きなサイクルが生まれています。

「学校が用意した機会に参加するだけでなく、生徒自身が関心をもち、主体的に動き出すようになってきたことが何よりの成果です。こうした積み重ねが、本校のグローバル教育をより豊かなものにしてくれています」

 外の世界へ踏み出す勇気と、日常のなかで育まれる異文化理解。この両輪が、同校のグローバル教育を力強く前進させているのです。

グローバルカフェでは、グローバルな体験をしている先輩や社会人と出会える機会も提供しています。
高1の希望者を選抜し、ニュージーランドとオーストラリアでのターム留学と1年留学、北米での1年留学に送り出しています。「報告会では、先輩の体験談に刺激を受けて、後輩たちも頑張ってくれることを期待しています」(伊藤さん)
留学カウンセラーの経験を活かし
生徒の進路とキャリアをサポート
伊藤恭子さんグローバルセンター長
伊藤恭子さん

 留学カウンセラーとして豊富な経験をもち、長年にわたり外部の立場から同校の海外研修や高校留学を支えてきた伊藤恭子さん。

「私は一般企業で長く勤めてきた経験があるので、先生方とは異なる視点から、進路や将来のキャリアについて生徒と話せるのが強みだと思っています。おかげさまで、気軽に立ち寄って声をかけてくれる生徒も多いんですよ」

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